わかもり税理士事務所

会社が危ない! 知らなかったでは済まされないビジネス法務

17.09.15
ビジネス【企業法務】
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経営者はビジネスのことだけを考えていればいい、法律関係のことは弁護士が何とかしてくれるだろう──
などと、ビジネス法務の勉強をおろそかにしていませんか?

たとえば、自社よりも規模が小さい事業所に下請業務を発注している場合、
下請代金支払遅延等防止法(下請法)が適用される可能性があります。

「少しくらい無理を言っても聞いてくれるだろう」と一方的に支払いを延期したり、
価格を下げたりすると、それらは違法行為として摘発され、大きなペナルティーを負うことになります。
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近年、大企業による「下請けいじめ」が社会問題になっていますが、中小企業にとっても他人事ではありません。

根拠となる「下請法」は、取引の内容や取引当事者の資本金区分によって、適用対象が決まります。
「下請法」に抵触すれば公正取引委員会から調査が入り、最高50万円の罰金が課され、企業名や違反の内容が世間に公表されます。
それは企業コンプライアンスが重視される現代社会において、企業価値に深刻なダメージを与えることになります。
少なくとも、以下の3点を確認してください。

①対象となる取引と資本金区分
物品の製造や修理の委託、プログラムの作成・運送・物品の倉庫保管・情報処理の委託の場合

親事業者:資本金3億円超       → 下請事業者:資本金3億円以下(個人を含む)
親事業者:資本金1千万円超3億円以下 → 下請事業者:資本金1千万円以下(個人を含む)

プログラム作成以外の情報成果物作成(放送番組や商品デザインなど)委託、運送・物品の倉庫保管・情報処理以外の役務(ビルや機械のメンテナンスなど)委託の場合

親事業者:資本金5千万円超       → 下請事業者:資本金5千万円以下(個人を含む)
親事業者:資本金1千万円超5千万円以下 → 下請事業者:資本金1千万円以下(個人を含む)

②親事業者の義務
 親事業者は下請事業者に対して、以下の4点の義務を負います。
・発注の際は、下請代金額や支払期日、支払方法、納期などの発注内容を明記した書面を交付する。
・支払期日は、納品日から60日以内に定める。
・支払いが遅れた場合は、年率14.6%の遅延利息を支払う。
・取引内容を記載した書類を作成し、2年間保存する。

③親事業者の禁止事項
 仮に下請業者が了解しており、親事業者に違法の意識がなくても、以下の行為はすべて下請法違反になります。
・受領拒否
・下請代金の支払遅延
・下請代金の減額
・不当返品
・買いたたき
・物や役務の購入・利用強制
・有償支給原材料等の対価の早期決済
・割引困難な手形の交付
・不当な金銭や役務等の提供要請
・不当な給付内容の変更、やり直し
・違反行為を摘発した下請業者への取引停止等の報復行為

下請法の適用や違反の有無について判断が難しいときは、早めに弁護士に相談をしましょう。