中小企業支援・弁理士木村高明の「1分・知財サロン」第2回
2.「技術の進歩と模倣・マネ」
前回お話させていただいたように、発明は「従来の技術の改良」です。ということは、改良により技術は進歩、進化していきます。
この場合、問題になるのが改良の程度です。
改良の程度が低ければ当然特許になる可能性は低いのですが、特許の問題とは別に「模倣」の問題があります。
どこまでが模倣で、どこからが改良なのか、が、特に、侵害事件、紛争事件で問題となります。
もともと、技術はマネにより進歩してきました。
技術進歩の加速度が大きくなるのは、実は戦争時です。
例えば、日本軍の飛行機に搭載されていた機銃は、ほとんどドイツ、アメリカ製の機銃のコピーです。
また、日本は第2次大戦中に有名な戦艦を造船する高度な技術を持っておりましたが、戦艦造船技術はイギリスの造船技術のコピーから始まっています。
もちろん、その後日本なりに改良を加えて日本製のものを作っています。自動車もコンピュータも同様です。その意味で日本は外国の各種技術を先ずはコピーして、これを上手く改良して日本製独自の技術にしていく、ということが上手な民族です。
隣国・中国でも外国の各種技術の模倣を、欧米、日本から指摘された時期がありました。状況は徐々に変わりつつありますが、なお、模倣に関する意識の違いが、日本、欧米との間であるように思われます。
技術の進歩はマネから始まります。「学ぶ」ことは「真似ぶ」ことです。
但し、自分の独自性を付け加えることが必要です。これが模倣とオリジナルアイデアとでの分水嶺です。
この「独自性」が、客観的に評価されれば、新規性、進歩性があると認定され、特許庁からは特許が容認されることになります。逆に、「独自性」のレベルが低い場合には「模倣」と認定されることになります。
その意味で、特許と模倣とは紙一重、ということもできます。