介護福祉士国家試験 EPA介護福祉士候補者合格率 大幅増
厚生労働省が3月25日、「第28回介護福祉士国家試験結果」において、経済連携協定(EPA―日本・インドネシア、フィリピン、ベトナムとの協定)に基づく外国人介護福祉士候補者の合格者は82名(合格50.9%)
EPA介護福祉士候補者の合格率は、全体で50.9%(対前年比+6.1ポイント)と第26回(36.3%)、第27回(44.8%)と比較して大きく上昇している。
全受験者でみた合格率は57.9%(前年61.0%)。
インドネシア人・フィリピン人看護師・介護福祉士候補者の受入れスキーム(公的体制) は平成20年に始まった。看護師コースの在留期間は最大3年間、介護福祉士・就労コース(※)の在留期間は最大4年間となっている。(※)平成28年度は受け入れ実績がないため、今後も予定していない。
日本・インドネシア経済連携協定(平成20年7月1日発効)
及び日本・フィリピン経済連携協定(平成20年12月11日発効)に基づく看護師・介護福祉士候補者等の受入れは、原則として外国人の就労が認められていない分野において、経済活動の連携の強化の観点から、二国間の協定に基づき、公的な枠組みで特例的に行うものである。
ただし看護・介護分野の労働力不足への対応ではなく国内労働市場への影響を考慮して受入れ最大人数を設定した背景がある。
候補者の受入れを適正に実施する観点から、日本は公益社団法人国際厚生事業団(JICWELS)を調整のための機関として位置づけており、これ以外の職業紹介事業者や労働者派遣事業者にあっせんを依頼することはできない。
滞在期間1年間延長の条件について
ただし追加的に1年間の滞在を認めることができる。次のいずれにも該当する場合に限り、所要の手続き及び審査を経て、就労研修しながら協定に基づく滞在期間中の最後の国家試験の次年度の国家試験合格を目指すこと等を可能とするため、追加的に1年間の滞在を認めることができる。
EPAに基づくインドネシア人及びフィリピン人看護師・介護福祉士候補者の滞在期間の延長について
(平成25年閣議決定)
(ア)追加的な滞在期間における就労・研修は、協定に基づく受入れ機関との雇用契約に基づいて行われること。
(イ)候補者本人から平成28年度の国家試験合格に向けて精励するとの意思が表明 されていること。
(ウ)受入れ機関により、平成28年度の国家試験合格を目指すため、候補者の特性に 応じた研修改善計画が組織的に作成されていること。
(エ)受入れ機関により、平成28年度の国家試験合格に向けた受入れ体制を確保する とともに、上記計画に基づき適切な研修を実施するとの意思が表明されていること。
(オ)平成27年度の国家試験の得点が一定の水準以上の者であること。
3月25日には「看護師国家試験における経済連携協定(EPA)に基づく外国人看護師候補者」の合格状況も公表された。受け入れに関しては、合格率・合格者数が低い水準であることや、受け入れ施設数・人数が少数にとどまっているとの課題が指摘されている。
今回の試験結果でもその課題は残り、2016年は受験者数152人に対して、合格者は5人で、合格率は3.3%だった。国別では、インドネシア11人、フィリピン22人、ベトナム14人だった。
2016年の「第102回保健師国家試験」、「第99回助産師国家試験」および「第105回看護師国家試験」の合格者も同日発表された。
看護師国家試験は、受験者数6万2,154人(うち新卒者5万6,414人)に対し、合格者は5万5,585人(同5万3,547人)で、合格率は89.4%(同94.9%)だった。