阿部尚武税理士事務所

C-MASインフォメーションVol.12

14.03.19
C-MAS会-介護事業
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今後10年間の取組みが地域包括ケアの行方を左右 

東京都社会福祉審議会、早急な準備の必要性を強調

                      ―東京都

東京都は2月21日、都社会福祉審議会(委員長:三

浦文夫日本社会事業大学名誉教授)から「2025年

以降を 見据えた施策の方向性~東京における地域

包括ケアシス テムの構築に向けて~」と題する意見

具申を受けたと発 表した。審議会は「2025年までの

10年間の準備が、 その後の東京の行方を左右する」

と述べ、早急な準備の 必要性を強調した。 

東京都は、現在、各自治体と同様に高齢化のさらなる

進行 などに対応していくため、地域包括ケアシステム

の構築に 向けて様々な取組みを加速させている。

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本審議会は、東京における地域包括ケアシステムの方向

性等について提言し たもの。地域包括ケアシステムとは

「介護」「医療」「予防」という専門的なサービスと、

その前提としての「住まい」と「生活支援・福祉サービ

ス」が相互に関係し、連携し ながら在宅生活を支える

仕組みで、国の高齢社会対策の核。 

 

(1)東京の「現状と将来の姿」を概観 

2010年から2040年にかけて、65歳以上人口は268万

から412万人(1.5倍)、75歳以上人214万 人(1.7倍)

となる見込み。2010年から2025年にかけて、75歳以上

の単独世帯は33万世帯から57万世帯(1.7倍)となる見

込み

 

(2)東京における「潜在的リスク」を指摘 

一人暮らし高齢者などは、身体機能の低下等により、深

刻な 問題につながるおそれがあること。障害を持つ子供

がいる家 庭などでは、親の高齢化等により、問題が複合

し、深刻化する おそれがあること。世帯規模が縮小し、

家族による支援機能も 低下する中で、今後リスクの増大

が危惧されること 


(3)地域包括ケアシステムを構築するための「視点」を整理

地域包括ケアシステムの機能が十分発揮される「支援付

きの地域」 の実現には、地域の現状だけでなく、中長期

的な人口構造や 社会環境の変化等を考慮し、都市機能

が集積し、多様な主体が活 動する東京のポテンシャルを

活用する。 


(4)取組みの「方向性」等を提言

「地域で生活する 1人ひとりを真に支える仕組みにしてい

かなければ ならない」と強調し次のような項目を指摘した。  

 

  住み慣れた地域において、サービス付き高齢者向け

住宅 やシルバーピア、都市型軽費老人ホームなどを整

備する (住まいそのものにコミュニティ形成機能を持たせ

る工 夫も必要) 

 

l   空家を改修し、低廉な家賃の集合住宅とし、そこに必

要なケアが届けられる仕組みを構築する

 

l   食事、見守りなどの分野で、地域住民の参加やNPO

等 の参入を進め、インフォーマル・サポートを活性化させ

ていく 

 

l   訪問看護・介護等の居宅サービス、小規模多機能型

居宅 介護等の地域密着型サービスの充実を図るととも

に、必要 なときに医療サービスを受けられる環境を整え

る(サービス 基盤の充実と同時に、双方の連携を強化

する)

 

  都民に対し、「適切な療養支援を受けながら、自宅な

どの 身近な地域で自分らしい生活を送ることが可能であ

る」ことを行政や医療提供者が情報発信していく

 

l   権利擁護や苦情対応などの利用者支援を推進するた

め 都内全域で成年後見制度の一層の普及・活用を図る

とともに、外部評価によるサービスの質確保を目指す 

 

l   潜在リスクを事前に把握し、「自ら制度にアクセスでき 

ないが、支援を必要としている人」を見逃さず、適切な 

サービスを届ける『アウトリーチ型支援』を実施する、など。