至誠国際特許事務所

第8回:商標制度とは?―1―

23.03.30
中小企業支援弁理士木村の知的財産フリートーク
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商標登録の重要性について

 商標は、知的財産権の中で、事業家、起業家、会社にとっては、最も重要です
 
 例えば、起業した際には、特許、実用新案はゆっくりと検討すれば良いのですが、先ずは、商標登録をすることが非常に大事です。
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 その理由は、商標は事業、商売の基本であり、先ずは自社の名前を覚えてもらうことが取引の大前提です。即ち、会社の社会的アイデンティティを第三者対抗力を持った形で確保することが非常に重要であるからです。

 起業した際には、自社のウェブを立ち上げ、様々な広告媒体を作成し、名刺、パンフレット等を作ります。これらに社名、商品名、サービス名を当然ながら掲載します。

 この場合、会社名、商品名、サービス名はいずれも「商標」として成立しますが、実際に商標を使用する前に、最低限、侵害調査を行い、他社の商標権との抵触関係がなく、侵害の可能性がないことを確認しておくことが必要です。

 これにより商標の使用を始めた後で、「商標権侵害です」という警告書をもらい、商標が付された媒体全てを回収し、ウエブも改修しなければならない、という事態を回避できます。

 さらに、自社の商標を商標登録し、自社の社名、商品名を他人が使用できない体制を作るところまで行うことが望ましいといえます。

 よく、「商号登記をしてあるから大丈夫」という話を耳にしますが、全く大丈夫ではありません。商号登記制度は商標制度とは全く関係がなく、商号登記は各行政区事で登記されるものであり、行政区が異なれば、同一の商号が存在し、同一又は類似する商号が存在することとなります。 

 一方、商標登録制度は、日本全国が審査対象となるため、商標登録されれば商標権の効力は日本全国に及びます。即ち、登録された商標は日本で唯一の商標ということになります。
 従って、商号登記されていても、「商標権侵害です」という警告を受ける可能性があります。商標登録をすることにより、この危険性を回避することが必要です。

 商標が登録されるために必要な条件は、第一に、商標として有効に機能することです。これを「識別力」と言います。商標は自社の商品と他社の商品を区別、識別するための標識だからです。
 従って、商品の普通名称、慣用される名称、商品の一般的な名称等は登録されません。

 第二に、他人の権利を害さないことが要求されます
 例えば、他人の商標、標識、公益的な標識等と抵触しないことが必要です。特に、他人がすでに有している登録商標との抵触関係が非常に厳しく審査されます。

 商標権の効力はその商標と、その商標に類似する商標に及びます。その結果、この要件の審査では「類似」という概念が非常に重要な要素になります。商標の審査実務ではこの「類似」という概念に関して無数の裁判例、審決例があり、多数の審査の基準例が存在しています。

 ある商標が登録になるか否かに関しては、出願前に事前に確認しておくことが費用の節約の観点からは重要です。
 この調査は特許庁のデータベースを利用することにより行うことができます。但し、効果的な調査を行うためには、様々なノウハウがあり、そのようなノウハウを持っている弁理士、特許事務所に事前調査を依頼することが必要です。

 ここまでお読みいただきありがとうございました。