司法書士の日常:署名の大切さ
「司法書士」と聞いて、なにをイメージされるでしょうか?
正直、いまいちピンとこないという方が大半だと思います。
そんな司法書士を少しでも身近に感じてもらえるような、日々の業務で体験したエピソードをご紹介。
今回は、司法書士が改めて感じた「署名の大切さ」についてのお話しです。
正直、いまいちピンとこないという方が大半だと思います。
そんな司法書士を少しでも身近に感じてもらえるような、日々の業務で体験したエピソードをご紹介。
今回は、司法書士が改めて感じた「署名の大切さ」についてのお話しです。
署名にするか、記名にするか……
7月中旬、すでに真夏を思わせる日差しの強い日が続いていますが、梅雨明けの発表はまだという湿気の多い蒸し暑い日々に若干夏バテ気味となっているこの頃です。
おかげさまで当事務所は、多くの相続登記のご依頼を頂いておりますが、先日お客様の一人から突然電話がありました。
その方は、父親名義の不動産を子ども名義に相続登記するという案件で、相続人は母親を含め、子ども3人の計4人。
すでに遺産分割協議は整っており、協議書への署名・捺印を待つだけということでしたので、当方で作成した遺産分割協議書をお渡しして連絡待ちという状態でした。
てっきり、協議書への署名・捺印が完了したとの電話かと思っていたら、そうではなく、母親が体調を崩して入院してしまったとのこと。
退院の時期が未定なので母親の署名・捺印がもらえない。
時間がかかるようだったら遺産分割協議書は署名ではなく記名でも構わないのかという問い合わせでした。
確かに、遺産分割協議書の書き方に法律上のルールはなく、署名ではなく記名でも有効です。
ただ、相続人が協議書の内容に合意していることを、署名と実印での押印という形で二重に証明しています。
その意味でも、記名ではなく署名が望ましい旨を伝えたところ、納得されたようで少し待ってみるということになりました。
高齢な方等で署名が難しい場合などケースバイケースで署名、記名を使い分けることはあると思いますが、本人の意思をしっかり確認するためには、できる限り署名にこだわった方がいいと思います。
2か月後、そのお客様から遺産分割協議書が届きました。
そこには、入院していた母親の力強い筆圧の署名があり、無事に相続登記が完了しました。
※画像はイメージです