社会保険労務士法人なか/労働保険事務組合福働会/福働会中部支部

専門的な知識・技能習得のために職業訓練を実施した事業主を助成!

21.09.07
ビジネス【助成金】
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人材育成に積極的に取り組むことは、従業員の能力向上やキャリア形成につながるほか、従業員の職場への定着、ひいては企業経営の安定化にも寄与すると考えられます。
そして、このような取り組みを強く後押しするのが、『人材開発支援助成金』です。
この助成金は、従業員の職務に関連する専門的な知識・技能習得のための職業能力開発計画を立て、計画に沿って実施した事業主等を支援する制度です。
今回は、人材開発支援助成金のうち『特定訓練コース・一般訓練コース』を紹介します。
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人材開発支援助成金(特定訓練コース・一般訓練コース)

【コースの概要】
1. 特定訓練コース
雇用する正社員に対して、若年者に対する訓練、労働生産性の向上に資する訓練など、10時間以上の特定の訓練や、OJTとOFF-JTを効果的に組み合わせた訓練(雇用型訓練)として厚生労働大臣の認定を受けた訓練を実施した場合に、訓練経費や訓練期間中の賃金の一部が助成されます。
※『OJT』とは、適格な指導者による指導のもとで、企業内の事業活動のなかで実施する実習訓練のこと。『OFF-JT』とは、企業の事業活動(通常の業務・生産ライン)と区別して実施する座学・実技訓練のこと。

訓練は、内容や実施目的などに応じて以下のように区分されています。
各区分について細かな要件が設定されていますが、ここでは割愛します。

<OFF-JTにより行われる訓練>
●労働生産性向上訓練:労働生産性の向上に資する訓練
●若年人材育成訓練:雇用契約締結後5年を経過していない35歳未満の若年者を対象とする訓練
●熟練技能育成・承継訓練:熟練技能者の指導力強化や技能承継のための訓練、認定職業訓練
●グローバル人材育成訓練:海外事業拠点での事業展開、海外への販路開拓、販売網の拡大、輸出などの、海外展開等の関連業務に従事する従業員に対する訓練

<OJTとOFF-JTを効果的に組み合わせて実施する訓練>
●特定分野認定実習併用職業訓練:事前に厚生労働大臣の認定を受けた実習併用職業訓練(認定実習併用職業訓練)のうち、建設業、製造業、情報通信業に関する訓練、および訓練後にジョブ・カードによる職業能力の評価を実施
●認定実習併用職業訓練:認定実習併用職業訓練、および訓練後にジョブ・カードによる職業能力の評価を実施

2. 一般訓練コース
雇用する正社員に対して、特定訓練コース以外の、職務に関連した専門的な知識および技能を習得させるための職業訓練等を20時間以上、事業主もしくは事業主団体等が実施する場合に助成されます。

【主な対象事業主】
次のすべての要件を満たす必要があります(このほかにも要件があります)。
(1)雇用保険適用事業所の事業主であること。
(2)事業内職業能力開発計画およびこれに基づく年間職業能力開発計画を作成し、その計画の内容を労働者に周知していること。
(3)職業能力開発推進者を選任していること。

【主な支給対象労働者】
次のすべての要件を満たす必要があります(このほかにも要件があります)。
(1)助成金を受けようとする事業所または事業主団体等が実施する訓練等を受講させる事業主の事業所において、被保険者であること。
(2)訓練実施期間中において、被保険者であること。
(3)訓練実施計画届時に提出した『訓練別の対象者一覧』に記載のある被保険者であること。
(4)訓練を受講した時間数が、実訓練時間数の8割以上であること。

【対象となる訓練等】
<OFF-JT訓練>
以下のいずれかにより実施されるOFF-JTが対象となります。
(1)事業内訓練
●自社で企画・主催・運営する訓練計画により、社外より招へいする部外講師、もしくは要件を満たす自社従業員である部内講師により行われる訓練
●事業主が自ら運営する認定職業訓練
(2)事業外訓練
社外の教育訓練機関に受講料を支払い受講させる訓練等

<OJT訓練>
大臣認定を受けた実習併用職業訓練の計画に沿って、適格な指導者のもとで計画的に行われるOJTが対象となります。

【対象となる経費等】
<対象となる経費>
以下の経費が支給対象となります。
(1)事業内訓練
部外の講師への謝金・手当、部外の講師の旅費、施設・設備の借上費、学科や実技の訓練に必要な教科書等の購入・作成費
(2)事業外訓練
受講に際して必要となる入学料・受講料・教科書代等、あらかじめ受講案内等で定めているもの

<対象となる賃金>
訓練期間中の所定労働時間内の賃金について、賃金助成の対象となります。

【助成額・助成率】
中小企業の場合、コースごとの助成額・助成率は以下のようになります(それぞれ上限あり)。
なお、( )内の額は生産性の向上が認められる場合の金額です。
1. 特定訓練コース
●OFF-JTの賃金助成:1人1時間あたり760円(960円)※雇用型訓練のみ
●OJTの実施助成:1人1時間あたり665円(840円)
●経費助成:対象経費の45%(60%)

2. 一般訓練コース
●OFF-JTの賃金助成:1人1時間あたり380円(480円)
●経費助成:対象経費の30%(45%)

なお、この助成金には、これ以外にも細かい支給要件がございますので、詳細は厚生労働省ホームページをご確認ください。

出典:厚生労働省ホームページ
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyou/kyufukin/d01-1.html


※本記事の記載内容は、2021年9月現在の法令・情報等に基づいています。