◆ 東京都が郵便局・信金と連携して「見守り」 地域密着の「ながら見守り」事業がスタート
東京都は8月1日から都内で郵便局・信金と連携して社会的弱者を見守る「ながら見守り連携事業」をスタートさせた。
委託を受けた金融機関など事業者が日常業務をしながら社会的弱者を見守る、ことから「ながら見守り」と命名した。
配達や集金をしながらパトロールもかねる「おもいやり」の一種だが、事業開始からわずか10日くらいで郵便局や信金を訪れた親子ずれや高齢者などから質問を受けるなどこの事業への関心の高さを生の反応で感じ、間もなくお盆の一斉休暇を前にあらためてPRに力を入れようと店頭やお客さん宅での「おもいやり」に重点を置くという。
昨今都内では高齢者や子供が巻き込まれる事件・事故が多発した。特に都内における高齢者の交通事故死者数の割合は依然として高い。このような背景を受けて事業をスタートすることとなった。
具体的には、信金・郵便局は、見守りの要望があった場所の走行や、交通事故に関するヒヤリハット(危険な状況に合う)の共有、高齢者の声かけなどを行い、市区町村と情報共有を行う。
東京都が行う協定は地域に密着した事業を行う、一般
社団法人東京都信用金庫協会や日本郵便株式会社東京支
社と締結し、日常業務をしながら子供や高齢者等の弱者
を見守ってもらうことで、安全に安心して暮らせる地域
づくりに取り組んでいこうというもの。
郵便局や信金は東京都とも情報交換を行い、都は見守
り実施に当たって必要な支援を実施する。今後は安全な
地域作りを目指し、都内の地域全体で、高齢者や子供を
見守ることになる。
今、政府、厚労省、国交省、経産省などが、様々なス
タンスで高齢者の「見(看)守り」対策を進めようとし
ている。
例えば厚労省は地域包括センター、国交省は団地等の再
開発と高齢者の住居を組み合わせる「コンパクトシティ
構想」(機能集中型の都市型高齢者住宅街)、経産省は特
に人型「ロボット開発」、コンビニや薬局に東京都の「な
がら見守り」ができないか検討会を開いている。
いずれがトップランナーになるのかは別として、高齢者
問題は、人口減と人手不足で、どんなに予算を工面して
も「高齢者の満足度」は得られないまま時間は過ぎていく。
今いる介護の専門家、企業、地域住民、家族・親類、プ
ラスアルファが応援チームを組んで、政府の元で高齢者
を見守っていいこう、というのが、すくなくとも2025
年団塊世代~後期高齢年齢ピーク層への各省の中期的ア
プローチなのである。
今後の高齢者問題は医療介護とも「在宅」に焦点が絞ら
れていく。
●「ながら見守り連携事業」に関する協定の概要
▽事業内容
都は、事業者の防犯活動等を促進するため、事業者と
包括協定を締結。区市町村は、地域の要望に合わせた効
果的な見守りを実施するため、事業者と個別協定を締結。
事業者は、“ながら見守り”により、街中のパトロールな
どを実施
▽包括協定の内容
東京都は、事業の実施に当たって事業者に対して必要
な支援を実施する。
事業者は、各店舗に対し、本協定の趣旨を周知するとと
もに、“ながら見守り”に関する取組について区市町村と
協議し、各店舗において実施できるよう支援する。
東京都と事業者は、必要に応じて情報交換を行い、相
互連携を強化する。