阿部尚武税理士事務所

けしからん!?赤字法人調査で1割強が黒字転換-1件当たりの申告漏れは1288万円にも

14.05.07
事務所通信
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今回は税金のお話をします。

なかなか景気が良くなっていることを

実感しにくい世の中ですが、それでも

儲かっている会社があり、さらに

けしからんことに(笑)黒字を偽って

赤字にしている企業が、赤字企業の法人調査の

1割もあるそうです。


今回は昨今の税務調査事情をご紹介いたします。


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今回は税金のお話をします。

なかなか景気が良くなっていることを

実感しにくい世の中ですが、それでも

儲かっている会社があり、さらに

けしからんことに(笑)黒字を偽って

赤字にしている企業が、赤字企業の法人調査の

1割あるそうです。


今回は昨今の税務調査事情をご紹介いたします。



今年6月までの1年間(2012事務年度)における

法人の黒字申告割合は27.4%で2年連続増加した

そうです(国税庁発表)。

一方低水準は変わらず7割強の法人が赤字のようです。

このような状況に便乗して実際は黒字なのに赤字を

装う企業が後を絶たないようです。

2012事務年度中に法人税の実地調査をした9万3件のうち

ほぼ4割に当たる3万7千件は無所得申告法人の調査に

充てられ、うち1割強(12%)の約4千社が

実際は黒字だったことが、国税庁のまとめで判明しました。

http://www.nta.go.jp/kohyo/press/press/2013/hojin_chosa/03.htm

 
 調査結果によると、実地調査した3万7千件のうち、

約7割にあたる2万6千件から総額4803億円にのぼる

申告漏れ所得金額を見つけ、加算税79億円を含む

416億円の税額を追徴したそうです。

 なお、調査1件あたりの申告漏れ所得は

1288万円となります。


 また、実施調査したうちの22.3%の8千件は

仮装・隠ぺいなど故意に所得をごまかしており、

その不正脱漏所得金額総額は1516億円に

のぼっています。

なお、不正申告1件当たりの不正脱漏所得は

1819万円となっています。

 

 2012事務年度の無所得申告法人調査は、

実地調査件数が国税通則法改正の影響で

前年度比32.6%減、申告漏れ件数も30.6%減と

ともに大幅減少なりました。この税務調査の結果、

黒字となった法人が約4千社ありました。


 調査で把握された1件あたりの申告漏れ

所得1288万円は、前年度から16.8%増加し、

法人全体の平均1071万円を大幅に上回ります。

 ここに、赤字の仮装などの観点から、

無所得法人に対する調査を重点的に

実施する背景があります。


 赤字だからといって税務調査がないわけではなく

むしろ赤字が続いている企業がいつまでも

存続しているというのもおかしな話というわけです。


 また、最近の税務調査は事前準備が十分されており、

特に過去5年間の財務諸表の比較(署内では【趨勢表】と

呼んでいます)により、論点を予め特定してから

調査に来るようです。


 ただ、税務調査対策は決算時にしておくべきもの。

税務調査の連絡が来てから慌てても

どうしようもありません。


 税務調査で慌てないためにも、普段からの

税理士さんとの十分な意思疎通と信頼関係

の構築をしておきたいものです(^^♪