看護休暇の「半日」とはどう定義する?
<ご質問>
従業員が子供のために取る看護休暇(子の看護休暇)が、半日単位でも取得できるようになると聞きました。当社の所定労働時間は、午前3時間(9:00~12:00)、午後4時間半(1:00~5:30)で、昼休みを境として労働時間を等分できません。
「半日単位」で休暇を与えるとなると、具体的にはどうすればいいのでしょうか?
【東京・R社】
従業員が子供のために取る看護休暇(子の看護休暇)が、半日単位でも取得できるようになると聞きました。当社の所定労働時間は、午前3時間(9:00~12:00)、午後4時間半(1:00~5:30)で、昼休みを境として労働時間を等分できません。
「半日単位」で休暇を与えるとなると、具体的にはどうすればいいのでしょうか?
【東京・R社】
<回答>
労使協定で「分単位」の設定も可能。正社員とパートを別に扱うこともできます。
子の看護休暇(育児介護休業法16条の2)、介護休暇(16条の5)は、1日単位の付与が原則です。
しかし、法改正により「1日単位未満」の取得に関する規定が整備され、平成29年1月1日から施行されます。1日の所定労働時間が4時間未満の者を除き、半日単位の申出が可能となります。
ここでいう「半日」とは、1日の所定労働時間数の2分の1をいいます(1時間未満は端数切り上げ)。日によって所定労働時間が異なるときは、1年平均を用います。
ご質問のケースでは、法律の原則通りであれば、端数切り上げで午前4時間、または午後4時間の休暇付与を行うことになります。
9時始業、12時から1時間休憩、5時30分終業という就労パターンで考えてみます。午前の半日休暇を取得した人は、午後2時に出勤すればよいことになります(午前3時間+午後1時間=4時間の休暇)。一方、午後の半日休暇を取得した人は、午後1時30分までの勤務が必要です(午後4時間の休暇)。しかし、この分割方法は、実務の観点からいうと不便で現実的ではありません。
弾力的な対応を可能とするため、法律では労使協定を条件とする例外を設けています。次の事項を定めれば、昼休みを境として2分割する等の対応も可能です。
(1)労使協定による単位で看護休暇・介護休暇を取得できる労働者の範囲
(2)取得の単位となる時間数
(3)看護休暇・介護休暇の1日当たりの時間数
たとえば、(1)を定める際、フルタイムの正社員と短時間のパート等で別の取り扱いとすることができます。ただし、「利用目的によって2分の1以外の時間数で休暇を取得できる労働者の範囲を定めることはできない」と解されています(平成28・8・2雇児発0802第3号)。
(2)の「取得の単位となる時間数」は、1時間単位である必要はありません。分単位の設定も認められます。ご質問のケースであれば、午前の半日休暇=3時間、午後の半日休暇=4時間30分とすることもできます。
この場合、「午前休2回の取得」「午後休2回の取得」のいずれも、合計で1日分の休暇を取得したとして扱われます。休暇に対応する賃金の支払いについては義務付けられていないので、時間按分の賃金カットを行うことも可能です。
※雇児発=厚生労働省雇用均等・児童家庭局長の通知
現場で気になる労働法Q&A
【記事提供元】
安全スタッフ2016年11月15日号
労使協定で「分単位」の設定も可能。正社員とパートを別に扱うこともできます。
子の看護休暇(育児介護休業法16条の2)、介護休暇(16条の5)は、1日単位の付与が原則です。
しかし、法改正により「1日単位未満」の取得に関する規定が整備され、平成29年1月1日から施行されます。1日の所定労働時間が4時間未満の者を除き、半日単位の申出が可能となります。
ここでいう「半日」とは、1日の所定労働時間数の2分の1をいいます(1時間未満は端数切り上げ)。日によって所定労働時間が異なるときは、1年平均を用います。
ご質問のケースでは、法律の原則通りであれば、端数切り上げで午前4時間、または午後4時間の休暇付与を行うことになります。
9時始業、12時から1時間休憩、5時30分終業という就労パターンで考えてみます。午前の半日休暇を取得した人は、午後2時に出勤すればよいことになります(午前3時間+午後1時間=4時間の休暇)。一方、午後の半日休暇を取得した人は、午後1時30分までの勤務が必要です(午後4時間の休暇)。しかし、この分割方法は、実務の観点からいうと不便で現実的ではありません。
弾力的な対応を可能とするため、法律では労使協定を条件とする例外を設けています。次の事項を定めれば、昼休みを境として2分割する等の対応も可能です。
(1)労使協定による単位で看護休暇・介護休暇を取得できる労働者の範囲
(2)取得の単位となる時間数
(3)看護休暇・介護休暇の1日当たりの時間数
たとえば、(1)を定める際、フルタイムの正社員と短時間のパート等で別の取り扱いとすることができます。ただし、「利用目的によって2分の1以外の時間数で休暇を取得できる労働者の範囲を定めることはできない」と解されています(平成28・8・2雇児発0802第3号)。
(2)の「取得の単位となる時間数」は、1時間単位である必要はありません。分単位の設定も認められます。ご質問のケースであれば、午前の半日休暇=3時間、午後の半日休暇=4時間30分とすることもできます。
この場合、「午前休2回の取得」「午後休2回の取得」のいずれも、合計で1日分の休暇を取得したとして扱われます。休暇に対応する賃金の支払いについては義務付けられていないので、時間按分の賃金カットを行うことも可能です。
※雇児発=厚生労働省雇用均等・児童家庭局長の通知
現場で気になる労働法Q&A
【記事提供元】
安全スタッフ2016年11月15日号