至誠国際特許事務所

中小企業支援・弁理士木村高明の「1分・知財サロン」第10回

24.08.21
中小企業支援・弁理士木村高明の「1分・知財サロン」
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10.知財の国際性

 
 知財は各種の商品、サービスの中に隠れているか、又は、商品、サービスに具現化される前の無形のアイデアですから、商品、サービスは、日本国内のみならず、国境を越えて世界に流通する可能性があります。
 従って、元々、知財には国際性があるといえます。

 
 このような知財を外国でも保護するためには、その国で登録しておく必要があります。権利は国ごとです。
 この考え方を「属地主義」といいます。これは国際法上の概念です。

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 しかし、国ごとに登録しなければならないとすると、外国での登録作業が非常に煩雑になりますので、その煩雑さを回避するための国際的な制度が様々設けられております。
 例えば、パリ条約であり、特許ではPCT、商標ではマドプロ(マドリッドプロトコル)という条約があります。

 但し、これらの条約を利用して外国で権利化する場合であっても、手続は簡易化されますが、最後は、やはり希望する国での登録を行わねばなりません。
 その国の法律によりその国の手続に従って登録を行う必要があります。

 

 基本的に、国ごとに法律は異なります。
 各国で民法等は違います。一方、知的財産法は、昔からパリ条約により各国の法律が規制されてきたことから、かなり基本は共通していますが、法律の細部、及び法律の運用ではかなり異なります。

 ですから、これだけ国際時代といわれても、なお、外国の事情は日本とはかなり違います。


 また、日本の弁理士は日本政府によって知財の代理人として法的に認められておりますが、外国の政府から認められたわけではありません。
 従って、基本的に日本の弁理士が直接に外国の特許庁に対して登録手続を行うことはできません。概ね各国には、外国から手続きする場合には自国の弁理士等を代理人に選任しなさい、という法律があります。

 日本にも、欧州にもあります。米国にはそのような法律はないので、事実上、日本弁理士は直接に米国特許庁に直接に手続はできることになりますが、全て英語で手続しなければならないことと、特許法も商標法も日本とは大きく異なるので実際は不可能です。


 外国へ登録する場合の一つの問題が、各国間での法律、運用の違いです。もう一つの問題はこれだけ国際化が叫ばれているにもかかわらず、言語障壁、言葉の違いの問題は、なお非常に大きな問題として存在しています。
 特に、知財は、アイデアを言語で表現する制度になっているのでこの言語の問題は切実、致命的です。

 
 知財制度を国際的に考える場合の2つのポイントがこの、各国法制度の相違と、ランゲージバリヤーです。