社会保険労務士法人なか/労働保険事務組合福働会/福働会中部支部

新人スタッフへの教育体制を整備することが組織を強化する!

15.12.04
業種別【介護業】
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介護事業所を経営していく上での大きな悩みの一つが、スタッフの定着です。以前のコラムでもお伝えしましたが、介護業界は他の業界と比べて離職率が高く、「低賃金」と「人手不足」は、スタッフが感じる不満の大きな要因となっています。

しかし、就業意識調査では半数以上が「働きがいのある仕事だと思ったから」という理由で介護業界への就職を決意したにもかかわらず、早期で退職しています。

これは「新規・中途採用」→「労働環境等の不満」→「新人の退職」→「他のスタッフへの負担が増加」→「有給休暇が取れないなどの労働条件に対する不満」→「スタッフの退職」→「新規・中途採用」という負のスパイラルに陥っている介護事業所が多いということではないでしょうか。
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そもそも、なぜ入社してから数ヵ月も経たないうちに不満を持ち、早期退職へと進んでしまうのでしょうか。原因として「新人教育体制の未整備」が挙げられると思います。 

現場でよく耳にするのが、先輩スタッフの「新人育成の仕方がわからない」「新人が育たない」「新人を教育する時間がない」という声です。 

人手不足に悩んでいる事業所では、スタッフは掛け持ちで利用者の方々の世話を行わなければなりません。管理者においても、介護報酬の請求、処遇改善加算申請手続き、入居者の管理、給与計算などの仕事が山積みとなるため、時間的にも精神的にも余裕を持てない状況になっています。

気持ちに余裕のない先輩スタッフからいくら教えられても、新人スタッフの育成にはつながりません。しかも教育体制がとれていないのであれば、なおさら日々の業務の中で教えるしか具体策がなく、その場しのぎの教育となり、画一的な教育はできないでしょう。 

このような負のスパイラルを断ち切るためには、たとえ日々の仕事に追われていても、早急にしっかりとした教育体制を整備することが必要です。

教育体制の確立には、次のような内容を整備することが必要なポイントとして考えられます。 

・教育方針の決定(どのような人材に育成するのか) 
・教育担当者の選定(一定のキャリアを持つ担当者) 
・教育担当者の育成(教育マニュアルの整備、外部研修など) 
・教育後のフォローアップ(業務ステップごとのフォローが必要) 
・スキルアップ制度の見える化 

新人育成を通じて教育担当者は自己を振り返り、さまざまな気付きを体感するため、人材を指導できる人間へと成長することができます。また、事業所の具体的な課題を認識することにもなり、スタッフが働きやすく、かつモチベーションが維持できる職場環境を整備することができます。 

新人は不安と希望を併せ持ちながら入社してきます。早い段階で不安を解消してあげることで、介護業界の仕事に対する意欲が持てるのではないでしょうか。 

新人スタッフが介護業界への魅力を感じることができるように、「新人教育の体制の整備」「スキルアップ制度の構築」「社内コミュニケーションの充実」などを意識して、組織体制を再構築できれば、事業所全体の満足度とモチベーションの向上につながります。利用者が満足できるサービスの幅が今以上に広がるでしょう。 


介護事業最前線 


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