知っておきたい! 医院が掲げる『標榜科目』のルールとは
病院やクリニックを開業する際は、標榜科名を決める必要があります。
標榜科名とは、『内科』や『小児科』のように、医師が専門とする分野を患者に伝えるための診療科目の名称であり、医院の看板などに掲げることができます。
この標榜科名は、医療法の定めにしたがって、保健所・社会保険事務所に届け出ることで標榜できます。
今回は、医院で使用されている標榜科目のルールについて説明します。
標榜科名とは、『内科』や『小児科』のように、医師が専門とする分野を患者に伝えるための診療科目の名称であり、医院の看板などに掲げることができます。
この標榜科名は、医療法の定めにしたがって、保健所・社会保険事務所に届け出ることで標榜できます。
今回は、医院で使用されている標榜科目のルールについて説明します。
単独で標榜することができる診療科目
通常、患者は自分の病状に合う医院を選んで、治療を受けに訪れます。
発熱など風邪の症状があれば、多くの人は内科を訪れます。
怪我をしてしまったら外科、子どもの病気であれば小児科というように、患者に対してわかりやすく受診先を示すものが標榜科名になります。
医師は医学について一通りの知識を有していますが、それでも個々に得意な診療科目があり、対処できる疾病も異なります。
患者が誤解せずに、正しい診療が受けることができるように、医師は自身の専門分野である標榜科名を掲げる必要があります。
そのため、医療法では標榜科名をつける際のルールが定められており、標榜科名の単独での表記は、内科、外科を含め、以下の標榜科名が認められています。
<単独の名称をもって診療科名とするもの>
内科、外科、精神科、アレルギー科、リウマチ科、小児科、皮膚科、泌尿器科、産婦人科(産科、婦人科)、眼科、耳鼻いんこう科、リハビリテーション科、放射線科(放射線診断科、放射線治療科)、病理診断科、臨床検査科、救急科、麻酔科
この標榜科名ですが、実は医師の専門性に関わらず、どの診療科目でも自由に標榜してよいことになっています。
唯一、麻酔科だけは、厚生労働大臣の許可がなければ標榜できないので注意が必要です。
また、内科や外科など、単独の名称で標榜できる診療科目は、以下の各事項と組み合わせて標榜することも認められています。
a. 部位、器官、臓器、組織、またはこれらの果たす機能
頭頸部、頭部、頸部、胸部、腹部、呼吸器、気管食道、気管、気管支、肺、消化器、食道、胃腸、十二指腸、小腸、大腸、循環器、肛門、血管、心臓血管、心臓、腎臓、脳神経、脳、神経、血液、乳腺、内分泌、代謝、脂質代謝、肝臓、胆のう、膵臓
b. 疾病、病態
感染症、性感染症、腫瘍、がん、糖尿病、アレルギー疾患
c. 患者の特性(性別、年齢を示す名称)
男性、女性、小児、周産期、新生児、児童、思春期、老人、老年、高齢者
d.医学的処置
整形(内科との組み合わせは不可)、形成(内科との組み合わせは不可)、美容、心療(外科との組み合わせは不可)、薬物療法、移植、光学医療、生殖医療、不妊治療、疼痛緩和、緩和ケア、ペインクリニック、漢方、化学療法、人工透析、臓器移植、骨髄移植、内視鏡
(出典:日本医師会HP)
たとえば、内科医で呼吸器が専門であれば『呼吸器内科』と表記することができますし、外科医で脳神経が専門であれば『脳神経外科』と表記することができます。
また、a.b.c.dのなかで、同じ分類の項目でなければ、複数の項目を組み合わせることができるため、たとえば『女性』と『心療』と『内科』を組み合わせて、『女性心療内科』と表記することも可能です。
『女性小児内科』のように、同じ分類の項目を組み合わせることはできません。
『女性・小児内科』や、もしくは『女性内科・小児内科』などにすれば表記することは可能です。
ただし、同じ分類であっても、好きなように組み合わせられるわけではありません。
『内科』と『整形』や、『外科』と『心療』など、合理的でない組み合わせは認められないため、注意が必要です。
また、女性科、老年科、新生児科、化学療法科、疼痛緩和科、ペインクリニック科、糖尿病科、性感染症科などは、法令に根拠がないため、標榜することができません。
原則として、医師は医学的見地や社会通念上、不合理ではない診療科目を標榜するように求められています。
自身の専門の範囲内で、かつ適正な診療科目を標榜しましょう。
※本記事の記載内容は、2022年8月現在の法令・情報等に基づいています。
通常、患者は自分の病状に合う医院を選んで、治療を受けに訪れます。
発熱など風邪の症状があれば、多くの人は内科を訪れます。
怪我をしてしまったら外科、子どもの病気であれば小児科というように、患者に対してわかりやすく受診先を示すものが標榜科名になります。
医師は医学について一通りの知識を有していますが、それでも個々に得意な診療科目があり、対処できる疾病も異なります。
患者が誤解せずに、正しい診療が受けることができるように、医師は自身の専門分野である標榜科名を掲げる必要があります。
そのため、医療法では標榜科名をつける際のルールが定められており、標榜科名の単独での表記は、内科、外科を含め、以下の標榜科名が認められています。
<単独の名称をもって診療科名とするもの>
内科、外科、精神科、アレルギー科、リウマチ科、小児科、皮膚科、泌尿器科、産婦人科(産科、婦人科)、眼科、耳鼻いんこう科、リハビリテーション科、放射線科(放射線診断科、放射線治療科)、病理診断科、臨床検査科、救急科、麻酔科
この標榜科名ですが、実は医師の専門性に関わらず、どの診療科目でも自由に標榜してよいことになっています。
唯一、麻酔科だけは、厚生労働大臣の許可がなければ標榜できないので注意が必要です。
また、内科や外科など、単独の名称で標榜できる診療科目は、以下の各事項と組み合わせて標榜することも認められています。
a. 部位、器官、臓器、組織、またはこれらの果たす機能
頭頸部、頭部、頸部、胸部、腹部、呼吸器、気管食道、気管、気管支、肺、消化器、食道、胃腸、十二指腸、小腸、大腸、循環器、肛門、血管、心臓血管、心臓、腎臓、脳神経、脳、神経、血液、乳腺、内分泌、代謝、脂質代謝、肝臓、胆のう、膵臓
b. 疾病、病態
感染症、性感染症、腫瘍、がん、糖尿病、アレルギー疾患
c. 患者の特性(性別、年齢を示す名称)
男性、女性、小児、周産期、新生児、児童、思春期、老人、老年、高齢者
d.医学的処置
整形(内科との組み合わせは不可)、形成(内科との組み合わせは不可)、美容、心療(外科との組み合わせは不可)、薬物療法、移植、光学医療、生殖医療、不妊治療、疼痛緩和、緩和ケア、ペインクリニック、漢方、化学療法、人工透析、臓器移植、骨髄移植、内視鏡
(出典:日本医師会HP)
たとえば、内科医で呼吸器が専門であれば『呼吸器内科』と表記することができますし、外科医で脳神経が専門であれば『脳神経外科』と表記することができます。
また、a.b.c.dのなかで、同じ分類の項目でなければ、複数の項目を組み合わせることができるため、たとえば『女性』と『心療』と『内科』を組み合わせて、『女性心療内科』と表記することも可能です。
『女性小児内科』のように、同じ分類の項目を組み合わせることはできません。
『女性・小児内科』や、もしくは『女性内科・小児内科』などにすれば表記することは可能です。
ただし、同じ分類であっても、好きなように組み合わせられるわけではありません。
『内科』と『整形』や、『外科』と『心療』など、合理的でない組み合わせは認められないため、注意が必要です。
また、女性科、老年科、新生児科、化学療法科、疼痛緩和科、ペインクリニック科、糖尿病科、性感染症科などは、法令に根拠がないため、標榜することができません。
原則として、医師は医学的見地や社会通念上、不合理ではない診療科目を標榜するように求められています。
自身の専門の範囲内で、かつ適正な診療科目を標榜しましょう。
※本記事の記載内容は、2022年8月現在の法令・情報等に基づいています。