森会計事務所

キッチンカービジネス急増中! そのメリットと開店方法

22.01.05
業種別【飲食業】
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住宅街・オフィス街の片隅や公園などで、よく目にするようになったキッチンカー。
最近、このキッチンカーで開業する人が増えています。
キッチンカーには、初期の開業コストや人件費が抑えられたり、場所がどこでも自由に移動できたりと、固定の店舗で開業するのとは違ったメリットがあります。
ここでは、注目を集めているキッチンカーのメリットや、開業方法などについて紹介します。
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はじめるならテイクアウト需要の高い今?

飲食店の業態として、キッチンカーの人気が高まっています。
“密”を避けながら屋外で食事をとったり、気軽にテイクアウトできたりするという、今の時代のスタイルに合う営業形態が人気を呼び、売上を伸ばしているのでしょう。
また、人が集まる場所や時間に合わせて移動し、効率よく売上をあげていけるのも、魅力の一つです。

キッチンカーで成功するには、以下のような、『3つの決め手』があるといわれています。

(1)行列を作らない、スムーズに提供できるメニューであること
(2)興味を引く車両であること
(3)人通りが多い場所であること
 
テイクアウトならではの手軽さや味はもちろん、SNSでの拡散を見込んだ“見栄えの良さ”や“キャッチコピー”も、移動販売ビジネスの勝敗を左右します。
キッチンカーの営業は、ポイントを押さえれば、店舗型や近年増えている非店舗型飲食店(実店舗を持たずに配達だけの飲食店)にも匹敵する注目度を獲得でき、売り上げを伸ばすことが可能です。


『食品営業自動車』と『食品移動自動車』

では、実際にキッチンカーで開業するなら、どれくらいの予算が必要になるでしょうか。
2021年春に放送されたドラマ『珈琲いかがでしょう』(テレビ東京)では、主演の中村倫也さん演じる主人公がキッチンカーでコーヒー店を営むという設定がありました。
ドラマでは“たこ珈琲”という店名で、SUZUKIの『スーパーキャリィ』をカスタムした軽トラックがキッチンカーとして使われていたようです。

このように、キッチンカーの設備を準備する場合は、ベースの車体はおよそ300万円、そこに内外装のカスタマイズを加えると、トータルで約350万円以上の出費が予想されます。

ただし、これは車両を購入する場合です。
開業資金を抑えるには、所持している車を改造するなどして、キッチンカーの車体代を節約することもできます。
また、調理器具を揃えるにも、使う機材は提供するメニューの内容によってさまざまです。
毎月出ていく経費は、出店規模やメニュー、材料の仕入れ、提供用の容器などによって大きく変わります。

また、キッチンカーの営業には、開業資金のほか、駐車場代や保険料、車検代、営業する場所に支払う出店料などの維持費も必要です。
そして、開業には『食品営業自動車』または『食品移動自動車』の許可申請が必要となります。
まずは、このふたつの違いをよく理解しておくことが大切です。

簡単にいうと、食品営業自動車は、車のなかで食材を調理して提供するものをさします。
温めたり盛り付けたりするだけで済むようなメニューが対象で、生ものは扱えません。
そして食品移動自動車は、調理を行わないものです。
移動スーパーや移動コンビニと同等の扱いで、あらかじめ包装されている商品の販売のみの提供となります。

どちらを選んでも移動販売を行うには、食品営業許可を取得しなければなりません。
営業許可の申請・取得は、住んでいる地域の保健所ではなく、販売する地域を管理している保健所で行います。
申請条件は保健所によって異なりますので、あらかじめ申請条件を確認したうえで『飲食店営業』の営業許可を取得しましょう。


激化する“テイクアウト競争”で勝ち抜くには

店舗型飲食店の開店に比べれば低コストで、早期に始められるといえる移動販売ですが、自治体や保健所の制約が多いことや、出店場所探しに手間がかかるというデメリットもあります。
また、いざ営業を開始してからも、天候に左右されやすく、出店場所の条件によって収益が大きく左右することも念頭に置いておく必要があります。

そういった面を踏まえて押さえておきたいのが、営業場所の確保です。
今やさまざまな店舗がテイクアウトを始めているため、人が集まりやすい出店場所を見極めることが重要です。
どこへでも移動できるメリットを生かし、道の駅や大型公園などへ行くことも可能ですが、どのエリアでも出店先の許可が必要となりますので、あらかじめ調査しておきましょう。

店舗型飲食店に比べると、家賃不要の移動販売は初期費用をかなり低く抑えられるため、スタートしやすい営業形態といえます。
まずは、出店後の営業スタイルを具体的にイメージしながら、資金調達や必要書類の準備を始めましょう。


※本記事の記載内容は、2022年1月現在の法令・情報等に基づいています。