至誠国際特許事務所

第4回:「特許庁について」

22.10.04
中小企業支援弁理士木村の知的財産フリートーク
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  今回は、特許、登録商標等を発行する「特許庁」について説明します。
  
  知的財産の内、特許、実用新案、意匠、商標を、審査し、登録して権利を発生させる仕事をするのが「特許庁」です。
 
 「特許庁」は「経産省」の外局です。主な仕事は、特許、実用新案、意匠、商標の権利申請(「出願」と称します) がされた場合に、それそれの出願が所定の要件を具備しているか、否かの審査を行い、具備していれば登録して権利を発生させ、その権利を管理することです。
 
 従って、特許庁は「知的財産権」を発生させ、管理することまでが仕事で、発生した権利の権利侵害の問題を解決する権能まではありません。これは裁判所の仕事です。

 特許庁は行政庁であり、裁判所は司法機関として、知的財産に関する紛争事件を訴訟事件として審理します。
 この間には三権分立の関係が成立し、裁判所での判決は特許庁の業務に大きな影響力を持っています。

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  特許庁では、権利化する際に要求される要件が決まっており、この要件(登録要件)に関し事前に厳しい「審査」が行われます。出願人の方々はこの審査を潜り抜けて登録へ至るまでにご苦労をされます。
  その際に、この困難な状況で、面倒な仕事の同志となるのが弁理士です。

 
 特許、商標登録等は、行政法上、文字通り「特別に許す」制度であり、「原則、特許、商標登録は認めません。但し、所定の要件をクリアしていれば例外的に認めます」というものです。
 この点で、「営業許可」、「道路工事許可」等の、所定の要件がそろっていれば必ず認められる「許可制」とは全く異なります。
「特許は、認められるまでにこんなに大変なものとは思わなかった」という話を、初めて特許等にチャレンジする依頼人の方からよく聞きます。


 特許庁で審査をする人を「審査官」といい、特に、特許審査官は上級公務員試験を合格した優秀な方々ですが、審査官と我々弁理士の関係は、信念を以て犯罪の立件を図る検察庁の検察官と、不当な訴追を阻止しようと戦う刑事弁護士の関係に類似しております。
 
 この場合、特許庁審査官の理念は「知的財産権の公正な設定」にあります。

 従って、特許庁の「審査」における我々弁理士と特許庁審査官との関係性は、非常に緊張感に満ちた、手に汗握る場面が展開します。
 我々弁理士は、このようなバトルを戦いきり、依頼人の方を特許、登録に導ける法律的知識、技術的知識、審査に関する実務能力、人間力が要求されます。

 従って、特許、商標、意匠の権利は、このような厳しい審査を経て、厳選されて成立します(例外的に、実用新案権は無審査で登録になります。この点に関しては後ほど説明します)。その結果、そのような厳選された権利により、権利者は、自分の商品のマーケットを独占し、他社を排除した状態で事業展開ができ、利益独占が可能となり、貴社の業績向上を図ることができます。

 
 従って、知財の権利化に際し、信頼できる同志として特許庁に対して戦ってくれるのが弁理士であり、特許事務所です。また、弁理士、特許事務所は、出願人、依頼人保護の観点から、特許庁に対して最後まで戦う姿勢をもっていなければなりません。

 ここまでお読みいただきありがとうございました。
 
 次回から、知的財産の具体的な内容の説明に入っていきます。