阿部尚武税理士事務所

安倍首相、介護士、保育士「新たに2%相当の賃上げ」表明

16.05.16
C-MAS会-介護事業

一億総活躍国民会議 5月の「総活躍プラン」に盛り込む

4月26日、政府の一億総活躍国民会議が開催された。安倍晋三首相自らが会議議長を務める同会議で保育士や介護士の待遇改善について「新たに2%相当の処遇改善を行う」と述べ、賃金を引き上げる方針を表明した。今後、財源確保の上で、2017年度から実施する。

保育士として技能や経験を積んだ職員については、賃金を上乗せすると説明。介護士の給与引き上げも併せて表明し、保育や介護分野での人材確保につなげる考えを示した。

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いずれも5月にまとめる「ニッポン一億総活躍プラン」に盛り込む。安倍首相は加藤勝信一億総活躍相に対し、来月中の閣議決定に向け作業を加速するよう指示した。

 

この日の会議では子育て・介護の環境整備を議題に取り上げた。特に保育・介護人材の確保などについて議論が活発に行なわれた。

 

会議の構成委員の総合意見としてまとめると、ほぼ全員

が待遇改善、具体的には賃金アップしないと根本的な解

決策にはならない、ということに足並みを揃えていたこ

とと、その財源手段として消費税アップの提案が複数人

からあったことなどが同会議を加速させるアクセルとな

った。

 

同会議の議長でもある安倍総理は「保育・介護人材の確

保のためにはニッポン一億総活躍プランにおいて総合的

な対策を取りまとめることが必要」とし「第一に処遇改

善、第二に多様な人材の育成・高齢者等の活用、第三に

生産性の向上を通じた労働負担の軽減、やりがいを持っ

て安心・快適に働ける環境の整備といった点について、

財源を確保しつつ、2017年度から実行する」と語った。

 

安倍晋三総理は今年1月の衆院本会議で、同一労働同一

賃金と均等待遇について「日本一億総活躍プランでは

『同一労働同一賃金の実現に踏み込むことにした』。 

その策定にあたっては一億総活躍国民会議において、

均衡待遇に留まらず、均等待遇を含めて検討して頂く」

と前に進める考えを述べている。

 

安倍総理は均等待遇、均衡待遇についての政府としての

解釈として「均等待遇は仕事の内容や経験、責任、人材

活用のしくみなど諸要素が同じであれば同一の待遇を保

障すること」とし「均衡待遇とは仕事の内容や経験、責

任、人材活用のしくみなどの諸要素に鑑み、バランスの

取れた待遇を保障することととらえている」と説明して

いる。

 

そのうえで、安倍総理は「これまで我が国においては直

ちに均等、均衡の待遇を直ちに図ることについては課題

があるとして、その在り方について調査研究を行ってき

た。 

その成果の一つに非正規雇用で働く方の均衡待遇の確保

に取り組んできた。さらに取り組みを強化したい」と語

った。

 

さらに「我が国の雇用慣行に留意しつつ、待遇改善に実

効性のある方策を打ち出したい」とした。

今回、安倍首相は介護士、保育士が競合する他産業と賃
金差がなくなるよう処遇改善すると明言した形になった。

 

自民党は4月21日の「1億総活躍推進本部」の会合で、

政府が5月にも策定する「ニッポン1億総活躍プラン」

に向けた提言をまとめた。

 

「介護離職ゼロ」を実現できる環境をつくるため、サービ

スを支える介護職員の処遇を改善すべきと明記。

キャリアアップの仕組みの構築を進めつつ、平均で月1万円

相当の賃上げを来年度から実施するよう要請した。