阿部尚武税理士事務所

75%の事業所がヘルパー不足、採用率も下がる

15.09.10
事務所通信
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75%の事業所がヘルパー不足、採用率も下がる

介護労働安定センター 2014年度介護労働実態調査―介護労働安定センター

 

介護労働安定センターは8月17日、2014年度介護労働実態調査結果を公表した。訪問介護員と施設などの介護職員全体の離職率は16・5%で前年度調査とほぼ同じだったが、採用率は減少傾向が止まらず20・6%に。人手不足感が高まり、特にヘルパーは75%の事業所が足りないと答え深刻な状況であることが分かった。

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調査の概要と調査対象

「事業所における介護労働実態調査」は全国の介護保険サービスを実施する事業所から無作為抽出した17,065事業所を対象にアンケート調査を実施した。有効回答は7,808事業所であった。(有効回収率は45.8%)。

 

なお並行調査の「介護労働者の就業実態と就業意識調査」は上記の事業所の中で、1事業所あたり介護にかかわる労働者3人を上限に選出した51,195人に対し、調査票を配布してアンケート調査を実施した。有効回答のあったのは18,881人であった。

「平成25年度 介護労働実態調査結果」概要

【調査結果のポイント】()内は前年度数値。

 

1、離職率・採用率

[平成25年10月1日から平成26年9月30日]まで1年間の離職率の状況は、16.5%(16.6%)であった。また、採用率の状況は全体では20.6%(21.7%)であった。

 

2、従業員の過不足

(1)  介護サービスに従事する従業員の過不足状況を見ると、不足感(「大いに不足」+「不足」+「やや不足」)は59.3%(56.5%)であった。「適当」が40.2%(43.0%)であった。

(2)  不足している理由については、「採用が困難である」が72.2%(68.3%)、「事業拡大をしたいが人材が確保できない」が19.8%(19.3%)であった。

(3)  採用が困難である原因は、「賃金が低い」が61.3%(55.4%)、「仕事がきつい(身体的・精神的)」が49.3%(48.6%)であった。

 

3、介護サービスを運営する上での問題点

全体では「良質な人材の確保が難しい」が53.9%(54.0%)、「今の介護報酬では人材の確保・定着のために十分な賃金を払えない」が49.8%(46.9%)であった。

 

4、賃金

労働者の所定内賃金[月給の者]は215,077円(212,972円)であった。

(注)労働者:事業所管理者(施設長)を除く

 

■介護労働者の就業実態と就業意識調査■

5、仕事を選んだ理由

「働きがいのある仕事だと思ったから」が52.6%(54.0%)であった。

 

6、労働条件等の不満

「人手が足りない」が48.3%(45.0%)、「仕事内容のわりに賃金が低い」が42.3%(43.6%)、「有給休暇が取りにくい」が34.9%(34.5%)であった。

 

7、家族の介護(平成26年度新規設問)

(1)  「現在、介護をしている」が11.1%、「ここ数年のうち、可能性がある」が31.1%、「当面ない」が55.5%であった。

(2)  仕事と介護の両立については「両立できる」が34.2%、「両立できない」が63.3%であった。

(3)  「両立できる」と回答した方は、「両立できない」と回答した方に比べて「休んだ時に自分の仕事を代わりに担当できる人がいる」などすべての項目で回答割合が高かった。