阿部尚武税理士事務所

介護報酬改定、新単位表は2月6日に諮問4月1日施行

15.01.21
C-MAS会-介護事業
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来年度予算の最大の焦点となっていた「介護報酬」の見直しについて、2.27%とするマイナス(減額)改定が正式に決まった。マイナス改定は、過去最大の下げ幅となった06年度(マイナス2.4%)以来9年ぶり。厚生労働省は13日、正式に折衝内容を公表した。

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2015年度介護報酬改定に向けて今後の工程は、改定

率が予算編成過程で決まり、改定率・予算規模を受けて

報酬設定(新単位表などの決定)がされる。

したがい今後、新単位表の内容に注目が集まる。

 

今後の手続きの流れについて

改定率を踏まえた報酬の新単位表等については、厚労省

は2月6日に、次回の社保審・介護給付費分科会を開

催して、諮問・答申を行うとしている。その後、介護報

酬を算定するにあたっての留意事項などを詰め、新単位

表の告示公布、関連通知など発出をする。新単位表は4

月1日に施行される。

 

厚労省 塩崎厚労相・麻生財務相の折衝内容を公表 

厚生労働省は1月13日、11日に行われた2015年度

介護報酬改定(介護サービス料)をめぐり塩崎恭久厚生

労働大臣と麻生太郎財務大臣の折衝事項の内容を公表し

た。

2015年度介護報酬改定(介護サービス料金改定)

等が議論され、介護報酬の改定率は全体でマイナス2.27

%とすることで合意している(政府の公式発表)。

 

内訳は次の通り。

▽   「介護職員処遇改善加算の拡充」プラス1.65%

 

▽   「中・重度要介護者・認知症高齢者対応・地域密着型

   小規模事業所に対する加算」プラス0.56%、

 

▽「収支状況などを反映した適正化」マイナス4.48%。

 

▽   処遇改善加算の拡充は月額プラス1.2万円相当で、処

  遇改善につながるよう加算の執行を厳格化することや、

  地域包括ケアシステムの構築に向けて地域医療介護総

  合確保基金(公費約700億円)や認知症施策など地域

  支援事業の充実(公費約200億円)に、財源を介護報

  酬の外枠で十分に確保することで合意している。

 

2015年度介護報酬改定に係る基本的な考え方

社会保障審議会・介護給付費分科会による審議報告

(案)要旨

2025年には団塊の世代が後期高齢者となることから、

これまでの分断された社会保障サービスを整理・統合

し、医療・介護・予防・住まい・生活支援を包括的に確

保する「地域包括ケアシステム」を構築することが喫緊

の課題とされている。


15年度の介護報酬改定では、この地域包括ケアシス

テムの構築に向けて、

(1)中-重度の要介護者や認知症高齢者への対応の
  さらなる強化

(2)介護人材確保対策の推進、

(3)サービス評価の適正化と効率的なサービス提供体
  制の構築

――という3つの柱が立てられた。

 

介護職の平均給与は月額21万円程度と全労働者平

均の7割弱にとどまっていて、これが人手不足の元凶と

されている。今回の改定で、厚労省は介護職員の月

給を1人当たり1万2000円アップするため、別枠で

  1. 65%増分を確保。

また、認知症や要介護度が高い高齢者向けのサービス

を充実させた事業者に報酬を上乗せするために、0.5

6%増分も確保した。

 

ただし報酬減額の一方で、人手不足の解消に向け、介護

職員の処遇は改善する形で決着したが、賞与の原資をど

うするかは不透明なままだ。