阿部尚武税理士事務所

現在の法人の実態が一番わかる【平成28年度会社標本調査①】とは?~利益計上法人の増加~

18.04.06
事務所通信
dummy
みなさんこんにちは。

確定申告が終わり、

気が付けば桜の季節も

あっという間に終わって

しまいました。

幣事務所は花見川区にありますが、その名の通り区内には

花見川という川が流れています。

その川の沿線はこの季節になると、とても素敵な桜並木が

立ち並び、地元からもずっと愛され続けてきました。

【花見川区役所HPより(自分で見に行けないので拝借しました)】

仕事上いつもの事とはいえ、地元の名物を楽しめないのは

とても残念です。

 さて今回は、今年、平成30年3月に発表された、

【平成28年度会社標本調査】についてお伝えします。



dummy
国税庁は毎年下記を目的としてサンプル調査を実施

しております。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

我が国の法人企業について、資本金階級別や

業種別にその実態を明らかにし、併せて

租税収入の見積り、税制改正及び税務行政の

運営等の基礎資料とすることを目的として実施している

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

(平成28年度会社標本調査より抜粋)


 対象は平成28年度ですので、

平成29年3月31日終了事業年度の法人が対象のようです。

記者発表についてはこちら


 このサンプル調査のポイントは以下の3つです。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

1.法人数は年々増加しているが、

  利益計上法人が増えており、その割合は

  36.5%である

2.売上は2年ぶりにプラスだが、利益は

  7年連続で増加している

3.繰越決算金は減少傾向から増加傾向に

  変わった

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

それでは各項目についてみてみましょう。


1.法人数は年々増加しているが、利益計上法人が増えており、

 その割合は36.5%である



棒グラフは全体の法人数です。

平成19年(2007年)のリーマンショックを受けてか、

平成22年以降から法人数が減少しています。

その後平成23年(2011年)の東日本大震災の翌年を底として

平成25年(2013年)から法人が増加傾向にあります。


 しかし、その法人のうち利益計上法人の数を見ると、

リーマンショック以降減少するものの、その後数を

それほど落とすことなく利益計上法人が増えています。

そして平成28年は利益計上法人及び法人総数も増えています。

ただ、互いのグラフを見比べると、法人数の増減に比較して

利益計上法人数はそれほど増減していないように見えます。


 つまり利益計上法人は、法人全体の数に左右されることなく、

常に一定の層を保っているという事です。

 また平成24年度と比較すると、法人数と利益計上法人数の

かい離が見られますが、平成28年度はその差が逆転しています。

平成24年度に比べて、平成28年度は利益が出ている

法人の割合が増えていると言えます。



 この会社標本調査のうち、利益計上法人の

 巷では景気が良くなっているとの噂を聞きますが、

この会社標本調査を見ると、噂は間違っていないような気もしてきます。


 次回はポイントの2及び3を解説します。