釣り人宮崎(債務整理担当)の釣行記(71)
片手で鷲掴みにして取り込んだのは……
3月に入って、朝、勝瑞駅で列車を待つ人々はしきりにホーム横に並ぶ桜のつぼみを見上げていたのですが、何と開花直前に全部根元から伐採されてしまい、しばし愕然…。
一方、「もう魚などいない」と思っていた駅に向かう途中の用水路(小学生の頃の私の釣り道場)でフナの群れを発見し、しばし感動…。
そんなこんなで、今年も春が来ました…。
3月1日(土)
2月に玉砕続きだった吉野川本流筋の寒バエですが、「念のため深みも探ってみよう」と昼前にワカサギの仕掛けを持って高瀬潜水橋へ行ってみました。
マキエとして鯉・鮒用のネリエサを撒きながらサバ虫でテトラの間を探ってみましたが、やはり生体反応はなく、「もう何でもええわ!」とネリエサでウキ釣りをしてみたところ、45㎝級のイダ(ウグイ)が釣れました。
同型を3匹リリースした後、「貴重なたんぱく源として、一回食ってみよか…」と思い直したのですが、殺気が伝わったのか、そこでピタリとアタリが途絶えました(笑)。
昼からは、翌日のグレのエサとして「アオサ採り」に鳴門に向かいましたが、途中、スクノ海の鯔越水門でボラの群れを発見…。
先日スーパーで刺身用の片身に700円超の値が付いていたのを思い出し、血相を変えてボラ掛けの仕掛けを投げまくり、3回ほど掛けましたが全部針外れで、最後は根掛かりで強制終了となりました(泣)。
なお、近年「引っ掛け釣り禁止」の自治体が増えており、心配になって県に問い合わせをしてみたところ、「禁止されていない」とのことで、「やるじゃん!徳島!」と嬉しくなりました(笑)。
3月2日(日)
10時ごろから昼過ぎまで室戸岬漁港の港内向き(外向きテトラは先客で一杯)で海苔グレを狙ってみましたが全くアタリがなく、15時過ぎから椎名漁港の南波止に移動しました。
ここも先端と外向きに1人ずつ釣り人がいたので、私は港内向きのテトラの切れ目から竿を出しましたが、やはりアタリがないまま日没に…。
それでも満潮でサラシが少し収まってきたので、ハリスに打っていたガン玉をチモトの6号だけにし、足元のテトラの間に仕掛けを馴染ませるようにして「奇跡の一匹」を待っていたところ、本当に「最後の一投」で、この日初めてウキが入りました。
反射的に合わせると0.8号のチヌ竿が胴から曲がり、一瞬根掛かりかと思いましたが、次の瞬間一気にテトラに突っ込む魚の引きが伝わってきました。
漫画のようなまさかの展開に「ホンマに来たゾ!嘘だろ!」と独り言しながら強引に竿を絞ると(ハリスは超安物のフロロ1.25号)、運よく波止本体と1列目のテトラとの間に魚を誘導することができました。
「ここでバラシたら今晩寝れんぞ…」と思いつつ、絶対にテトラに戻らせないように更に竿を絞って2、3回強い締め込みを凌ぐと薄暗い海面でグレーの魚体が反転しました。
最初はグレかサンノジか判りませんでしたが、2回目に浮かせたところでハッキリとグレであることが確認でき(しかも良型❣)そのまま水面でヒラを打たせました。
今回はタモを家に忘れてきており、波止付け根のスロープまで引っ張って行こうとしていたところ、先客の方がやってきて親切にタモで掬ってくれました(謝々!)。
本当に嬉しかったのでしつこいぐらいお礼を言って、そのまま納竿し、車まで戻って計ってみると39cm。
大台には1㎝届きませんでしたが、ここまでドラマチックな展開も珍しく、その後数日間、余韻に酔いしれました(笑)。
なお、腹は白子でパンパン…、焼き切りとグレしゃぶで美味しくいただきました。
3月8日(日)
ここ1週間で水温が急低下し、牟岐や甲浦の沖磯でもほとんど釣果が出ていない状況…。
「さすがに地磯の浅場、しかもアオサではまず無理かな…」とは思いつつ、先週の感動が忘れられず、また高知県境を越えてしまいました(笑)。
しかし、奇跡はそうそう起きるものではなく、予想通り1度もアオサが盗られることはありませんでした(泣)。
3月20日(木)
ソフトルアーでメバルを狙うべく、撫養の水路に夜釣りに出かけましたが、今回はリールを家に忘れてきており、車に乗っているのはカゴ釣り用の大型リールだけ…。
あきらめて帰ろうとしたのですが、悪いことに水門の明かりの下に50~60㎝のスズキ?が数匹漂っているのを発見してしまい、狩猟本能に任せて引っ掛け釣りをやってみることにしました。
チヌ竿+カゴ用リール(道糸4号)+アユ掛け針という見事な「トータルアンバランスタックル」で、しつこく「投げてはシャクリ」を繰り返しているうち、だんだんと魚が増えてきて「なんかおかしいぞ?」と思い、よく見ると全部ボラ…(笑)。
かなりテンションが下がりましたが、夜中まで惰性で投げ続け、3回ほど掛けましたが、結局全部外れてボーズでした。
3月22日(土)
「こうなったら意地でもボラを…」と再び鯔越水門に行ってみましたが、この日はボラ不在…。
次の亀浦観潮船乗り場ではボラ掛けをしている人が数人おり、50~60㎝を2~3匹釣っていましたが、水面にボラは出ておらず、「鮎掛け針では到底無理だろう…」と、あきらめて引き返すことにしました。
ちょうど事務所のオー君から「マゴチGET(この時期に57㎝は立派!)」のラインが入ったので、「俺もルアー投げてみよか…」と思いつつ、海を見ながら海岸線を走っていると、ちょうどボラが跳ねるのが見えました…。
「オオッ、居るやん!」ということで、竜宮の磯まで走ったところで車を止め、砂浜に降りていくと、何と沖から波打ち際までボラがひしめき合っています…(驚)。
ここまで密度の濃い団体様を見るのも珍しく「今日は天が味方しとる!これなら鮎掛け針でもイケるかも…」ということで、慌てて車に戻り、「チヌ竿+ソフトルアー+枝バリに7.5号の友釣り用の鮎掛け針」という、即席欲張り仕掛けを組んでさっそうと砂浜に降りていきました。
「頼んまっせ~」と30mほど投げてリールを巻き始めたところ、いきなり根掛かりのように竿が曲がり、少し間をおいて「グイ、グイ、グイッ~」と魚の感触が伝わって来ました。
そして「よっしゃぁ~」と思った途端すぐに外れ、次の瞬間また「グイッ~」…。
なんせ魚が敷き詰めたように居るため、ひと巻きごとに針が魚に当たるようで、「掛けてはハズレ」を10回ぐらい繰り返したところで、ついに掛かりどころが良かったのか、長いやり取りに入ることができました。
柔らかい竿で引きを楽しみながら、何とか波打ち際にまで寄せ、潮が引いたところで片手で鷲掴みにして取り込んだのは60㎝級の綺麗なボラ(嬉)。
一旦車に帰り、血抜きしてキープした後、急いで浜に戻って投げるとまた1投目から掛かり、無事2匹目もゲット(涎)。
これで食料の確保は十分にできたので、その後、実験的に針を丸セイゴの1本バリに代えてみたところ、それでも1投に1回ぐらいの割合で掛かりましたが、たまたま口元に掛かった1尾(これはリリース)を除いて、全て針外れとなりました。
また、エサ釣りも試してみようと、車に乗っていた鯉釣り用のネリエ、現地調達のアオサ・ジンガサのむき身でウキ釣りもしてみましたが、これらは完全に無視され、そのうちに日没に…。
釣りというよりは漁ですが、チヌ竿に鮎掛け針を使うことで少し上品?になり、「これも毎年恒例になるな!」と確信しました(笑)。
ボラは早速、ハラミを刺身、背中は塩焼き・味噌煮・ボラキムチ、アラは味噌汁にしましたが、グレに比べるとさすがに旨味と食感は落ちるものの脂は良く乗っており、十分おかずになるレベルでした(ただ、血合いが多いせいか鮮度落ちが少し早いような気がします)。
3月23日(日)
もう少し近場で海苔グレが釣れないものか…と、2月の偵察で目星をつけていた志和岐漁港に行ってみました。
朝からミオ筋に向けてフカセをしてみましたが、やはりアタリは無く、昼前に前回唯一30㎝ぐらいのグレらしき魚が見えた波止の付け根に狙いを変えました。
底が見えるような浅場ですがシモリとテトラが入り混じった良い感じのポイントで、サラシに手を焼きながら辛抱して釣っていると、何回かエサが無くなって上がってきました。
アオサは針につけにくいエサですが、勝手に外れることはほとんどないので「ひょっとして魚?けどフグやベラはアオサは食わんだろ?」と思いながら釣っていると、そのうち全遊動のウキが波に揉まれて深く沈んでいきました。
根掛かりかなと思いながら竿を煽るとゴンゴンゴンと生体反応があり、「おぉ~何か掛かったぞ!」とリールを撒きにかかったところで、鋭くシモリに突っ込む引きに変わりました。
「ゲゲ、ひょっとしてグレ?」と思いながら浮かせてみると小さいながらグレが水面に出ました。
貴重な1匹ということで、慎重にタモで掬って計ってみると28㎝あり、早速「奇跡の1匹」と銘打って釣友にライン…。
その後、22㎝のコッパグレも釣れましたが、かなり潮が引いたので、夕マズメを狙って阿部漁港に移動。
こちらは水深がありましたが、潮通しが悪い上に藻が茂りすぎて釣りづらく、アタリすらありませんでした。
(但し、群れが入ればチヌ・アオリイカには良いかもしれません)
3月29日(土)
食料が底をついたので、また竜宮の磯にボラ掛けに行きました。
今回は、魚影が薄く、鮎掛け針でやっても1投に1回ぐらいしか掛らず、苦労しましたが、1時間かけてなんとか1匹ゲットすることができ、ヤレヤレでした(笑)。
3月30日(日)
ボーズ覚悟で今回も高知詣でを行い、午前中野根漁港、午後は佐喜浜漁港でやってみましたが、案の定ボーズでした。
海苔グレ釣り(もちろんマキエも砂アオサのみ)によるは餌代がかからず、後片付けも簡単、エサ取りも皆無、(波止は元々砂地なので)環境にも優しい?…と、良いこと尽くめなのですが、唯一の欠点は「本命も滅多に釣れない」ということです(笑)。