土地家屋調査士法人共立パートナーズ

測量の「測地系」について

17.05.11
オリジナル記事
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いつも大変お世話になっております。

共立測量登記事務所の西堀俊輔です。 
今月号は、測量の測地系について
お話ししたいと思います。
測量とは、地球表面上の点の関係位置を決めるための作業の総称とされています。

簡単に申しますと土地、建物を測り、寸法や面積や高さを算出するものです。

では、その基準となる点測地系とは何か??    

疑問に思っている方もいらっしゃるでしょう。

測地系とは、測量を行う場合、まず採用する地球の形(楕円体)を決め、基準点を定めます。
(通常、地球というと球体を想像する方が多いいと思いますが、実際には楕円形が変形したような形なのだそうです。)

測地系は、モデルとして採用する地球(楕円体)の形によって、大きく以下の2つに分けられます。

日本測地系
世界測地系

日本測地系とは~
明治時代に東京天文台の緯度、経度が、天文観測により決定されました。
この位置が日本経緯度原点となっています。
この測地基準系を日本測地系といいます。

世界測地系とは~
人工衛星等により地球規模の観測ができるようになった今日では、日本測地系は、残念ながら、
地球全体によく適合した測地基準系であるとは言えなくなってしまいました。
一方で、地球全体によく適合した測地基準系として、地球の正確な形状と大きさに基づき、世界的な整合性を持たせて構築された経度・緯度の測定の基準で、
国際的に定められている測地基準系を「世界測地系」といいます。

では、日本測地系世界測地系とどれくらい違っているのでしょうか?

国土地理院では、
日本測地系の経緯度で表されている地点を、世界測地系の経緯度で表すと、東京付近では、
経度が約-12秒、緯度が約+12秒変化し、これを距離に換算すると、北西方向へ約450mずれることに相当する。
としています。 

2002年4月の測量法改正以降、公共測量は世界測地系に基づいた測量を実施しなければならなくなりました。

土地の登記をする際にも、敷地の100m以内に公共基準点(世界測地系)がある場合は、その基準点の座標と現地での整合性を確認し、整合性が確認できたら世界測地系を使用しなければならないとされています。

公共基準点(日本測地系と世界測地系)以外に、任意で基準となる点に座標を設定する任意座標系というものもあります。
よく使用するのがこの任意座標系です。

簡単ではありますが、測地系についてお話しさせて頂きました。

測量業務を行っていく上で、重要な事は

どの測地系で測量していくのか?
どの測地系で測量しなければならないのか?

それを早い段階で見極め、業務内容に応じた測地系で測量していくことが、必要だと思います。

最後までお読みいただきありがとうございました。