内定辞退者へのベストな対応と内定辞退率を下げる施策
近年、新卒の学生は複数の企業から内定をもらうのが当たり前になっており、就職を決意した1社以外の企業には、内定辞退を申し入れることになります。
採用担当者にしてみれば、採用には膨大なコストや労力を割いているわけですから、ショックを受けることもあるでしょう。
しかし、だからといって相手を怒ったり脅したりするのは、言語道断です。
内定辞退を受けた際にはどんな対応がベストなのか、そして、どうすれば内定辞退者が減るのかを考察します。
採用担当者にしてみれば、採用には膨大なコストや労力を割いているわけですから、ショックを受けることもあるでしょう。
しかし、だからといって相手を怒ったり脅したりするのは、言語道断です。
内定辞退を受けた際にはどんな対応がベストなのか、そして、どうすれば内定辞退者が減るのかを考察します。
感情的になるのはNG。内定辞退者もお客様!
2019年、就活生に向けて、内定辞退時の手紙の書き方などを指南した『内定辞退セット』が売り出され、大ヒットしました。
このヒットの裏には、内定者が企業の採用担当者に“恐怖”の感情を抱いていることが表れています。
企業にしてみれば、採用のための準備を何カ月も行い、多ければ何十人という入社希望者の選考を重ね、費用をかけ、ようやく数名に絞り込んで決定した内定です。
自社の魅力を理解してもらい、優秀な人材が入社してくれると思っていたのに辞退されるのは、肩透かしを食らわされたことになります。
これまでコミュニケーションを重ね、コストや労力をかけてきたのはなんだったのか。
採用担当者や経営者は当然、怒りも湧いてくると思います。
しかし、そこで内定辞退者に対して、文句を言ったり、怒ったり、食い下がって無理やりに交渉を迫ったりしてはいけません。
ましてや、脅したり、恫喝したりすることは許されません。
就活生が経験した内定辞退時のエピソードには、「採用にかかった費用を支払え」「他社に就職できなくしてやる」など、企業側に脅された話などもあると聞きます。
それは明らかな犯罪であり、そんなことをした会社だという噂もあっという間に広まり、会社全体のイメージダウンにつながります。
採用担当者は、会社の“顔”でもあるのです。
では、内定辞退者に対し、どのような対応をすればよいのでしょうか。
内定辞退の申し入れがあった場合には、まず怒らずにその理由を聞きましょう。
なぜ入社を決めたのが自社ではなかったのか、どこが希望と合わないと感じたのかを真摯にヒアリングし、次の採用に役立てるくらいの度量が必要です。
そして、最後は内定辞退者を気持ちよく送り出してあげましょう。
就活生といっても、一ユーザーであり、『お客様』であることには変わりありません。
今後、自社の商品を購入してくれる可能性がある、もしくは取引先の社員になる可能性もゼロではないので、少しでも印象をよくしておいたほうが会社のためにもなります。
また、優秀な採用担当者は、内定を辞退して他社に就職した学生と定期的に連絡を取り、その後もケアを続けるといいます。
社会人の先輩として信頼関係を勝ち取った結果、中途採用者として自社に来てくれたという話もあります。
これは、採用というものを長期的な視点で捉え、本当に必要な人材を自社に呼び込んだ成功例でもあります。
こまめな連絡やイベントで内定者の不安を解消
採用において、内定辞退者が出ないことが一番であることはいうまでもありません。
それでも辞退を申し込まれてしまうのは、なぜでしょうか。
就活生が内定辞退を申し出る原因の一つに、『不信感』があげられます。
採用試験や面接の段階で、求人票に書いてある内容と実情が食い違っていたり、面接官の態度が威圧的だったり、これから一緒に働くかもしれない社員の印象がよくなかったりすると、その会社では働きたくないと思われてしまいます。
また、内定が決まってから実際に働くことになるまで期間があるため、内定者が『不安』に陥ってしまうのも原因の一つです。
「本当に会社の役に立てるだろうか」「楽しく働けるだろうか」という思いがやがて不安に代わり、「今ならまだもっといい会社を探せるかもしれない」という焦りが、内定辞退につながってしまうのです。
内定者が抱くこれらの不信感や不安を拭い去るには、内定を出した後も、定期的に連絡を取ったり、会社で社員と会う時間をつくり、職場の空気を感じてもらったりといったフォローが大切になってきます。
懇親会を開催してもよいですし、インターンや研修の名目で会社に来てもらってもよいでしょう。
内定者が複数いるのであれば、内定者同士で親睦を深める場を作り、自分と同じ気持ちで入社を待っている仲間がいることを実感してもらうのも効果的です。
人材サービスを手掛けるパーソルキャリア株式会社では、内定者に目標を立ててもらうための社員を交えたワークショップを開催しています。
また、ソフトウェア開発会社のサイボウズ株式会社では、懇親会などのほか、内定者の保護者も参加可能な会社参観日などを設けて、内定者と会社の心理的な距離感を縮めるような、丁寧なフォローをしています。
内定を出してそのまま放置するのではなく、そこから入社までどうやって内定者をつなぎ止めておくか、入社を楽しみにしてもらえるかが、内定辞退者を出さないための大きな課題になってきています。
自社ならではの特色を活かし、どんな内定防止策ができるかを考えてみてはいかがでしょうか。
※本記事の記載内容は、2020年5月現在の法令・情報等に基づいています。
2019年、就活生に向けて、内定辞退時の手紙の書き方などを指南した『内定辞退セット』が売り出され、大ヒットしました。
このヒットの裏には、内定者が企業の採用担当者に“恐怖”の感情を抱いていることが表れています。
企業にしてみれば、採用のための準備を何カ月も行い、多ければ何十人という入社希望者の選考を重ね、費用をかけ、ようやく数名に絞り込んで決定した内定です。
自社の魅力を理解してもらい、優秀な人材が入社してくれると思っていたのに辞退されるのは、肩透かしを食らわされたことになります。
これまでコミュニケーションを重ね、コストや労力をかけてきたのはなんだったのか。
採用担当者や経営者は当然、怒りも湧いてくると思います。
しかし、そこで内定辞退者に対して、文句を言ったり、怒ったり、食い下がって無理やりに交渉を迫ったりしてはいけません。
ましてや、脅したり、恫喝したりすることは許されません。
就活生が経験した内定辞退時のエピソードには、「採用にかかった費用を支払え」「他社に就職できなくしてやる」など、企業側に脅された話などもあると聞きます。
それは明らかな犯罪であり、そんなことをした会社だという噂もあっという間に広まり、会社全体のイメージダウンにつながります。
採用担当者は、会社の“顔”でもあるのです。
では、内定辞退者に対し、どのような対応をすればよいのでしょうか。
内定辞退の申し入れがあった場合には、まず怒らずにその理由を聞きましょう。
なぜ入社を決めたのが自社ではなかったのか、どこが希望と合わないと感じたのかを真摯にヒアリングし、次の採用に役立てるくらいの度量が必要です。
そして、最後は内定辞退者を気持ちよく送り出してあげましょう。
就活生といっても、一ユーザーであり、『お客様』であることには変わりありません。
今後、自社の商品を購入してくれる可能性がある、もしくは取引先の社員になる可能性もゼロではないので、少しでも印象をよくしておいたほうが会社のためにもなります。
また、優秀な採用担当者は、内定を辞退して他社に就職した学生と定期的に連絡を取り、その後もケアを続けるといいます。
社会人の先輩として信頼関係を勝ち取った結果、中途採用者として自社に来てくれたという話もあります。
これは、採用というものを長期的な視点で捉え、本当に必要な人材を自社に呼び込んだ成功例でもあります。
こまめな連絡やイベントで内定者の不安を解消
採用において、内定辞退者が出ないことが一番であることはいうまでもありません。
それでも辞退を申し込まれてしまうのは、なぜでしょうか。
就活生が内定辞退を申し出る原因の一つに、『不信感』があげられます。
採用試験や面接の段階で、求人票に書いてある内容と実情が食い違っていたり、面接官の態度が威圧的だったり、これから一緒に働くかもしれない社員の印象がよくなかったりすると、その会社では働きたくないと思われてしまいます。
また、内定が決まってから実際に働くことになるまで期間があるため、内定者が『不安』に陥ってしまうのも原因の一つです。
「本当に会社の役に立てるだろうか」「楽しく働けるだろうか」という思いがやがて不安に代わり、「今ならまだもっといい会社を探せるかもしれない」という焦りが、内定辞退につながってしまうのです。
内定者が抱くこれらの不信感や不安を拭い去るには、内定を出した後も、定期的に連絡を取ったり、会社で社員と会う時間をつくり、職場の空気を感じてもらったりといったフォローが大切になってきます。
懇親会を開催してもよいですし、インターンや研修の名目で会社に来てもらってもよいでしょう。
内定者が複数いるのであれば、内定者同士で親睦を深める場を作り、自分と同じ気持ちで入社を待っている仲間がいることを実感してもらうのも効果的です。
人材サービスを手掛けるパーソルキャリア株式会社では、内定者に目標を立ててもらうための社員を交えたワークショップを開催しています。
また、ソフトウェア開発会社のサイボウズ株式会社では、懇親会などのほか、内定者の保護者も参加可能な会社参観日などを設けて、内定者と会社の心理的な距離感を縮めるような、丁寧なフォローをしています。
内定を出してそのまま放置するのではなく、そこから入社までどうやって内定者をつなぎ止めておくか、入社を楽しみにしてもらえるかが、内定辞退者を出さないための大きな課題になってきています。
自社ならではの特色を活かし、どんな内定防止策ができるかを考えてみてはいかがでしょうか。
※本記事の記載内容は、2020年5月現在の法令・情報等に基づいています。