いま注目のヴィーガン(完全菜食主義者)とは?
海外セレブを発信源に、近年では日本でも定着している『ヴィーガン(完全菜食主義者)』という単語。
菜食主義者という言葉は昔からありましたが、それとは少し意味合いが違います。
若い層を中心に広まっているこのヴィーガン、そもそもどのような人たちのことをいい、なぜ注目を集めているのでしょうか?
その理由と、日本ではどんなメニューが展開されているのかなどについて探ってみましょう。
菜食主義者という言葉は昔からありましたが、それとは少し意味合いが違います。
若い層を中心に広まっているこのヴィーガン、そもそもどのような人たちのことをいい、なぜ注目を集めているのでしょうか?
その理由と、日本ではどんなメニューが展開されているのかなどについて探ってみましょう。
動物の命を守る! ヴィーガンが増加中
昨今よく耳にする、ヴィーガンという言葉。
実はヴィーガンは、野菜や豆類など植物性の食事をとる『ベジタリアン(菜食主義者)』とは異なります。
いずれも、海外のスーパーモデルやハリウッドスターなどが、食生活として取り入れはじめたことをきっかけに、認知度が高まりました。
特に欧米では食生活と健康の深い結びつきについて大きく取沙汰されたことも追い風になっています。
ベジタリアンは、基本的に動物性原材料を含む食品は食べませんが、卵や乳製品は口にします。
一方のヴィーガンは、ベジタリアンより厳格な食生活を徹底しています。
卵や乳製品をはじめ、すべての動物性食品を排除し、当然、牛や豚、鳥、魚など、またそれらを使ったスープなども一切食べません。
ヴィーガンの歴史は意外と浅く、1944年イギリスで『ヴィーガン協会』が創設されたのが始まりです。
その際に、協会内で肉や魚はもちろん、動物由来の加工品や添加物などを一切摂取しないという食事法が確立されました。
このなかには、できる限り動物を搾取せず、その命を尊重して、犠牲を強いることのないよう生きるライフスタイルが定義されています。
たとえば、はちみつは一見動物性食品ではないように思えますが、はちみつを口にすることは、ヴィーガンの定義には反します。
蜂そのものの命を犠牲にはしていませんが、『その労働を搾取している=動物が犠牲となっている』という考えのもと、食べることはNGになるのです。
はちみつの代用品としては、よくメープルシロップや水あめが使われています。
さらに、日常的によく使われる白砂糖や、ゼリーなどに使われるゼラチンもNG。
白砂糖は、精製の工程で動物の骨炭が使われており、ゼラチンの原料は主に豚の皮と骨であるためです。
このように、突き詰めると私たちが日々口にしているものは、動物たちの犠牲がある上で成り立っていることも事実です。
健康意識だけでなく、環境問題への配慮も、ヴィーガンが増えている要因といえそうです。
さまざまな立場の人に優しいヴィーガン料理
日本でもヴィーガン料理を提供するレストランやカフェが登場しています。
通常のパンに含まれる牛乳由来の原材料を一切使用せず、ハンバーガーなどの手軽に食べられるものであっても、ヴィーガン向けに専用メニューを置く店が続々とオープンしました。
そういった店では、調味料や添加物、味付けのソース類などについても、すべてヴィーガン仕様に変更されています。
一般的には、動物性原材料を省いたヴィーガン料理と聞くと、普段の料理と比べて作るのが難しそう、味気がなくなりそうなど、後ろ向きのイメージもあるでしょう。
しかし最近では、代用品の使い方などのノウハウも増えてきているため、新たにメニューに取り入れることの敷居が低くなっています。
たとえば、日本らしい出汁を使った料理に、カツオのかわりにシイタケを使ったものもあれば、意外なことに乾燥トマトで和風出汁をとることも可能です。
工夫しだいで和洋食どんなジャンルでも対応できるヴィーガン料理は、健康を気にする人、宗教的な背景を持つ外国人などのあらゆる立場の人に対して、優しい一皿といえるのではないでしょうか。
一方で、飲食店でヴィーガンメニューを提供する際に注意したいのは、意図しない動物性原材料の混入です。
肉や魚を切ったまな板や包丁は、ヴィーガン料理に取り掛かる際は、しっかり洗浄する必要があります。
それが難しい場合には、混入の可能性や同じ調理器具を使用していることをメニューに表記するなどして、お客に伝えておくとトラブル防止になります。
調理資格は特にありませんが、NPO法人ベジプロジェクトジャパンが発行する『ベジタリアン・ヴィーガン認証マーク』を取得しておくと、ヴィーガン志向の人たちに向けてのアピールにもつながるでしょう。
世界的にみても菜食主義者が多いといわれるドイツ・ベルリンでは、よく、街の飲食店で通常メニューと並列して、ヴィーガン対応メニューが提供されています。
食の好みとして菜食主義を貫く人、動物愛護や環境問題のために肉食を止めた人、また宗教上の理由で動物性の食材を食べない人など、移民の多い社会的背景のもと、多様性を認めるという観点でも、ヴィーガン対応メニューは必要とされているのです。
多くの外国人が働くようになってきた日本でも、いずれは対応が求められるようになるかもしれません。
最近では、ヴィーガンでもジャンクフードを楽しみたい人たちのために、新たなジャンクメニューが開発されるなど、世界的にムーブメントが高まっています。
ぜひ、一歩先を行くヴィーガン文化について、学んでみてはいかがでしょうか。
※本記事の記載内容は、2021年3月現在の法令・情報等に基づいています。
昨今よく耳にする、ヴィーガンという言葉。
実はヴィーガンは、野菜や豆類など植物性の食事をとる『ベジタリアン(菜食主義者)』とは異なります。
いずれも、海外のスーパーモデルやハリウッドスターなどが、食生活として取り入れはじめたことをきっかけに、認知度が高まりました。
特に欧米では食生活と健康の深い結びつきについて大きく取沙汰されたことも追い風になっています。
ベジタリアンは、基本的に動物性原材料を含む食品は食べませんが、卵や乳製品は口にします。
一方のヴィーガンは、ベジタリアンより厳格な食生活を徹底しています。
卵や乳製品をはじめ、すべての動物性食品を排除し、当然、牛や豚、鳥、魚など、またそれらを使ったスープなども一切食べません。
ヴィーガンの歴史は意外と浅く、1944年イギリスで『ヴィーガン協会』が創設されたのが始まりです。
その際に、協会内で肉や魚はもちろん、動物由来の加工品や添加物などを一切摂取しないという食事法が確立されました。
このなかには、できる限り動物を搾取せず、その命を尊重して、犠牲を強いることのないよう生きるライフスタイルが定義されています。
たとえば、はちみつは一見動物性食品ではないように思えますが、はちみつを口にすることは、ヴィーガンの定義には反します。
蜂そのものの命を犠牲にはしていませんが、『その労働を搾取している=動物が犠牲となっている』という考えのもと、食べることはNGになるのです。
はちみつの代用品としては、よくメープルシロップや水あめが使われています。
さらに、日常的によく使われる白砂糖や、ゼリーなどに使われるゼラチンもNG。
白砂糖は、精製の工程で動物の骨炭が使われており、ゼラチンの原料は主に豚の皮と骨であるためです。
このように、突き詰めると私たちが日々口にしているものは、動物たちの犠牲がある上で成り立っていることも事実です。
健康意識だけでなく、環境問題への配慮も、ヴィーガンが増えている要因といえそうです。
さまざまな立場の人に優しいヴィーガン料理
日本でもヴィーガン料理を提供するレストランやカフェが登場しています。
通常のパンに含まれる牛乳由来の原材料を一切使用せず、ハンバーガーなどの手軽に食べられるものであっても、ヴィーガン向けに専用メニューを置く店が続々とオープンしました。
そういった店では、調味料や添加物、味付けのソース類などについても、すべてヴィーガン仕様に変更されています。
一般的には、動物性原材料を省いたヴィーガン料理と聞くと、普段の料理と比べて作るのが難しそう、味気がなくなりそうなど、後ろ向きのイメージもあるでしょう。
しかし最近では、代用品の使い方などのノウハウも増えてきているため、新たにメニューに取り入れることの敷居が低くなっています。
たとえば、日本らしい出汁を使った料理に、カツオのかわりにシイタケを使ったものもあれば、意外なことに乾燥トマトで和風出汁をとることも可能です。
工夫しだいで和洋食どんなジャンルでも対応できるヴィーガン料理は、健康を気にする人、宗教的な背景を持つ外国人などのあらゆる立場の人に対して、優しい一皿といえるのではないでしょうか。
一方で、飲食店でヴィーガンメニューを提供する際に注意したいのは、意図しない動物性原材料の混入です。
肉や魚を切ったまな板や包丁は、ヴィーガン料理に取り掛かる際は、しっかり洗浄する必要があります。
それが難しい場合には、混入の可能性や同じ調理器具を使用していることをメニューに表記するなどして、お客に伝えておくとトラブル防止になります。
調理資格は特にありませんが、NPO法人ベジプロジェクトジャパンが発行する『ベジタリアン・ヴィーガン認証マーク』を取得しておくと、ヴィーガン志向の人たちに向けてのアピールにもつながるでしょう。
世界的にみても菜食主義者が多いといわれるドイツ・ベルリンでは、よく、街の飲食店で通常メニューと並列して、ヴィーガン対応メニューが提供されています。
食の好みとして菜食主義を貫く人、動物愛護や環境問題のために肉食を止めた人、また宗教上の理由で動物性の食材を食べない人など、移民の多い社会的背景のもと、多様性を認めるという観点でも、ヴィーガン対応メニューは必要とされているのです。
多くの外国人が働くようになってきた日本でも、いずれは対応が求められるようになるかもしれません。
最近では、ヴィーガンでもジャンクフードを楽しみたい人たちのために、新たなジャンクメニューが開発されるなど、世界的にムーブメントが高まっています。
ぜひ、一歩先を行くヴィーガン文化について、学んでみてはいかがでしょうか。
※本記事の記載内容は、2021年3月現在の法令・情報等に基づいています。