歯科医師と歯科技工士の連携を強化し、集患につなげる
歯の詰め物や被せ物は『技工物』と呼ばれ、歯科技工士が歯科医師の作成した指示書を基に作成します。
技工物は患者に合わせたオーダーメイド品であり、精度の高い技工物は、患者の満足度に直結し、集患にもつながります。
精度の高い技工物を患者に提供するには、歯科医師と歯科技工士の双方が情報や認識を共有する、綿密に連携できる体制づくりが大切です。
今回は、歯科医院の集患にもつながる、歯科医師と歯科技工士の連携について説明します。
技工物は患者に合わせたオーダーメイド品であり、精度の高い技工物は、患者の満足度に直結し、集患にもつながります。
精度の高い技工物を患者に提供するには、歯科医師と歯科技工士の双方が情報や認識を共有する、綿密に連携できる体制づくりが大切です。
今回は、歯科医院の集患にもつながる、歯科医師と歯科技工士の連携について説明します。
精度の高い技工物を作るための条件
技工物である差し歯や銀歯などの『補綴物』や、入れ歯などの『義歯』は、歯科医師が患者の歯の型取りを行い、歯科技工士が製作を担当します。
精度の高い技工物とは、患者の歯にフィットし、天然の歯の噛み心地を再現しているものといえます。
そして、精度の高い技工物が評判となり、患者を集めている歯科医院も少なくありません。
では、技工物の精度を高めるには、何が必要なのでしょうか。
歯科医師の技工物に対する考え方や歯科技工士の得意分野もそれぞれ異なるため、双方がお互いの特徴を把握したうえで作業を進めていかないと、精度の高い技工物が完成しません。
つまり、精度の高い技工物を作るうえで大切なのは、歯科医師と歯科技工士の連携なのです。
歯科技工士は通常、歯科技工所に所属しており、歯科医師は必要に応じて外部の歯科技工所に技工物の製作を発注します。
発注を受けた歯科技工士は、歯科医師の指示書を基に技工物を作り始めます。
このとき患者の歯の状態によっては何度もやり取りを繰り返さなければならないことがあり、密に連絡が取れずに連携が不十分だと、患者の歯にフィットする精度の高い技工物ができあがらない可能性があります。
特に噛み合わせ治療などは、歯科医師と歯科技工士の連携が求められるため、双方のコミュニケーションが大切です。
歯科技工士が治療の場に参加するメリット
歯科医師と歯科技工士の連携を強化するには、まず、双方の意思疎通がスムーズに行える環境の整備が必要です。
たとえば、一部の医療法人では、歯科技工所を自ら運営したり、歯科医院で歯科技工士を雇用したりと、歯科医師と歯科技工士が直接やり取りできるような体制を整えている医院もあります。
しかし、このような歯科医院はまだ少なく、特に個人経営の歯科医院では、外部の歯科技工所へ発注するのが一般的です。
そこで、外部の歯科技工所との連携強化を助けてくれるのが、近年発達してきたビジネス系のチャットツールです。
1点ものである技工物は、歯科医師から歯科技工士への指示はもちろん、歯科技工士から歯科医師への確認や連絡も頻繁に発生します。
昨今では、電話やメールなどではすぐに連絡が取れるとは限らないため、ChatworkやLINE WORKSなどのビジネスチャットツールを併用することで、タイムラグを発生させることなく、スピーディーな情報共有が実現できます。
ビジネスチャットツールであれば、写真などの視覚情報も即座に共有できるため、認識の齟齬が起きづらいといえます。
また、患者の情報には個人情報が多分に含まれるため、セキュリティのあるビジネスチャットツールを選び、定期連絡と緊急性の高い場合とで連絡手段を複数用意するなど、仕組みづくりも必要です。
厚生労働省の『歯科技工士の業務のあり方等に関する検討会』では、歯科医師と歯科技工士の間を結ぶICT(情報通信技術)の活用はもちろん、患者に技工物が試適・装着された際の状況を歯科技工士へフィードバックができる仕組みづくりや、歯科技工士が歯科医療機関の臨床現場で研修を受ける制度など、さまざまな環境整備を提言しています。
歯科技工士が技工物を納品して終わりにするのではなく、実際に技工物を装着した患者の意見を歯科技工士にフィードバックすることが、歯科技工士のモチベーションアップにもつながります。
最近では、歯科技工士に技工物の試適・装着の現場に立ち会ってもらい、これまで以上に歯科技工士が当事者意識を持てるような取り組みを行っている歯科医院も増えてきています。
歯科技工士の立ち会いは、その場で歯の見え方や装着時の感触などを確認できるメリットがあり、より患者に寄り添った技工物を作成するヒントになるでしょう。
また、そういった機会を作る歯科医師や歯科技工士のきめ細やかな対応によって、患者の満足度も向上します。
すべての患者への立ち会いは難しいとしても、たとえば総入れ歯の試適・装着など繊細な確認が必要なケースは立ち会ってもらうなど、診療内容によって立ち合いの有無を決めていけばよいかもしれません。
歯科技工所とも相談のうえ、歯科技工士との連携を強化してみてはいかがでしょうか。
※本記事の記載内容は、2022年8月現在の法令・情報等に基づいています。
技工物である差し歯や銀歯などの『補綴物』や、入れ歯などの『義歯』は、歯科医師が患者の歯の型取りを行い、歯科技工士が製作を担当します。
精度の高い技工物とは、患者の歯にフィットし、天然の歯の噛み心地を再現しているものといえます。
そして、精度の高い技工物が評判となり、患者を集めている歯科医院も少なくありません。
では、技工物の精度を高めるには、何が必要なのでしょうか。
歯科医師の技工物に対する考え方や歯科技工士の得意分野もそれぞれ異なるため、双方がお互いの特徴を把握したうえで作業を進めていかないと、精度の高い技工物が完成しません。
つまり、精度の高い技工物を作るうえで大切なのは、歯科医師と歯科技工士の連携なのです。
歯科技工士は通常、歯科技工所に所属しており、歯科医師は必要に応じて外部の歯科技工所に技工物の製作を発注します。
発注を受けた歯科技工士は、歯科医師の指示書を基に技工物を作り始めます。
このとき患者の歯の状態によっては何度もやり取りを繰り返さなければならないことがあり、密に連絡が取れずに連携が不十分だと、患者の歯にフィットする精度の高い技工物ができあがらない可能性があります。
特に噛み合わせ治療などは、歯科医師と歯科技工士の連携が求められるため、双方のコミュニケーションが大切です。
歯科技工士が治療の場に参加するメリット
歯科医師と歯科技工士の連携を強化するには、まず、双方の意思疎通がスムーズに行える環境の整備が必要です。
たとえば、一部の医療法人では、歯科技工所を自ら運営したり、歯科医院で歯科技工士を雇用したりと、歯科医師と歯科技工士が直接やり取りできるような体制を整えている医院もあります。
しかし、このような歯科医院はまだ少なく、特に個人経営の歯科医院では、外部の歯科技工所へ発注するのが一般的です。
そこで、外部の歯科技工所との連携強化を助けてくれるのが、近年発達してきたビジネス系のチャットツールです。
1点ものである技工物は、歯科医師から歯科技工士への指示はもちろん、歯科技工士から歯科医師への確認や連絡も頻繁に発生します。
昨今では、電話やメールなどではすぐに連絡が取れるとは限らないため、ChatworkやLINE WORKSなどのビジネスチャットツールを併用することで、タイムラグを発生させることなく、スピーディーな情報共有が実現できます。
ビジネスチャットツールであれば、写真などの視覚情報も即座に共有できるため、認識の齟齬が起きづらいといえます。
また、患者の情報には個人情報が多分に含まれるため、セキュリティのあるビジネスチャットツールを選び、定期連絡と緊急性の高い場合とで連絡手段を複数用意するなど、仕組みづくりも必要です。
厚生労働省の『歯科技工士の業務のあり方等に関する検討会』では、歯科医師と歯科技工士の間を結ぶICT(情報通信技術)の活用はもちろん、患者に技工物が試適・装着された際の状況を歯科技工士へフィードバックができる仕組みづくりや、歯科技工士が歯科医療機関の臨床現場で研修を受ける制度など、さまざまな環境整備を提言しています。
歯科技工士が技工物を納品して終わりにするのではなく、実際に技工物を装着した患者の意見を歯科技工士にフィードバックすることが、歯科技工士のモチベーションアップにもつながります。
最近では、歯科技工士に技工物の試適・装着の現場に立ち会ってもらい、これまで以上に歯科技工士が当事者意識を持てるような取り組みを行っている歯科医院も増えてきています。
歯科技工士の立ち会いは、その場で歯の見え方や装着時の感触などを確認できるメリットがあり、より患者に寄り添った技工物を作成するヒントになるでしょう。
また、そういった機会を作る歯科医師や歯科技工士のきめ細やかな対応によって、患者の満足度も向上します。
すべての患者への立ち会いは難しいとしても、たとえば総入れ歯の試適・装着など繊細な確認が必要なケースは立ち会ってもらうなど、診療内容によって立ち合いの有無を決めていけばよいかもしれません。
歯科技工所とも相談のうえ、歯科技工士との連携を強化してみてはいかがでしょうか。
※本記事の記載内容は、2022年8月現在の法令・情報等に基づいています。