社会保険労務士法人なか/労働保険事務組合福働会/福働会中部支部

男性の美意識が上昇中の今、メンズ美容で集客をアップ

21.08.03
業種別【美容業】
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ひと昔前までは、メイクは女性がするものという固定観念がありました。
しかし最近では、男性向け美容市場が急速に拡大しています。
なぜ今、男性の美意識は高まり、男性用コスメやメイクが注目されているのでしょうか。
その理由をヒントに、自店のメニューに 『メンズ美容』を取り入れる方法を考えていきます。
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なぜ『メンズ美容』の市場価値が高まったのか

第4次韓流ブームといわれる今、BTSやSEVENTEENなどのK-POPアーティストが、日本の若者男性たちの美容アイコンとなっています。

日本でも、男性芸人がメイクやネイルをしたり、男性アイドルが美容皮膚科やエステに通ったりすることが、もはやめずらしいことではなくなってきました。
また、メンズ雑誌では、 “ビューティー企画”が展開され、ヘアアレンジだけでなく、最新スキンケア商品などが紹介されています。
職業や年齢に関係なく、男性の美容に関する意識は10年前よりも格段に上がっているのです。

“モテるため身なりに気を遣う”という考えは、もはやひと昔前の定義。
令和時代に、メンズ美容が定番化されつつある背景には、“身だしなみを整える=自分らしさの開拓”という考え方があります。
身なりに気を遣うことは、今や学生も社会人もマナーとして当然のことなのです。

おそらくそこには、コロナ禍の影響による新たな生活様式も関係しているのでしょう。
たとえば、これまで男性は普段の生活のなかで、朝の洗顔やトイレなど洗面所を使用する以外で自分の顔と対面する機会はあまりなかったかもしれません。
しかし最近では、リモートワークやリモート授業も増え、PCやスマホの画面に映る自分の顔と向き合う時間が増えてきました。
また、SNSやLINEなどで、自分の写真や動画を目にする機会も増えたはずです。

今まで気にならなかった自分の顔に不満を感じたり、見る側によりよい印象を与えたいと感じた人が、メンズ美容に注目しはじめたといえます。
今やメンズ美容は、経営に取り入れるのが難しいカテゴリーではなく、今後ますます成長が望める期待の市場となっているのです。


男性客獲得のコツと喜ばれるサービス

男性客の場合、女性客に比べてリピート率が高いといわれています。
理由は、ほとんどの男性が、訪れたサロンに対して“事前の期待がないぶん大きな不満もない”からです。
来店までのハードルに関しても、サービスや施術内容、スタッフや店内の雰囲気など、店を決めるまでのチェック項目は多くないので、そのぶん、初回客として獲得できるかどうかが重要になります。

今はまだ、積極的にメンズ美容を打ち出し、集客対策を行っているサロンはまださほど多くありません。
メンズ美容は女性向けよりも比較的簡単に、さらに低予算で収まるため、メニューに取り入れやすいともいえるでしょう。

まず集客の面では、「サロンに行きづらい」と感じている男性客をターゲットに考えてみます。
たとえば、自店のホームページ内に、メンズ美容に特化した企画を展開したり、SNSを活用して男性スタッフが自身の美容について発信したりするのも効果的です。
ポイントは、情報量を絞り、シンプルに分かりやすく伝えること
また、美容初心者にもわかりやすいテーマを選ぶことも忘れてはいけません。
すでに美容に興味を持っている男性客はもちろん、これまで自分の見た目にこだわりがなかった“見込み顧客”を獲得するためにも、PR内容はとても重要です。
また、発信頻度を高くすることも大切です。

女性よりも髪を切るサイクルが短い男性客は、来店頻度も比較的多く、定着率も高いといえます。
来店したお客には、一緒に鏡を見ながらスキンケアについて教えたり、眉毛カットをすることによる印象の変化などについてもアドバイスするとよいでしょう。
特に、抜け毛・薄毛などの悩みを抱える人には、美容だけでなく健康の観点からアドバイスをすると、スタイリストへの信頼感が生まれやすくなります。
また、男性は日常的にスタイリング剤を使うことが多いため、カットの仕上げには、店舗オリジナルの商品を使ったスタイリングをサービスすると、プライベートブランド商品の購入にも結び付く可能性があります。


ほかでは話せない悩みの受け口になろう

SNS世代の若い男性のなかには、写真や動画に映る自分をより美しく、カッコよく見せるために“自撮り映え”するコスメに詳しい人も増えています。
そんな時代に、美容のプロであるサロンスタッフのほうが知識不足ということでは、信用度が下がってしまいます。
常に世の中の男性美容に注目し、最近の男性はどのようなことで悩んでいるのか、どのようなコスメが流行っているのかをリサーチしておきましょう。

また、清潔感のある印象と頼りがいのある表情を演出するため、日常的にアイブロウを使う男性も増えています。
髭そりだけでなく、眉毛カットとアイブロウのテクニックをアドバイスできるスタッフがいると、新たな顧客開拓につながるかもしれません。
ミドル世代をターゲットにするサロンでは、肌のシミ・そばかすを隠して若々しくみせる、男性向けコンシーラーの使い方も押さえておくとよいでしょう。

男性は、美容に関する悩みや興味があっても、相談できる場所がないことがほとんどです。
まずは相談に乗るだけでも、とても喜ばれるでしょう。
「メイクに興味はあるけれど、チャレンジしたことがない」という男性客に明るい印象になるようなメイクをするのも、新しいサービスとして有効です。

これまでなかったサービスや方針を取り入れる際には、施術や売上に関してしっかり学ぶとともに、どうすればそのメニューをレギュラーとして取り組んでいけるかなどについても考えていきましょう。


※本記事の記載内容は、2021年8月現在の法令・情報等に基づいています。