土地家屋調査士法人共立パートナーズ

SNS世代の“バイトテロ”で飲食店が大打撃!? その対策は?

19.04.23
業種別【飲食業】
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アルバイト従業員が業務中の不衛生な行為や不正をSNS動画で拡散する“バイトテロ”が問題になっています。
バイトテロは他人事ではなく、どの飲食店にも起こる可能性があります。
そこで、先日、ある大手外食チェーンが法的措置に踏み切ったその経緯を例に、炎上してしまった際の対処法やアルバイト従業員に対するマネジメントについて、考えていきます。
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飲食店が不利益を被るバイトテロとは? 

大手外食チェーンAが、不適切な行為をしたアルバイト従業員に対して刑事、民事での法的措置の準備に入ったとの報道が2019年2月にありました。 
事の発端は、アルバイト従業員が業務中に調理場で不衛生な行為をし、それをSNSに投稿して楽しんでいたことにあります。 
当人たちは、軽い気持ちと遊び感覚で動画をアップしたものの、拡散機能によって投稿の3時間後には“大炎上”。 
拡散が止まらなくなり、初めてその重大さに気づいたアルバイト従業員は動画を削除しましたが、時すでに遅し……。 
今の時代、一度ネットにアップされた文字や動画、写真は、閲覧者によってアーカイブやキャプチャ保存もできるため、完全には削除できません。 

このようなアルバイト従業員が起こした行動によって、会社が多大な不利益を被ることを、最近では“バイトテロ”と称しています。 
刑事、民事での法的措置が行われるとなれば、当然アルバイト従業員の家族にも多大な負担がのしかかります。 


不祥事で大炎上してしまった時の対処法 

では、実際に自分が経営する飲食店で、バイトテロが起こった時に、どう対処したらよいか考えてみましょう。 
実は、こうした行為は現在に始まったことではなく、飲食店の裏側では残念ながら昔からあったと考えられます。 
しかし、昔は営業中にアルバイトの学生が悪ふざけをしたり、調理場をゴキブリが駆け回ったりしても、公になることはありませんでした。 
現在は、SNSの普及によって“気軽にみんなに見てもらえる”環境が整ったことで、露呈しているだけなのです。 
2013年に“冷凍庫の中に入ってみた”という投稿を社員がネット上にアップして大問題となった、大手コンビニチェーンでの不祥事がその先駆けともいわれています。 

以上のことをふまえて考えてみると、ポイントは、悪ふざけをするかしないかではなく、悪ふざけを“ネットで拡散するか、しないか”。 
SNS世代が、なぜ簡単にネット上に内部情報をさらしてしまうのかを考え、マニュアル強化や研修を緻密に行うことが大切です。 
万が一ネガティブな情報が拡散された場合は、一刻も早く投稿を削除し、会社としてどう対応するかを世間に明示することです。 
単純にすべてのアルバイト従業員をひとくくりにして責めたり、スマートフォンの持ち込みを禁止したりしたところで解決には至りません。 


アルバイト従業員をどうマネジメントするか? 

これまでに紹介したような不祥事は、店側の努力で未然に防げるものなのでしょうか。 
ある専門家は、会社だけでなく、家庭や学校で社会的常識として、基本的に教育しておくべきだと唱えています。 
一方で、アルバイト従業員をマネジメントする管理者の問題を指摘する専門家もいます。 
不祥事を防ぐため飲食店側がまずすべきことは、採用時に彼らのネットリテラシーの理解度を見極めること。 
そして、日々進化するソーシャルメディアに対して、さまざまな問題を想定しておくことです。 
先述した大手外食チェーンAの問題が発覚した際、メディアは他店で起きた同様の問題を数多く取り上げました。 
実はその多くは過去に投稿されたものの、話題にならなかったものです。
なかには1年も前の投稿もありました。 
今の時点で問題になっていなくても、不祥事の根源はまだ眠っているかもしれません。 
社内で店舗をマネジメントする立場にある人は、こうした可能性も想定して対策を練る必要がありそうです。 

ソーシャルメディアは今後も進化していきます。 
形を変えて、アルバイト従業員が不適切な動画や写真をアップするという事件は起こるかもしれません。
企業はもしもに備えて、常日頃から対策を練ることが必要です。 


※本記事の記載内容は、2019年4月現在の法令・情報等に基づいています。