話さないのも「信頼の証」
コミュニケーションの基本が「話すこと」にあるのは間違いない。組織をまとめるリーダーであれば、話し上手にも聞き上手にもなりたいと願うだろう。
しかし、現実のビジネスシーンでは、なかなかうまくいかないものだ。納期やノルマは絶えず追いかけてくるし、突発的なトラブルに襲われることもある。
大事なプレゼンや会議の前には、「準備はできているか」「段取りはOKか」などと、同じようなことを何度も部下に確認してしまうかもしれない。
しかし、現実のビジネスシーンでは、なかなかうまくいかないものだ。納期やノルマは絶えず追いかけてくるし、突発的なトラブルに襲われることもある。
大事なプレゼンや会議の前には、「準備はできているか」「段取りはOKか」などと、同じようなことを何度も部下に確認してしまうかもしれない。
プロスポーツの監督=上司は、選手=部下と仲良くしないタイプが多い。采配に私情が絡んでしまうから、という理由からだ。
ならば、監督たちはどのように意思を伝えているのだろう?
自らの右腕としてのコーチを橋渡し役として、起用法などの狙いを選手側に浸透させていく方法がある。
また事細かに伝えない方法もある。「調子はどうだ?」「今日も期待しているぞ」といった言葉をかける程度にとどめて、具体的な指示をしない監督がいる。
こうしろ、ああしろ、と言わない監督たちは、それによって「キミを信用しているぞ、キミならできるぞ」という意思を示しているのだ。
そうしたスタンスの監督たちも、「本当はたくさんのことを伝えたい」と苦笑いをする。
しかし、「自分が指示をした通りにやってもらうのではなく、選手自身が考えてプレーするほうが、たとえ失敗しても成長につながる」と口をそろえる。
「押しつけの成功体験よりも、自発的な失敗体験にこそ価値がある」という考えは、アスリートの自主性をはぐくむことにつながる。
実際に闘うのは選手自身だからで、ビジネスシーンにも共通するはずである。
スポーツの視点からみる人的資源
[プロフィール]
戸塚 啓(とつか・けい)
1968年、神奈川県生まれ。法政大学法学部法律学科卒業後、雑誌編集者を経てフリーのスポーツライターに。新聞、雑誌などへの執筆のほか、CS放送で欧州サッカーの解説なども。主な著書に『不動の絆』(角川書店)、『僕らは強くなりたい~震災の中のセンバツ』(幻冬舎)。
[記事提供]
(運営:株式会社アックスコンサルティング)
ならば、監督たちはどのように意思を伝えているのだろう?
自らの右腕としてのコーチを橋渡し役として、起用法などの狙いを選手側に浸透させていく方法がある。
また事細かに伝えない方法もある。「調子はどうだ?」「今日も期待しているぞ」といった言葉をかける程度にとどめて、具体的な指示をしない監督がいる。
こうしろ、ああしろ、と言わない監督たちは、それによって「キミを信用しているぞ、キミならできるぞ」という意思を示しているのだ。
そうしたスタンスの監督たちも、「本当はたくさんのことを伝えたい」と苦笑いをする。
しかし、「自分が指示をした通りにやってもらうのではなく、選手自身が考えてプレーするほうが、たとえ失敗しても成長につながる」と口をそろえる。
「押しつけの成功体験よりも、自発的な失敗体験にこそ価値がある」という考えは、アスリートの自主性をはぐくむことにつながる。
実際に闘うのは選手自身だからで、ビジネスシーンにも共通するはずである。
スポーツの視点からみる人的資源
[プロフィール]
戸塚 啓(とつか・けい)
1968年、神奈川県生まれ。法政大学法学部法律学科卒業後、雑誌編集者を経てフリーのスポーツライターに。新聞、雑誌などへの執筆のほか、CS放送で欧州サッカーの解説なども。主な著書に『不動の絆』(角川書店)、『僕らは強くなりたい~震災の中のセンバツ』(幻冬舎)。
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