介護報酬改定、新単位表は2月6日に諮問4月1日施行
来年度予算の最大の焦点となっていた「介護報酬」の見直しについて、2.27%とするマイナス(減額)改定が正式に決まった。マイナス改定は、過去最大の下げ幅となった06年度(マイナス2.4%)以来9年ぶり。厚生労働省は13日、正式に折衝内容を公表した。
2015年度介護報酬改定に向けて今後の工程は、改定
率が予算編成過程で決まり、改定率・予算規模を受けて
報酬設定(新単位表などの決定)がされる。
したがい今後、新単位表の内容に注目が集まる。
今後の手続きの流れについて
改定率を踏まえた報酬の新単位表等については、厚労省
は2月6日に、次回の社保審・介護給付費分科会を開
催して、諮問・答申を行うとしている。その後、介護報
酬を算定するにあたっての留意事項などを詰め、新単位
表の告示公布、関連通知など発出をする。新単位表は4
月1日に施行される。
厚労省 塩崎厚労相・麻生財務相の折衝内容を公表
厚生労働省は1月13日、11日に行われた2015年度
介護報酬改定(介護サービス料)をめぐり塩崎恭久厚生
労働大臣と麻生太郎財務大臣の折衝事項の内容を公表し
た。
2015年度介護報酬改定(介護サービス料金改定)
等が議論され、介護報酬の改定率は全体でマイナス2.27
%とすることで合意している(政府の公式発表)。
内訳は次の通り。
▽ 「介護職員処遇改善加算の拡充」プラス1.65%
▽ 「中・重度要介護者・認知症高齢者対応・地域密着型
小規模事業所に対する加算」プラス0.56%、
▽「収支状況などを反映した適正化」マイナス4.48%。
▽ 処遇改善加算の拡充は月額プラス1.2万円相当で、処
遇改善につながるよう加算の執行を厳格化することや、
地域包括ケアシステムの構築に向けて地域医療介護総
合確保基金(公費約700億円)や認知症施策など地域
支援事業の充実(公費約200億円)に、財源を介護報
酬の外枠で十分に確保することで合意している。
2015年度介護報酬改定に係る基本的な考え方
社会保障審議会・介護給付費分科会による審議報告
(案)要旨
2025年には団塊の世代が後期高齢者となることから、
これまでの分断された社会保障サービスを整理・統合
し、医療・介護・予防・住まい・生活支援を包括的に確
保する「地域包括ケアシステム」を構築することが喫緊
の課題とされている。
15年度の介護報酬改定では、この地域包括ケアシス
テムの構築に向けて、
(1)中-重度の要介護者や認知症高齢者への対応の
さらなる強化
(2)介護人材確保対策の推進、
(3)サービス評価の適正化と効率的なサービス提供体
制の構築
――という3つの柱が立てられた。
介護職の平均給与は月額21万円程度と全労働者平
均の7割弱にとどまっていて、これが人手不足の元凶と
されている。今回の改定で、厚労省は介護職員の月
給を1人当たり1万2000円アップするため、別枠で
- 65%増分を確保。
また、認知症や要介護度が高い高齢者向けのサービス
を充実させた事業者に報酬を上乗せするために、0.5
6%増分も確保した。
ただし報酬減額の一方で、人手不足の解消に向け、介護
職員の処遇は改善する形で決着したが、賞与の原資をど
うするかは不透明なままだ。