森会計事務所

夏場のトラブルに寄り添い、“行きつけサロン”を目指そう!

22.08.02
業種別【美容業】
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夏場は紫外線による髪のダメージや汗による頭皮の乾燥など、ヘアトラブルに関する悩みを抱える人が増えていきます。
そんなとき、頭皮や髪のプロである美容師に相談したいという人は少なくありません。
来店した顧客の悩みに耳を傾け、ヘアトラブルを解決するさまざまな対策を提供することは、美容室に対する顧客の満足度を高め、リピーター獲得につながります。
なんでも相談できる雰囲気と確かな技術で、 “行きつけサロン”を目指しましょう。
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来店する顧客の7割は髪の悩みを持っている

大型美容室を複数店舗運営し、美容師のお役立ち情報などを発信するイーグラント・コーポレーションが、美容室の顧客1万675人に行った『ヘアの悩み・要望の市場調査』(https://egrant.co.jp/outsourcing-salon/market-research-2021/)によると、約3割が複数の髪の悩みを持つことがわかりました。
髪の悩みについて複数回答可でアンケートを実施したところ、「髪質のパサツキや、うねりに悩んでいる」が最も多い3,915回答、次いで「特に悩みはない」が2,532回答。
「剛毛、多毛に悩んでいる」が1,745回答で、「毎朝のヘアスタイリングがうまくいかない」が1,379回答でした。
この結果からは、全体の7割以上の人が、何らかの髪の悩みを持って美容室に来ていることがわかります。

髪についての悩みは、年代や性別によって異なります。
また、同じ悩みであっても季節やその人の生活スタイルなどによって、アドバイスできる内容は違ってくるでしょう。
来店する顧客は何かしらの悩みや不安を抱えているという意識を持ち、その悩みを打ち明けやすいような接客や、解決のヒントになるような提案・施術を行っていくことが大切です。

髪の悩みには、薄毛、剛毛、多毛、抜け毛など髪の毛の生え方にまつわるものから、ぺたんこ、ひろがり、パサつき、フケや痒みなど毛質や頭皮にまつわる悩みまで、多岐にわたります。
場合によっては診察や投薬といった医療行為が必要なこともあるため、皮膚科などを受診したほうがよいケースもあります。
しかし、よほどの身体的な異変がないのであれば、まず自分の頭を全方位から見ることができて、髪の毛や頭皮に関して詳しい美容師に相談しようと思う人は多いはずです。

特に夏場は強い紫外線を浴びることによって髪の毛が傷んでしまったり、汗や皮脂によって頭皮がかぶれてしまったりと、さまざまなトラブルが発生します。

まずは、顧客の来店の目的であるカットやパーマといった施術メニューの仕上がりイメージについて話しながら、今現在困っていることがないかを聞いていきましょう
すると、「本当はパーマをかけたいけど、髪の痛みが気になっている」や、「長いままにしておきたいけど、頭にたくさん汗をかいてしまう」など、ヘアトラブルによって理想とするイメージをあきらめていることがわかるかもしれません。
そのようなときは、なぜトラブルが起きてしまうのかという原因から説明する必要があります
原因を理解してもらうことで、顧客の生活スタイルにあった解決策をアドバイスできる可能性が高くなります。


夏のヘアトラブルを改善して信頼を得る

夏場のヘアダメージの原因で最も大きいのは、紫外線です。
髪は、日射しから頭皮を守るために日射しを吸収します。
髪を黒く見せるユーメラニンというメラニン色素が紫外線を吸収することで、髪のダメージが始まります。
髪が吸収した紫外線は、毛髪内部の成分と反応し、活性酸素を生み出します。
活性酸素には酸化作用があり、髪の毛の乾燥、強度の低下、キューティクル表面の粗雑化、光沢の消失などの悪影響を与えます。
このようにして内側から組織が破壊されることにより、パサパサしたり、軋んだり、切れ毛や枝毛というヘアトラブルが生まれてしまうのです。

もちろん気温の高い夏は、頭皮にもトラブルが発生します。
汗で蒸れた頭皮を放置すると皮脂が汚れて細菌が繁殖し、炎症や痒みの原因となります。
荒れた頭皮のままでいると皮膚の水分量が足りなくなり、フケも出やすくなります。

ヘアトラブルに悩む顧客には、その人ごとの症状を聞き(カウンセリング)、髪にとって何がよくないのか(原因)、今できることは何か(ケア方法)をきちんと説明していくことが大切です。

たとえば、髪のパサつきや切れ毛に悩んでいる人には、ダメージケアをメインとした保湿効果の高いトリートメントやヘアエステを提案するとよいでしょう。
さらに、自宅でできる効果的なトリートメント方法や、傷んだ髪の乾かし方などを教えます。
頭皮の痒みやフケなどに悩んでいる人には、毛根洗浄をメインとしたスカルプケアや、マッサージつきのヘッドスパなどを提案してみましょう。
自宅でできるケアとして、殺菌作用のあるシャンプーの使用や摩擦を抑えた洗い方、枕カバーを頻繁に取り換えるなど、具体的なポイントを教えます。

そのうえで、顧客の希望に沿って、最も髪のダメージの少ないパーマやカラー、風通しのよいカットなどを提案します。

注意したいのは、強引にケアメニューをすすめたり、高価なパーマやカラーをすすめたりしないことです。
カットやパーマだけのつもりで来店した人に、いきなりオプションメニューの提案をしては、追加料金を徴収したいだけと誤解されてしまう恐れがあります。
あくまでも顧客の困っていることに耳を傾け、その悩みに対する解決策の一つとして、提案することが大切です。

美容師は、本人以上にその人の髪や頭皮について知ることができる職業といえます。
丁寧なコミュニケーションと確かな施術で信頼を得て、「この店に来れば大丈夫」と思ってもらえるような、その人にとっての行きつけサロンを目指しましょう。


※本記事の記載内容は、2022年8月現在の法令・情報等に基づいています。