至誠国際特許事務所

第13回:特許庁の業務について(1)

23.07.05
中小企業支援弁理士木村の知的財産フリートーク
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 特許庁の組織、業務についてお話しています。

 特許庁の組織は、総務部、審査業務部、審査第一部~第四部、審判部に分かれており、全体として非常に規模の大きな庁になっています。
 予算は独立採算制であり、各種の印紙代がその財源になっています。基本的にお金持ちの庁です。
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 出願人、権利者から提出された、特許出願を含めた書類は、先ず、審査業務部の方式審査部門に回され、書類の方式的、形式的な審査が行われます。各出願人、特許事務所のPCにインストールされているオンラインソフトには方式チェック機能があることから、最低限のフォーマットのチェックは出願時、提出時に瞬時に行われます。
 この点は非常にユーザーフレンドリーになっています。

 方式審査部門で、方式担当官により方式的事項・要件がチェックされ、これらのクリアした場合に、提出書類、出願書類は実体審査部門(いわゆる審査官が審査を行う)において、特許要件等の実体的な審査が行われることになります。

 特許に関する実体審査部門でも、多くの部に分かれており、基本的には技術分野別に審査官が分類構成されております。

 特許庁は行政庁でありいわゆる「お役所」であり、基本的には、「規知的財産権法(産業財産権法)」を適切に運用することがミッションの行政庁です。

 知財関係の訴訟で、時々、弁護士さんと共に裁判への手続を行いますが、裁判所の場合、特許庁への手続とは異なり、手続期限も非常に緩やかで、期限を徒過した場合の手続に関しての融通を効かせていただける印象があります。

 裁判所に比して、特許庁は、「お役所仕事」のイメージはなお強く、手続期限に関しては、前回のメルマガでお話したとおり、なお厳格ですが、最初に弁理士としして特許庁への手続を行った30年以上前と比較すると現在では、非常に出願人、手続者に友好的な対応になりました。

 例えば、手続の内容が不明で電話で方式部門に聞くような場合でも、現在では非常に親切に教えていただけます。また、特許の審査に不可分な「拒絶理由通知」(特許することを否定する理由の通知。ほぼ9割の確率で発送される)に関しても、30年前にはほぼA4:1枚のペーパーが郵送され、出願番号と、出願人名と、拒絶理由の条文と、拒絶の証拠としての先行特許文献が2~3件番号のみが列記される、「理由は出願人がよく考えなさい」というイメージの書類でした。

 現在は、短いものでも拒絶理由通知でも4ページ、長いものでは8ページ程度になり、拒絶の理由、審査官の見解も詳細に記載されるようになり、さらには、拒絶するための証拠には、日本の特許文献のみならず、外国(米国、中国、ドイツ等)の特許文献も記載されるようになりました。

 但し、諸外国、特に、米国特許庁、欧州特許庁と対比した場合には、なお官僚的であって、個人的には、もう少し出願人の立場、利益を考慮してほしい、という要望があります。

 この点は、大企業には知財体力で劣る中小零細企業、個人、スタートアップに対しては、よりユーザーフレンドリーな対応をしていただけないか、という想いがあります

 
 ここまでお読みいただきありがとうございました。