C-MASインフォメ-ションvol.⒗
ケアプランの目標達成度合い等を可視化するツール作成
厚労省 「課題整理総括表・評価表の活用の手引き」に
――厚生労働省
厚生労働省は6月17日、介護保険最新情報Vol.379で、同日付の事務連絡「『課題整理総括表・評価表の活用の手引き』の活用について」を掲載し全国管内に発出している。
具体的には、ケアマネジャー(介護支援専門員)のアセスメント(課題把握)過程などを明確にする「課題整理総括表」と、ケアプランの目標達成度合いを可視化する「評価表」を厚労省が作成したことを告知した。これはサービス担当者会議など多職種連携の場で活用し、より良いケアプラン作成の充実に生かしてほしいとの狙いがある。
介護保険では、ケアマネジャーが利用者の心身状況等を
アセスメント(課題の把握)し、利用者等の意向を踏まえた
うえで必要なサービスの内容と量を盛込んだ計画(ケアプ
ラン)を作成する。しかし、ケアマネに対して「アセスメントが
不十分である」「モニタリング、評価が十分でない」などと
指摘されるケースも少なくない。
このため、
① 利用者の状態等を把握し、情報の整理・分析等を
通じて課題を導き出した過程について、多職種協働の場面
等で説明する際に適切な情報共有に資することを目的とし
た「課題整理総括表」
② ケアプランに位置付けたサービスについて、短期目標
に対する達成度合いを評価することで、より効果的なケアプ
ランの見直しに資することを目的とした「評価表」を策定し、
活用にあたっての手引きを作成した。
厚労省は「貴管内における介護支援専門員を対象とした
研修に積極的に活用いただくとともに、介護支援専門員が
サービス担当者会議や地域ケア会議等の場における多職
種との情報共有や調整等に際して積極的な活用を推進す
るため、居宅介護支援事業所等への周知を図っていただく
ようお願いいたします」と期待している。
手引きでは、①の課題整理総括表について、「利用者の状
態等を把握し、情報の整理・分析を通じて課題を導出した
過程を説明する際の1つの様式例」であると説明。多職種
協働場面において、ケアマネが口頭で詳細な説明をせずと
も、アセスメントの経過・結果を把握しやすくなる。
手引きでは、新たな試みだが、「ケアマネの研修時」「サー
ビス担当者会議」「地域ケア会議」「主任ケアマネ等からO
JT(職場訓練)を通じ指導を受ける際」などに課題整理総
括表を活用することを勧めている。
また②の評価表は、「ケアプランに掲げた短期目標に着目
し、設定した期限の終了時期における目標の達成度合いを
表現するもの」である。目標の達成度合いを分析・共有し、
「想定よりもうまくいった要因」「達成できなかった要因」
「新たに把握された課題」を明らかにして、次のケアプラン
にびつけることが求められる。
手引きでは、「ケアマネが1人で評価するのではなく、サービ
スの担当者等とともに情報共有しながら評価することにより
、多職種協働によるチームケアを効果的なものにするツー
ルとして活用する」ことが重要と指摘している。