司法書士の日常:珍しい不動産取引
正直、いまいちピンとこないという方が大半だと思います。
そんな司法書士を少しでも身近に感じてもらえるような、日々の業務で体験したエピソードをご紹介。
今回は、司法書士が体験した珍しい「不動産の取引決済」についてのお話しです。
警察官も立会!?
新年度がスタートし、はや一か月。
春からの新生活で環境が変わった方も多いと思いますが、当法人の徳島事務所でも、4月から3名の新しい仲間が加わりました。
それに伴い、事務所内のレイアウトを変更し、さらに業務効率を上げて組織力をフル活用できるようにと体制を整えています。
さて、先日、ちょっと変わった不動産の取引決済に立ち会う機会がありました。
大半の取引決済は、銀行もしくは信用金庫といった金融機関で行われることが一般的ですが、この取引は郵便局で取り行われました。
郵便局での取引決済というだけでも珍しいのに、さらには応接室等の個室ではなく、局内のロビーで立ったままでの決済となりました。
当方は担保設定登記の代理人として立ち会ったのですが、決済には売主・買主・不動産取引の仲介業者・不動産の所有権移転登記の代理人司法書士と計5人がロビーに集まって進めていました。
その時、郵便局内に1人の警察官が入ってきました。
パトロールの一環なのかなと気にしてなかったのですが、決済をしている私たちの方へ近づいてきます。
そして「みなさんの身元確認をさせていただきたいので、ご協力をお願いします」と5人全員の免許証や名刺を確認し、決済についての説明を求められました。
特に隠し立てすることはないので、全員が素直に事情説明に応じましたが、何分初めての体験だったので、説明の仕方もぎこちなく、時間がかかりました。
思いもよらないハプニングもありましたが、決済自体は無事に完了したので、居合わせた全員がホッとした雰囲気に包まれました。
特殊詐欺の被害が多い昨今、たまたま巡回中だった警察官が、郵便局内で不動産取引の決済をしている現場を目撃し、普段見慣れない光景に違和感を覚えての行動だったのだろうと推測しています。
どんなに事前に準備をしていても、決済はライブで行われるので想定外の出来事が起こることも珍しくありません。
たとえ、どんな状況であろうとも、焦らずに落ち着いて対処したいと心掛けてはいますが、それにしても今回の決済は、これまで経験した決済の中でも一番といっていいくらいインパクトが大きく、印象に残るものとなりました。
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