ペーパーレス化のための『電子カルテ』導入ガイド
電子カルテとは、従来の紙のカルテに記されていた患者の症状や治療経過などの診療情報を、電子情報に置き換え、電子データとして閲覧や管理・編集できる医療システムです。
現在はクラウド型の電子カルテも普及しており、新規開業した病院の多くが導入しています。
大病院でも、紙のカルテから電子カルテへの置き換えが進んでいます。
一方、中小規模の病院や診療所では、まだ紙のカルテを活用されている状況ですが、切り替えを検討しているところもあるようです。
今回は、一般的な電子カルテのシステムや導入するメリット、デメリットを解説します。
現在はクラウド型の電子カルテも普及しており、新規開業した病院の多くが導入しています。
大病院でも、紙のカルテから電子カルテへの置き換えが進んでいます。
一方、中小規模の病院や診療所では、まだ紙のカルテを活用されている状況ですが、切り替えを検討しているところもあるようです。
今回は、一般的な電子カルテのシステムや導入するメリット、デメリットを解説します。
ペーパーレス化して業務の効率を上げる
医療業界のIT化は1970年代から始まっており、70年代初頭には診療報酬を請求するレセプト(診療報酬明細書)を作成するためのレセプトコンピューター、通称レセコンが誕生しました。
現在、大きく普及しているレセコンに対し、医療情報を取り扱う電子カルテが誕生したのは、1999年です。
これまで紙で管理されていたカルテが電子的に保存できるようになったことで、医療現場は大きなメリットを得られるようになりました。
電子カルテ導入のメリットとして、まず業務の効率化が挙げられます。
電子カルテは、過去の診療なども容易に辿ることができ、現状の把握も容易なため、スムーズに前任の医師から診療内容を引き継ぐことが可能です。
手書きのカルテでは、医師の書き文字の癖などから間違った情報が伝わってしまうなどのミスもありました。
しかし、電子カルテであればデータの閲覧や検索が迅速に行えますし、カルテ自体の管理がしやすくなるため、これらのミスも大幅に減らすことができます。
診断書や紹介状などをテンプレート入力で作成できる製品もあり、入力支援機能などを使うと、さらに書類作成の手間が削減できます。
また、電子カルテの画面を見せながら説明することで、患者側の理解も早まりますし、予約システムと連携することで、予約や受付業務も簡略化できます。
電子カルテとレセコンを連携させれば、レセプトを作成する際の診療情報を、わざわざ入力する必要がなくなります。
患者にとっても、電子カルテの導入で受付時間の短縮ができれば喜ばしいことです。
ほかにも、保管スペースが削減できたり、クラウド保存によって災害や機械の故障によるデータ紛失リスクに備えられるといったメリットも考えられます。
習得期間やコスト面などのデメリット
一方で、電子カルテの導入にはデメリットも存在します。
まず、電子カルテのデメリットは、使いこなすのにある程度の慣れが必要だということです。
医師により、デジタル機器の扱いに得手不得手があり、それが診療の質の差になってしまう可能性もあります。
スタッフにも使い方を学んでもらわなければいけないため、研修や試験導入期間を考慮したうえで、導入計画の策定が必要になります。
また、機種やサービスごとに使い方も異なるため、システムにアップデートが入ったりすると、そのあとに使いこなせるまで時間がかかる人もいるでしょう。
ほかにも、ハッキングをうける危険性があることや、従来の紙のカルテを電子化する手間や運用コスト、停電時に使用できなくなるなどのデメリットがあります。
電子カルテは種類も多く、さまざまな会社からリリースされているため、レセコンとの連動性やサポート体制、文字をデータ化するOCR(光学的文字認識)機能の有無、その他のオプション、コスト、使いやすさ(UI)などを選ぶ際の判断材料にし、自院にあうものを選びましょう。
もし、電子カルテを導入するのであれば、これらのメリットとデメリットを踏まえつつ、必要性に合わせて導入していくことが重要です。
※本記事の記載内容は、2022年7月現在の法令・情報等に基づいています。
医療業界のIT化は1970年代から始まっており、70年代初頭には診療報酬を請求するレセプト(診療報酬明細書)を作成するためのレセプトコンピューター、通称レセコンが誕生しました。
現在、大きく普及しているレセコンに対し、医療情報を取り扱う電子カルテが誕生したのは、1999年です。
これまで紙で管理されていたカルテが電子的に保存できるようになったことで、医療現場は大きなメリットを得られるようになりました。
電子カルテ導入のメリットとして、まず業務の効率化が挙げられます。
電子カルテは、過去の診療なども容易に辿ることができ、現状の把握も容易なため、スムーズに前任の医師から診療内容を引き継ぐことが可能です。
手書きのカルテでは、医師の書き文字の癖などから間違った情報が伝わってしまうなどのミスもありました。
しかし、電子カルテであればデータの閲覧や検索が迅速に行えますし、カルテ自体の管理がしやすくなるため、これらのミスも大幅に減らすことができます。
診断書や紹介状などをテンプレート入力で作成できる製品もあり、入力支援機能などを使うと、さらに書類作成の手間が削減できます。
また、電子カルテの画面を見せながら説明することで、患者側の理解も早まりますし、予約システムと連携することで、予約や受付業務も簡略化できます。
電子カルテとレセコンを連携させれば、レセプトを作成する際の診療情報を、わざわざ入力する必要がなくなります。
患者にとっても、電子カルテの導入で受付時間の短縮ができれば喜ばしいことです。
ほかにも、保管スペースが削減できたり、クラウド保存によって災害や機械の故障によるデータ紛失リスクに備えられるといったメリットも考えられます。
習得期間やコスト面などのデメリット
一方で、電子カルテの導入にはデメリットも存在します。
まず、電子カルテのデメリットは、使いこなすのにある程度の慣れが必要だということです。
医師により、デジタル機器の扱いに得手不得手があり、それが診療の質の差になってしまう可能性もあります。
スタッフにも使い方を学んでもらわなければいけないため、研修や試験導入期間を考慮したうえで、導入計画の策定が必要になります。
また、機種やサービスごとに使い方も異なるため、システムにアップデートが入ったりすると、そのあとに使いこなせるまで時間がかかる人もいるでしょう。
ほかにも、ハッキングをうける危険性があることや、従来の紙のカルテを電子化する手間や運用コスト、停電時に使用できなくなるなどのデメリットがあります。
電子カルテは種類も多く、さまざまな会社からリリースされているため、レセコンとの連動性やサポート体制、文字をデータ化するOCR(光学的文字認識)機能の有無、その他のオプション、コスト、使いやすさ(UI)などを選ぶ際の判断材料にし、自院にあうものを選びましょう。
もし、電子カルテを導入するのであれば、これらのメリットとデメリットを踏まえつつ、必要性に合わせて導入していくことが重要です。
※本記事の記載内容は、2022年7月現在の法令・情報等に基づいています。