至誠国際特許事務所

第3回:貴社ビジネスと知財登録時期との関係

22.09.21
中小企業支援弁理士木村の知的財産フリートーク
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 前回ご紹介したように、自社の事業に関する様々なアイデアからなる知的財産を登録して権利として保持しておく有効性、及び、製品販売時、事業開始時に、社名、商品名、サービス名、他人の知的財産権との抵触、侵害の有無を調査しておくことの必要性、有効性はご理解いただけたかと思います。
 
 それでは、次に、ビジネス進行に伴う知的財産権利化の時期を考えてみます。
 
 新事業、新会社をスタートさせる場合には、先ずは、商標登録を行うべきです。まず以て、社名、商品名、サービス名等を商標として登録することをお勧めします。特許、実用新案、意匠よりも非常に重要です。


 
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 これは、新会社設立準備のために、ウェブ広告、会社及び商品紹介パンフレット、名刺等の手配を行う必要がありますが、その後で、自社で使用する予定の社名、商品名、サービス名等が他人の商標権に抵触し侵害することが判明した場合、もしくは使用停止の警告を受けたような場合には、コンプライアンスの観点からは全て作成しなおす必要があり、今までの作成費用が無駄になります。

 これは資金的、事業的にもダメージになりますので、スタートアップの場合、先ずは、自社の商標登録を行い、自社の社名、商品名、サービス名を権利として確保することが事業の安定性の観点からは必要です。特許、実用新案、意匠に関しては、商標を登録した後に、徐々に考えていけば良いといえます。

 また、海外で事業を開始される予定がある場合にも、先ずは、商標登録を事業化国で考慮する必要があります。
 特に、中国での事業化をお考えの場合には、必ず、事前に商標登録を行うことを強くお勧めします。

 残念ながら中国は、知的財産権に関しては後進国です。特許庁で権利化しても実際の権利行使が裁判所で有効には行えない可能性があります。この事情は未だに変わっておりません。日本、米国、欧州の知財先進国から「知的財産保護の体制を確保してほしい」という貿易摩擦に絡めた要求が出る理由がここにあります。
それでいながら、特許件数、商標登録件数は世界一であり、保護制度の運用の妥当性(特に、司法機関)と、人々の権利意識との間に大きなギャップを抱えた、まさに「異形の大国」です。

 このような状況下にあり「中国で知的財産を権利化する意味は何か」については、常に、考えさせられますが、日本企業が中国で事業を行う場合には、自社の知的財産を登録して権利化しておくことが最低限必要です。
 中国ではコンプライアンス意識を期待することは困難で、原則、知財は模倣されると考えるべきです。模倣、紛争事件が起きた場合には、権利もない状態では何も対処できません。従って、セーフガードの観点からも、中国で何らかの事業をされる場合には、必ず、事前に商標登録又は著作権登録を行うことを強くお勧めします。

 従って、このような観点から、特に、中小零細企業は、スタートアップ時には、先ずは、商標を登録して権利化を図ることを強くお勧めします。当所では懇切丁寧に貴社のご希望を伺い、テーラーメードな権利化を行います。
 
 ここまでお読みいただき誠にありがとうございました。