日本の平均寿命が過去最高を更新 厚労省発表
この「簡易生命表」は2015年の死亡状況が今後変化しないと仮定した場合に、年齢別に1年以内の死亡率や平均余命などの指標で表したもの。
男女別の人口と死亡数を基にして計算されており、年齢構成の影響を受けることはなく、死亡状況のみを表すものとなっている。統計法に基づいた重要な基礎資料として、各種の政策などに役立てられている。
日本の生命表には、「完全生命表」と「簡易生命表」の2種類が存在するが、0歳の平均余命である「平均寿命」は、すべての年齢の死亡状況を集約したものとなっており、
保健福祉水準を総合的に示す指標。「完全生命表」は、国勢調査による人口(確定数)と人口動態統計(確定数)による死亡数、出生数を基に5年に1度作成し、「簡易生命表」は、人口推計などによる人口と人口動態統計月報年計(概数)による死亡数、出生数を基に毎年作成している。
今回の調査結果の要旨は、
- 男性の平均寿命は 80.79 年となり、過去最高(平成 26 年の 80.50 年)を更新
- 女性の平均寿命は 87.05 年となり、過去最高(平成 26 年の 86.83 年)を更新
- 国別に平均寿命をみると、厚生労働省が調査した中では、日本は男性、女性とも世界のトップクラス
平均寿命は男性80.79歳、女性は87.05歳で、いずれも過去最高を更新。前年比で男性は0.29年、女性は0.22年上回り、平均寿命の男女差は6.26年で前年より0.07年減少した。厚労省は平均寿命の前年との差を死因別にみると、男女とも悪性新生物(がんや肉腫など悪性腫瘍)や心疾患(高血圧症を除く)などの死亡率の変化が平均寿命を伸ばす方向に働いていると説明している。
悪性新生物、心疾患、脳血管疾患」を合計した死亡確率(いずれかで亡くなる確率)は男性51.60%、女性46.92%。他方、「悪性新生物、心疾患、脳血管疾患」を死因として死亡することがなくなったと仮定した場合の平均余命の延びは、男性7.16年、女性5.88年と計算されている。
国別に比較してみると、男性はスイスの81.0歳に次いで世界4位、女性は香港の87.32歳に次いで世界2位であり、依然として日本人の寿命は世界最長クラスでありながら、女性は前年まで3年連続で維持していたトップの座から陥落している状況も見てとれる。