介護事業所が行うべき『健康診断』のポイント
入居者の健康や命を預かる介護職は、気力も体力も使う仕事です。
時間に追われている介護スタッフは、業務を優先しているうちに、体調が悪いときなどにも自分の身体のケアを後回しにしがちです。
不調を放置したために体調悪化や、欠勤が続くようになっては業務に支障をきたしてしまいます。
介護事業者は、従業員の無理のない勤務形態に注意するのはもちろん、健康管理にも気を配ることが大切です。
そこで今回は、介護事業所の事業主にも義務づけられた、健康診断について説明します。
時間に追われている介護スタッフは、業務を優先しているうちに、体調が悪いときなどにも自分の身体のケアを後回しにしがちです。
不調を放置したために体調悪化や、欠勤が続くようになっては業務に支障をきたしてしまいます。
介護事業者は、従業員の無理のない勤務形態に注意するのはもちろん、健康管理にも気を配ることが大切です。
そこで今回は、介護事業所の事業主にも義務づけられた、健康診断について説明します。
介護事業所も対象となる一般健康診断
健康診断は、労働安全衛生法第66条に基づき、労働者を雇用している事業主に対して、医師による定期的な実施が義務づけられています。
また、労働者は、事業者が行う健康診断を受けなければなりません。
介護事業所も一般の企業と同様に対象となり、下記のような種類の健康診断を実施する必要があります。
〈一般健康診断〉
健康診断の種類:対象となる労働者/実施時期
●雇入時の健康診断:常時使用する労働者/雇入れの際
●定期健康診断:常時使用する労働者/1年以内ごとに1回
●特定業務従事者の健康診断:対象となる労働者(夜勤勤務)/夜勤勤務への配置替えの際、6カ月以内ごとに1回
●給食従業員の検便:事業に附属する食堂または炊事場における給食の業務に従事する労働者/雇入れの際、配置替えの際
このなかで一番なじみがあるのは、1年に1回の実施が義務づけられている『定期健康診断』ではないでしょうか。
しかし、これらの健康診断の要件を正しく理解していない事業所も多いようです。
正社員やフルタイムのパートタイマーは対象としているものの、登録ヘルパーなどの不定期雇用となる従業員は、定期健康診断の対象から除外されている事業所が多くあります。
定期健康診断の対象となる従業員は、『正社員』および『契約期間が1年以上、かつ週所定労働時間の4分の3以上労働する契約社員やパート社員』となります。
事業者は対象となる従業員を確認し、それぞれが受けるべき定期健康診断のスケジュールを把握できるようにしておきましょう。
注意すべきは、雇入れ時と夜勤のある従業員
健康診断について、訪問介護などの短時間勤務の従業員であっても、厚生労働省の通達では
(1)期間の定めのない労働契約または期間1年以上の有期労働契約により使用される者、契約更新により1年以上使用され、または使用されることが予定されている者
(2)週の労働時間数が、正規雇用の従業員(訪問介護員等)の週の労働時間数の4分の3以上である者
上記いずれにも該当する場合は、『常時使用する従業員(訪問介護員等)』として健康診断が必要であるとしています。
つまり、登録ヘルパーだから対象外というわけではなく、実際の平均的な労働時間数を確認したうえで判断する必要があります。
『雇入時の健康診断』にも注意が必要です。
こちらも事業主に実施が義務づけられており、対象者は定期健康診断と同じ条件となります。
実施する期間は、厳密に定められているわけではありませんが、雇い入れの日から3カ月以内に受診してもらうのが適切といわれています。
こちらは、雇い入れ時に自身で受診した健康診断結果を提出してもらうことも可能ですが、その場合は雇い入れ日から3カ月以内の結果であることが必要です。
そのほかにも、介護施設などの夜勤で22時~翌5時までの深夜労働にあたっている従業員には、『特定業務従事者の健康診断』を6カ月以内ごとに1回受診してもらわなければなりません。
ただし、胸部エックス線検査については、1年以内ごとに1回、定期的に行えばよいこととされています。
また、健康診断の実施は法で定められたものなので、その実施に要した費用を職員に負担させることはできません。
健康診断は保険適用外のため自由診療となり、費用はさまざまです。
企業の定期健診用に見積もりを受けつけている医療機関・健診機関もありますので、調べてみるとよいでしょう。
健康診断は、介護事業所の形態や職種、労働時間などによって種類や条件が異なります。
いつも明るく健康的な事業所であるためにも、早めに医療機関・健診機関への申し込みと従業員への周知を行い、きちんと受診できるようにしていきましょう。
※本記事の記載内容は、2023年2月現在の法令・情報等に基づいています。
健康診断は、労働安全衛生法第66条に基づき、労働者を雇用している事業主に対して、医師による定期的な実施が義務づけられています。
また、労働者は、事業者が行う健康診断を受けなければなりません。
介護事業所も一般の企業と同様に対象となり、下記のような種類の健康診断を実施する必要があります。
〈一般健康診断〉
健康診断の種類:対象となる労働者/実施時期
●雇入時の健康診断:常時使用する労働者/雇入れの際
●定期健康診断:常時使用する労働者/1年以内ごとに1回
●特定業務従事者の健康診断:対象となる労働者(夜勤勤務)/夜勤勤務への配置替えの際、6カ月以内ごとに1回
●給食従業員の検便:事業に附属する食堂または炊事場における給食の業務に従事する労働者/雇入れの際、配置替えの際
このなかで一番なじみがあるのは、1年に1回の実施が義務づけられている『定期健康診断』ではないでしょうか。
しかし、これらの健康診断の要件を正しく理解していない事業所も多いようです。
正社員やフルタイムのパートタイマーは対象としているものの、登録ヘルパーなどの不定期雇用となる従業員は、定期健康診断の対象から除外されている事業所が多くあります。
定期健康診断の対象となる従業員は、『正社員』および『契約期間が1年以上、かつ週所定労働時間の4分の3以上労働する契約社員やパート社員』となります。
事業者は対象となる従業員を確認し、それぞれが受けるべき定期健康診断のスケジュールを把握できるようにしておきましょう。
注意すべきは、雇入れ時と夜勤のある従業員
健康診断について、訪問介護などの短時間勤務の従業員であっても、厚生労働省の通達では
(1)期間の定めのない労働契約または期間1年以上の有期労働契約により使用される者、契約更新により1年以上使用され、または使用されることが予定されている者
(2)週の労働時間数が、正規雇用の従業員(訪問介護員等)の週の労働時間数の4分の3以上である者
上記いずれにも該当する場合は、『常時使用する従業員(訪問介護員等)』として健康診断が必要であるとしています。
つまり、登録ヘルパーだから対象外というわけではなく、実際の平均的な労働時間数を確認したうえで判断する必要があります。
『雇入時の健康診断』にも注意が必要です。
こちらも事業主に実施が義務づけられており、対象者は定期健康診断と同じ条件となります。
実施する期間は、厳密に定められているわけではありませんが、雇い入れの日から3カ月以内に受診してもらうのが適切といわれています。
こちらは、雇い入れ時に自身で受診した健康診断結果を提出してもらうことも可能ですが、その場合は雇い入れ日から3カ月以内の結果であることが必要です。
そのほかにも、介護施設などの夜勤で22時~翌5時までの深夜労働にあたっている従業員には、『特定業務従事者の健康診断』を6カ月以内ごとに1回受診してもらわなければなりません。
ただし、胸部エックス線検査については、1年以内ごとに1回、定期的に行えばよいこととされています。
また、健康診断の実施は法で定められたものなので、その実施に要した費用を職員に負担させることはできません。
健康診断は保険適用外のため自由診療となり、費用はさまざまです。
企業の定期健診用に見積もりを受けつけている医療機関・健診機関もありますので、調べてみるとよいでしょう。
健康診断は、介護事業所の形態や職種、労働時間などによって種類や条件が異なります。
いつも明るく健康的な事業所であるためにも、早めに医療機関・健診機関への申し込みと従業員への周知を行い、きちんと受診できるようにしていきましょう。
※本記事の記載内容は、2023年2月現在の法令・情報等に基づいています。