第12回:特許庁の審査・手続について (1)
特許庁は、出願された産業財産権(特許、実用新案、商標、意匠)に関し、所定の登録要件を具備しているか否か、の審査を行い、登録して権利を発生させることを仕事としております。
この場合、提出された出願書類は、特許庁の各審査部門を回ることになります。
現在、特許庁への書類提出は、電子出願によるオンライン提出で行われており、紙の書類を郵送で提出するということは例外的にのみ行われております。日本の特許庁はこの「オンライン出願制度」を約35年ほど前から行っており、世界各国の特許庁においても一番最初にオンライン化を達成しております。
国内で、税申告がオンライン化したのは近年であり、また、裁判所への訴状、準備書面等の書類提出がオンライン化されたのも昨年からであることを考慮すれば、特許庁のペーパーレス化は非常に進んでいたことになります。
おかげ様で、特許事務所としても書類提出業務に関する負担は大きく減少しております。
現在は、インターネット経由のオンライン出願になっており、このオンラインにより電子情報として提出された書類は瞬時に特許庁に受理され、即時に、特許出願日、手続き受理日が特定されて、「出願受領書」が特許事務所へ送信されてきます。
特許出願を含め、産業財産権は、全て「先顔主義」(早い者勝ち)であることから、この出願日は非常に重要です。
また、対特許庁手続に関しては、全ての手続に期限が設定されており、いずれも非常に短い期間(30日~60日)で対応する必要があり、期限内に手続を行わない場合には、原則、手続却下となってしまいます。従って、このような手続を瞬時に行えることは出願人(出願依頼者)にとっては非常に便利である、と言えます。
なお、世界各国に特許庁はありますが、私見では、日本特許庁程、手続に厳格な特許庁はありません。これは手続期限が非常に短い点、諸手続に関し詳細なフォーマットが厳格に規定されている点です。
この点に関しては、別稿でまたお話させていただきますが、日本特許庁は行政行為を行うにあたり、非常に形式的、厳しい運用をしており、この点は他国の特許庁と対比した場合に強く感じるところです。
日本特許庁はこの数十年間でかなり柔らかい対応になってきたのですが、未だに「規則は規則ですから」という運用がされており、知財立国を実現するのは官民双方の努力、協力が必要であることを考慮すれば、さらに、手続きをする者の便宜を図る観点、ユーザーフレンドリーな観点を持っていただけるとありがたいと考えております。
ここまでお読みいただきありがとうございました。