迷惑行為には断固NO! 店側が予防策を講じておく必要性
2023年初頭から、回転寿司店や牛丼店などの飲食店を中心に、客による迷惑行為が相次ぎました。これらの迷惑行為を撮影した動画がSNSを通じて拡散され、ニュースなどでも大々的に報じられています。
客足や株価に影響を与えるなど社会問題にもなっている迷惑行為に対し、被害を受けた一部の企業では、刑事、民事、両面から訴訟するなどの対応を取りました。
ニュースで取り上げられるのは、チェーン展開をしているいわゆる大企業が中心ですが、個人経営の飲食店も他人事ではありません。
迷惑行為の被害に遭う前に、できる限りの予防策を講じておきましょう。
客足や株価に影響を与えるなど社会問題にもなっている迷惑行為に対し、被害を受けた一部の企業では、刑事、民事、両面から訴訟するなどの対応を取りました。
ニュースで取り上げられるのは、チェーン展開をしているいわゆる大企業が中心ですが、個人経営の飲食店も他人事ではありません。
迷惑行為の被害に遭う前に、できる限りの予防策を講じておきましょう。
なぜ客による迷惑行為が社会問題化したのか
飲食店における迷惑行為動画がSNSによって拡散され、社会問題となったのは、2007年頃に店舗で働く従業員が不適切動画を相次いでアップしたことから始まったといわれています。
いわゆる『バイトテロ』と呼ばれるこれらの事例は、飲食店の内部で発生したもので、飲食店にも従業員に対する一定の監督責任があると受け取られました。
一方、2023年の初頭から起きている迷惑行為は、飲食店の客(外部)によるもので、内部で起きたバイトテロとは異なります。
回転寿司店では客が醤油差しを舐め回したり、他人が注文した寿司にわさびを塗るなどの行為が発生したほか、牛丼店では据え置きの紅生姜を直箸で食べるといった被害が発生しています。
一連の迷惑行為では、『客=加害者』と『飲食店=被害者』という構図が成立している点が、従来のバイトテロとは大きく異なるのです。
回転寿司店や牛丼店だけではなく、ラーメン店やうどん店、ステーキ店や中華料理店など、これまでさまざまなジャンルの飲食店が客による迷惑行為の被害を受けています。
なぜこのような迷惑行為が相次いで起きたのでしょうか。
原因の一つに、オペレーションの自動化や省人化があるといわれています。
業務の効率化や、人手不足の解消、コロナ禍における接触機会の削減などを目的に、大手飲食店ではこれまで人が行っていた席への案内や配膳などの作業をシステム化し、ロボットなどの機械に任せることが増えてきました。
結果としてホールで働くスタッフが減り、人の目が少なくなった環境で客が迷惑行為をしやすくなってしまったのです。
たとえば大手回転寿司チェーンでは、席の案内から最後の会計まで、一連のオペレーションが自動化・機械化されており、客が店員と接する機会が少ない状態です。
自動化・機械化は飲食店側に多くのメリットをもたらした一方で、客による迷惑行為の増加という問題を引き起こしてしまったのです。
また、迷惑行為を行った者の多くが、デジタルネイティブ世代の10~20代です。
ネットリテラシーの欠如から起きたいわゆる悪ノリといった非常識な行動が、SNSで可視化され、拡散されやすくなった結果といえるでしょう。
店側の被害と加害者が負う刑事上の責任
客による迷惑行為は、料理や備品などへの直接的な損害のほか、風評被害による信用の低下や売上の減少、企業全体のイメージダウン、対応策に伴うコスト増など、飲食店に非常に大きなダメージを与えます。
まずはこれらの迷惑行為が起きないように、店側は予防策を講じなければなりません。
たとえば、食器類はテーブルに置かず、店員による手渡しのオペレーションに変更したり、調味料を個別包装にしたりするなどの方法が考えられます。
また、被害に遭った回転寿司チェーンでは、客の不審な動きを検知するAIカメラの導入が進められていますが、個人店などの場合は一般的な監視カメラでも抑止効果が期待できるでしょう。
ほかにも、動画撮影の禁止や、迷惑行為に対する法的措置などを記載したポスターを店内に掲示するのも有効です。
実際に、迷惑行為の被害に遭った多くの飲食店は、警察に被害届を出したり、刑事と民事、両面で訴訟を起こしたりといった法的措置をとっています。
迷惑行為は、損害賠償請求などの民事上の責任だけではなく、ケースによっては刑事上の責任が問われることもあります。
たとえば、客自身が料理に異物を混入して虚偽の告発などを行った場合は、信用毀損罪および偽計業務妨害罪に問われる可能性があります。
店舗内で騒げば威力業務妨害罪に、食器や備品を汚したり壊したりすると器物損壊罪に問われるかもしれません。
また、ほかの客が注文した料理を勝手に食べた場合は、窃盗罪に該当することがあります。
客によるこれらの迷惑行為は、何らかの違法行為に該当する可能性があります。
見つけた場合、店としてはまず警察に通報することをおすすめします。
被害を曖昧にせず、毅然とした態度で対処し、再発を防止していきましょう。
※本記事の記載内容は、2023年6月現在の法令・情報等に基づいています。
飲食店における迷惑行為動画がSNSによって拡散され、社会問題となったのは、2007年頃に店舗で働く従業員が不適切動画を相次いでアップしたことから始まったといわれています。
いわゆる『バイトテロ』と呼ばれるこれらの事例は、飲食店の内部で発生したもので、飲食店にも従業員に対する一定の監督責任があると受け取られました。
一方、2023年の初頭から起きている迷惑行為は、飲食店の客(外部)によるもので、内部で起きたバイトテロとは異なります。
回転寿司店では客が醤油差しを舐め回したり、他人が注文した寿司にわさびを塗るなどの行為が発生したほか、牛丼店では据え置きの紅生姜を直箸で食べるといった被害が発生しています。
一連の迷惑行為では、『客=加害者』と『飲食店=被害者』という構図が成立している点が、従来のバイトテロとは大きく異なるのです。
回転寿司店や牛丼店だけではなく、ラーメン店やうどん店、ステーキ店や中華料理店など、これまでさまざまなジャンルの飲食店が客による迷惑行為の被害を受けています。
なぜこのような迷惑行為が相次いで起きたのでしょうか。
原因の一つに、オペレーションの自動化や省人化があるといわれています。
業務の効率化や、人手不足の解消、コロナ禍における接触機会の削減などを目的に、大手飲食店ではこれまで人が行っていた席への案内や配膳などの作業をシステム化し、ロボットなどの機械に任せることが増えてきました。
結果としてホールで働くスタッフが減り、人の目が少なくなった環境で客が迷惑行為をしやすくなってしまったのです。
たとえば大手回転寿司チェーンでは、席の案内から最後の会計まで、一連のオペレーションが自動化・機械化されており、客が店員と接する機会が少ない状態です。
自動化・機械化は飲食店側に多くのメリットをもたらした一方で、客による迷惑行為の増加という問題を引き起こしてしまったのです。
また、迷惑行為を行った者の多くが、デジタルネイティブ世代の10~20代です。
ネットリテラシーの欠如から起きたいわゆる悪ノリといった非常識な行動が、SNSで可視化され、拡散されやすくなった結果といえるでしょう。
店側の被害と加害者が負う刑事上の責任
客による迷惑行為は、料理や備品などへの直接的な損害のほか、風評被害による信用の低下や売上の減少、企業全体のイメージダウン、対応策に伴うコスト増など、飲食店に非常に大きなダメージを与えます。
まずはこれらの迷惑行為が起きないように、店側は予防策を講じなければなりません。
たとえば、食器類はテーブルに置かず、店員による手渡しのオペレーションに変更したり、調味料を個別包装にしたりするなどの方法が考えられます。
また、被害に遭った回転寿司チェーンでは、客の不審な動きを検知するAIカメラの導入が進められていますが、個人店などの場合は一般的な監視カメラでも抑止効果が期待できるでしょう。
ほかにも、動画撮影の禁止や、迷惑行為に対する法的措置などを記載したポスターを店内に掲示するのも有効です。
実際に、迷惑行為の被害に遭った多くの飲食店は、警察に被害届を出したり、刑事と民事、両面で訴訟を起こしたりといった法的措置をとっています。
迷惑行為は、損害賠償請求などの民事上の責任だけではなく、ケースによっては刑事上の責任が問われることもあります。
たとえば、客自身が料理に異物を混入して虚偽の告発などを行った場合は、信用毀損罪および偽計業務妨害罪に問われる可能性があります。
店舗内で騒げば威力業務妨害罪に、食器や備品を汚したり壊したりすると器物損壊罪に問われるかもしれません。
また、ほかの客が注文した料理を勝手に食べた場合は、窃盗罪に該当することがあります。
客によるこれらの迷惑行為は、何らかの違法行為に該当する可能性があります。
見つけた場合、店としてはまず警察に通報することをおすすめします。
被害を曖昧にせず、毅然とした態度で対処し、再発を防止していきましょう。
※本記事の記載内容は、2023年6月現在の法令・情報等に基づいています。