至誠国際特許事務所

第1回:知的財産とは:弁理士の仕事とは

22.06.28
中小企業支援弁理士木村の知的財産フリートーク
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初めまして。至誠国際特許事務所の所長・木村高明です。

これから皆様に、知的財産に関する様々な情報をお送りさせていただきます。
お時間があればご参照、ご参考いただき、貴社の経営に知的財産を活かしていただければ望外の幸せです。
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1:初めに
 知的財産は、貴社の経営に貢献し、経営を守り、売上に寄与できます。ぜひ、知的財産を経営に取り入れることをお勧めします。知的財産を経営資源として生かす経営を「知財経営」といいます。

 当所は「知財による中小企業支援」事業を20年に亘り行ってきた経験から、特に、中小企業の皆様には強く知財経営をお勧めしております。その理由については、これから様々な事例と共に、具体的に説明して参ります。
 今回は、先ずは、「知的財産とは何か」、「弁理士の仕事は何か」について簡単にご紹介させていただきます。

2:知的財産等とは
 「知的財産」とは、簡単にいえば、各種のビジネス、商品、営業サービスに関する工夫、アイデアのことです。
 「アイデア」は、何であれ、本来、新しく、他人から見れば魅力的であるため、往々にして他人に盗まれます。これを「侵害事件」と称します。このような事態を抑止、阻止して   「アイデアを作った人を守り、マーケット独占につなげる」役割を果たすのが「知的財産保護制度」です。知的財産保護制度は、「特許庁」と「裁判所」により形成されています。
 「特許庁」は知的財産権を発生させるお役所であり、「裁判所」は発生した権利を侵害から守るところです。

 この「知的財産保護制度」を皆様が利用するにあたり、特許庁の制度・手続は非常に特殊で、複雑であるため、皆様と共に作戦を立て、皆さまに成り代わって諸手続きを行い、場合によっては、交渉を行ったり、裁判所において権利を守るために強い行動に出る、等の仕事をするのが弁理士です。

 アイデアの種類によって、保護の形態、制度が複数あります。
 その代表格は「特許」です。特許はハイレベルな技術的アイデア(自動車、パソコンの構造、インターネットを使った各種システム等)を保護する制度です。また、「特許」制度の弟分として「実用新案」という制度もあります。実用新案はより簡易な、主に日用品(文房具、バッグ、被服など)等に関する技術的なアイデアを保護する制度です。これらはいずれも「技術的なアイデアを保護する制度」です。
 
 また、「商品のデザインに関するアイデア」は意匠制度により保護されます。新しいデザインの商品は「意匠」として「意匠登録」により保護されます。例えば、新車のデザインは、そのほとんどが意匠登録により保護されています。

 社名、商品名、サービス名にも様々な工夫、アイデアが施されています、このような社名、商品名、サービス名は「商標登録」により保護されます。「商号登記」という制度もありますが、同一の商標を他人に使用されないようにするためには、商号登記ではなく商標登録が必要です。

 以上の4種類が、特許庁に登録して権利を発生させる知的財産です。
これらの権利はいずれも非常に強く、民法で規定される権利以上の権能を有しています。これらの権利の侵害者に対しては、侵害行為の停止、侵害物の廃棄等を請求でき、相手が従わない場合には、訴訟を提起して争うこともできます。また、いずれの権利も権利範囲は日本全国に及びます。

 知的財産権にはさらに、「著作権」があります。著作権は文化庁の管轄ですが、以上4種類の権利(産業財産権と称します)のように登録して保護する権利ではありません。著作物(思想、感情が表現された文字、文章、図、音楽、画像、映像等)が制作された時点で潜在的に発生し、実際に表面に現れるのは侵害問題が発生した時点です。但し、会社等の活動の中では余り著作権と向き合う場面はない可能性が高いと思われます。

 さらに、侵害事件が発生した場合には「不正競争防止法」を使うことが有効です。この法律は、「知的財産権としては登録していないが自社の商品を他人に模倣された」という場合に非常に効果的に使える法律です。

3:弁理士の仕事
 弁理士の主な仕事は、上記4種類の知的財産の特許庁への登録を法的に代理すると共に、発生した権利の維持、管理、保護をすることが仕事です。
 但し、この登録は手続をすれば自動的に登録されるものではなく、登録をするためには特許庁と戦うことが必要です。ここに弁理士の存在意義があります。
 従って、弁理士は、依頼人と一体となって、依頼人の利益を守りながら知的財産を特許庁に登録することが第一の仕事です。

 また、登録により発生した知的財産権を依頼人のために守ることも弁理士の仕事です。
 他人がこれらの権利を侵害した場合には、侵害を排除して権利者を保護する活動を行うことをいいます。侵害者には「警告書」を発送し、交渉を行い、必用な場合には、弁護士と共に侵害訴訟を提起して依頼人のために裁判所で戦います。

 また、外国で事業を展開されるという場合には、その国で知的財産権を取得する必要があります。権利は国ごとで、日本での知財権の権利範囲は日本国内にしか及びません。これを国際法上の「属地主義」と称しており、この考え方が基本となっています。
 従って、国際的に知的財産権を取得する場合には、外国で知的財産を登録する必要があります。弁理士は、この各国での権利化を各国の弁理士と協力して行います。

 弁理士の仕事は具体的には以上のようなものです。知的財産制度は非常に専門性が高く、資格的には弁護士さんも弁理士登録すればできるようにはなっておりますが、弁理士が日ごろ行っている対特許庁業務を弁護士の方が即時に行うことは非常に困難と思われます。

 ここに知的財産度の専門性の深さ、特殊性があります。なかなか一般の方にはご縁のない世界とも言えます。但し、企業活動、事業活動には不可欠な制度、権利です。

 私としては、この特殊な世界をぜひ皆さまに知っていただき、知的財産の重要性をご認識いただき、自社の事業活動、経営に有効に生かしていただきたい、と願っております。

 ここまでお付き合いいただき誠にありがとうございました。次回からより具体的なお話をさせていただきますので、よろしければまたお付き合いください。
 以上