森会計事務所

今後増加が予想される調剤薬局からの疑義照会には丁寧に対応しましょう

16.09.09
業種別【医業】
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先生方は、調剤薬局の疑義照会にはどのように対応していらっしゃいますか。

内科開業医であるA先生に、地域の調剤薬局から、かかりつけの患者Bさんの処方箋について、電話で疑義照会がありました。 

Bさんは10年来、通院を続けている患者さん。特に問題になるような薬を処方しているとは考えられません。

Bさんに「薬は服用できていますか?」と確認しても、「大丈夫です」という答えが返ってくるのが常でした。なので、A先生は疑義照会をいぶかしく感じたそうです。
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A先生は、いぶかしげな気持ちが言葉の端々に出てしまい、口調が強くなる一方。そのためか、薬剤師の口調は次第にしどろもどろになってきました。 

レセプト処理で慌ただしい時期と重なったこともあり、A先生は問いただす口調がきつくなってしまい、「疑義照会があるなら説明に来なさい!」と、電話口で怒鳴ってしまったのです。 

後日、調剤薬局の薬剤師は、Bさんを担当する訪問看護師を伴って、A先生のところにやってきました。

Bさんは薬を服用できていなく、自宅には残薬がたくさんあったそうです。

残薬整理の必要性と、Bさんが服用しやすいように処方内容を変更できないかを、訪問看護師が調剤薬局に相談した結果、A先生のところに疑義照会があったのでした。 

薬剤師と訪問看護師から「Bさんは薬が服用できていなくて困っています」と言われ、A先生はいろいろ反省するところがあったとのこと。 

「Bさんには、薬を服用できているかと確認していたつもりでしたが、残薬のことを正直に話してもらえる雰囲気ではなかったのかもしれません。医師としてまだまだ未熟ですね。受付や看護師などスタッフからも、患者さんに薬の服用状況について声かけしていく必要があると思いました。もうひとつ反省しなければならないのは、調剤師に電話口で怒鳴ったことです。調剤薬局は地域医療をともに支えるチーム医療の一員。感情的になってしまっては、良好な関係づくりにひびが入ってしまいます」(A先生) 

現在、残薬は社会的にクローズアップされています。

調剤薬局から開業医の先生方への疑義照会が増加傾向になるのは間違いないでしょう。

疑義照会があったら、「患者さんが残薬で困っているのかもしれない」と思い、丁寧に対応すべきという認識を持ってください。


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[プロフィール] 
藤原恵子(ふじわら・けいこ) 
医療系出版社の編集記者を経て独立。フリーの医療ライターとして、病院経営、開業ノウハウ、医療マーケティング、医療ボランティア、医療職のキャリアアップや結婚事情などをテーマに医療関連雑誌で取材・執筆活動を行う。書籍では、病院ランキングや医療マンガの取材協力、看護・介護関連書籍では『イラストでわかる高齢者のからだと病気』(中央法規出版)の企画・編集に携わる。趣味は人の話を聞くこと、古文書解読。 
 


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