6割の介護者が保険外サービスに関心 日本政策金融公庫 介護者調査 「利用してみたい」の最多はお泊まり
日本政策金融公庫は2月9日、「訪問介護・通所介護に関するアンケート」結果を公表した。この調査は「利用者側は介護サービスをどう選ぶのか」を明らかにするために行われたもの。
調査結果では、「約6割の介護者が保険外の介護サービスに関心を持っている」と報告されている。
実際に使ってみたい種類では、いわゆる「お泊りデイサービス」が最多。
お泊まりデイをめぐっては、夜間を過ごす環境やケアの質などで様々な
課題が指摘されているが、日本公庫の担当者は「低価格の宿泊サービ
スへのニーズや興味が、やはり一定程度あることがわかる」としている。
現在、保険外のサービスを既に「利用している」が21.2%、今後は「利用
してみたい」が39.7%となっており、これらをあわせると60.9%だった。
「利用している」「利用してみたい」とした人に対し、これから使ってみたい
と考えているサービスは何か尋ねたところ、トップは35.5%の「お泊りデ
イサービス」だった。以下、27.1%の「家事代行サービス」、26.9%の「配
食サービス」、25.5%の「見守りサービス」などが続いた。お泊りデイの人
気が高い背景には、多くの待機者がいて特別養護老人ホームに入所する
のが難しく、ショートステイなども満足に活用できない現状があるとみられる。
【アンケート結果概要】
1 介護者は、利用のしやすさだけではなく、介護サービスの質も重視
介護者のうち4割は、ケアマネジャーや病院等から紹介された訪問・通所介護事業所について、事業所のホームページや介護施設検索サービス等を使って情報収集している。インターネットを使って調べた情報は、事業所の場所や時間帯といった利用のしやすさから、介護方針や介護技術、利用者の評判といった介護の質まで幅広い。とくに女性は介護の質への関心が強い。訪問・通所介護事業者が利用者を獲得するにはインターネットを使って自らの特長をアピールすることが望ましい。
2 介護者の不満には、事業者が改善できるものも多い
介護者がもつ訪問・通所介護への不満には、自己負担額や利用の制限など介護保険制度に対するものもあるが、介護職員の仕事ぶりや引継ぎのミスなど事業者のマネジメントに起因するものも少なくない。
3 介護者の6割が保険外サービスに関心
介護者のうち、介護保険外の介護サービスをすでに利用しているとする人が2割、利用してみたいとする人が4割いる。介護のニーズを満たすには保険外サービスへの進出も検討する価値がある。