中小企業支援・弁理士木村高明の「1分・知財サロン」第11回
11.国際知財保護1
前回お話したように知財は本質的に国際的でありながら、各国法律の相違、言語の問題でなお外国での登録に関しては国内に比して、手続き的にもハードルが高いといえます。
前回のお話では、法律、制度の各国間での相違、及びランゲージバリアーが、知財保護の国際性の障害になる可能性がある、というお話をしました。
但し、さらにもう一つ知財保護の国際性の障害となる問題があります。
それは費用の問題です。
これは特に、中小零細企業、ベンチャー、スタートアップにとっては切実な問題です。
例えば、米国で特許を取ろうとした場合、300万円程度の費用が必要になります。
この理由は、米国代理・特許弁護士人の費用が高いからです。
この事情は、特に、米国の東海岸の特許弁護士の費用が特に高いです。
ですから、日本の弁理士としては、特に、中小企業のお客様のためには、いかにリーズナブルな費用で良質な仕事をやってくれる米国特許弁護士を探すか、が勝負になります。
この事情は、欧州でも同じです。
欧州は、特許の場合であれば、EPCという、ECに対応する国際特許制度があり、一つの出願で欧州全体をカバーする特許を取得することができます。
しかし、EPCのシステムは非常に特許の品質にこだわっており、やや複雑で公的な費用が他国よりも高いのが特徴です。
ですから、欧州の場合にも、いかにリーズナブルな費用で代理してくれる欧州特許弁理士を探すことが必要となります。
この場合、先進国(ドイツ、フランス、英国)の弁理士は高いので、それ以外の国のEP弁理士を探すことになります。
さらに、知財を国際的に保護しようとした場合、各国の法律、制度は基本的に柱の部分は共通していますが、細部では大きく異なります。また、似てはいても特許庁、裁判所の運用が大きく異なっています。
ですから、日本の顧客を外国で十分に保護しようとした場合には、外国の法律、運用の情報をネットで調べることはもちろんですが、最終的には、必ず当該国の弁理士、弁護士に確認する必要があります。このようなちょっとした質問事項を気軽に、無料で聞ける現地代理人のネットワークをもつことが日本の弁理士にとって非常に重要になってきます。
また、案件の種類によっても現地代理人の得手不得手があるので、案件、問合せの種類に応じて外国代理人を変える必要があります。そのような外国代理人をリスト化しておくことが必要です。
もともと弁理士には専門分野、専門技術分野があります。さらに、登録業務を専門としている弁理士もいれば、紛争事件、訴訟事件を専門にしている弁理士もいます。これは特に米国特許弁護士の場合に顕著です。弁護士と名が付いているといって、訴訟を得意としている訳ではありません。
ほとんどが日本弁理士と同様に登録業務を専門としている場合が圧倒的に多いのです。
また、中国の弁理士に関しては、なかなか日本人と波長を合わせてくれる中国弁理士を見つけるのが大変です。
顔の形は似ていてもやはり日本人と中国人とは考え方が違います。
日本のお客様のためにしっかりと頑張ってくれる中国弁理士と提携する必要があります。
アジア諸国に関しても同様です。
従って、海外代理人のネットワークを個人的に構築する必要性が大きいといえます。