中小企業支援・弁理士木村高明の「1分・知財サロン」第9回
9.異議・無効調査
異議制度とは、登録後所定期間に特許、登録に対する異議を申したて、特許を取り消してもらう制度であり、無効審判制度とは、特許後、登録後に期間制限を設けず、特許、登録を無効にすることを請求する制度です。
「特許、登録を取り消す」という意味では、異議制度と同じですが、こちらは期間の制限がありません。権利消滅後でも請求できます。
なぜこのような制度があるかといえば、特許庁の審査は厳正に行われますが、それでも、特許審査に必要な証拠書類、これは、例えば、特許法、意匠法は「世界公知主義」を採っているため、理論上は「出願前の全世界における公知の文献」ということになりますが、いくら日本特許庁の調査能力が優れている、といっても、世界の公知文献をすべて審査することは事実上不可能です。
また、数十万件という審査待ち案件があり、特許庁の審査官は限られた時間内で審査をしなければならず、その結果、限定された証拠(特許文献、登録文献)のみを対象として審査の結果を出します。その結果として、審査の結果は結果として、もし、特許後、登録後に本来特許、登録にすべきではない証拠、事情を公衆が発見した場合には、申し出てもらって再度審査をする、という趣旨のものです。
ここで異議、無効審判の成否は証拠で決まります。どれだけ有力な証拠を提出したかにかかります。従って、徹底的に調査をして異議証拠、無効証拠を見つける必要があります。
ですから、特許、登録を最終的につぶすのも調査であり、特許、登録を可能にするのも調査です。産業財産権は全て、調査に始まり調査に終わる、ということができます。
ここに調査の重要性が分かります。