15年度から介護保険料平均月額5,514円支払い 全団体の94%が保険料引上げ 格差3倍以上に拡大
厚生労働省は4月28日、65歳以上の高齢者が支払う2015〜17年度
の介護保険料が、全国平均で月額5,514円になるとの集計結果を発
表した。高齢化による介護サービス利用者の増加とサービスの
充実のため、12〜14年度の平均4,972円と比べて542円(11%)
増となった。
同省はまた、20年度に6,771円、25年度には
8,165円に上昇するとの見込み(推計)も示した。
介護保険料は、保険を運営する全国1,579の自治体
と広域連合が3年ごとに改定している。集計結果に
よると全団体のうち94%が保険料を引き上げた。改
定しなかった団体は4%、引き下げた団体は2%。
高齢化が進む自治体で引き上げる一方、介護予防の取
り組みが奏功して下げるところもある。
保険料は自治体の間で3倍以上の開きがある。保険料
が最も高いのは奈良県天川村の8,686円で人口に占め
る65歳以上の割合の推計値が47%と、全国平均の27
%を大きく上回っている。福島県飯舘村も8,003円に上
がった。最も安いのは鹿児島県三島村の2,800円と「
家族による介護が多い」という在宅介護のおかげだが、
一方で利用できるヘルパーや施設が不足しサービス利
用が少ないという悪条件が皮肉な結果を生んだ。いずれ
にしても全体として地域差が拡大している。
介護サービスは要介護の認定を受けた人が1割の自己負
担で用する。残りの9割を国民や企業が払う介護保険料
と税負担でまかなう。65歳以上が払う介護保険料は市
町村などが3年に一度見直しており、制度が始まった00
~02年度から毎回引き上げている。