「公図」と「地図」の違いとは
公図と地図の違いとは
Question
法務局に備え付けてある「公図」には精度の良いものと、そうではないものがあると聞きましたが、どういうことなのでしょうか?
Answer
法務局には、土地の位置、形状、地番、隣地との境界などを確認することができる図面が備え付けてありますが、それには次の2種類があります。
(1)地図
(2)地図に準ずる図面(いわゆる公図)
一般的にはこの両者を区別することなく「公図」と呼ぶことが多いのですが、両者を区別する場合には、公図とは(2)のことを指します。
(1)地図について
地図は、地籍調査の成果等に基づいて作成されるもので、一定以上の精度を保っていて信頼できる図面なのですが、現状では地域が限られています。
現在各地で地籍調査が進められていますが、地籍調査の進捗率は令和3年度末現在全国平均で52%であることがわかります。このことから、半数以上の地域で地図が備わっていない、ということがわかります。
そこで、地図が備え付けられるまでの間、それに代わるものとして「地図に準ずる図面」(いわゆる公図)が備え付けられているのです。
(2)地図に準ずる図面(いわゆる公図)について
地図に準ずる図面は、明治初期に実施された地租改正事業や、その後実施された地押調査事業によって作成されたものです。なにしろ今から100年も前の測量ですので、距離、角度、面積などの面では精度が低いとされています。
しかし、境界が直線かどうか、あるいは土地がどのように位置しているかなどの面では、比較的正確で、地図が備わっていない場合には、唯一の資料として貴重な役割を果たしています。
その他「公図」や「地図」についてお知りになりたい場合には、弊所の土地家屋調査士におたずねください。
最後までお読みいただきありがとうございました。
土地家屋調査士法人 共立測量登記事務所
代表社員 横田教和