リース契約の種類と損金(経費)の関係とは?
企業が機械設備等を導入する際、中長期にわたってリース会社と契約して借りる場合があります。
実は、リース契約と一口にいっても、その契約内容によって会計処理の仕方が異なります。
税法上の経費、つまり損金に算入される金額に影響を及ぼすため、決算や法人税の計算にも関係してきます。
今回は、一括りにはできない異なる種類のリース契約について、その種類と損金(経費)の関係についてみていきましょう。
実は、リース契約と一口にいっても、その契約内容によって会計処理の仕方が異なります。
税法上の経費、つまり損金に算入される金額に影響を及ぼすため、決算や法人税の計算にも関係してきます。
今回は、一括りにはできない異なる種類のリース契約について、その種類と損金(経費)の関係についてみていきましょう。
リースの種類は契約書で確認しよう
リース契約は、その契約内容により会計処理が異なります。
支払ったリース料は、税法上どのように損金(経費)となり、法人税にどのように影響するのでしょうか。
まずはそれを知るために、リース契約の際の契約書を確認する必要があります。
リース契約の種類は第1段階として、
(1)ファイナンスリース
(2)オペレーティングリース
の2つに大別されます。
まず、(1)のファイナンスリースに該当する要件が載っているかどうかを確認します。
(1)ファイナンスリースの要件とは、
・ノンキャンセラブル(中途解約禁止など)
・フルペイアウト(リース料総額≒その資産の取得価額×90%など)
の2つです。
いずれも満たしている場合には、(1)ファイナンスリースに該当します。
なお、リース期間中に解約が可能な場合であっても、解約の際に未経過リース料のおおむね全部の金額を支払うことが定められている場合には、上記のノンキャンセラブルの要件を満たしていることになります。
(1)ファイナンスリースに該当しない場合には、(2)オペレーティングリースに該当することになります。
(1)ファイナンスリースに該当した場合には、第2段階として次の2つに区分します。
A.所有権移転
B.所有権移転外
A.所有権移転に該当するものとは、リース期間が終了したときに借手の所有物になるものなどをいいます。
そうでないものは、B.所有権移転外に該当することになります。
なお、リース期間終了後に返還する契約であっても、そのリース期間が短い場合など、A.所有権移転に該当する場合もあります。
具体的には、次の算式により、リース期間が短いかどうかを判定します。
耐用年数が10年未満のもの……リース期間<耐用年数の70%(注)
耐用年数が10年以上のもの……リース期間<耐用年数の60%(注)
(注)1年未満の端数があるときは切り捨てます。
ここでいう耐用年数とは、法定耐用年数のことをいい、国税庁のホームページなどで確認することができます。
経費になるのはリース料か、減価償却費か?
ここまでリース契約の種類についてみてきました。
次に、リース契約をした資産がどのように経費になっていくのかを、種類別にみていきましょう。
(1)ファイナンスリース+A.所有権移転
この場合は、リース契約とはいっても、その資産を購入した場合と同じ処理をします。
つまり、そのリース資産を購入した場合と同じように、リース料総額をいったん資産に計上します。
そしてそのリース料総額を固定資産台帳に載せ、法定耐用年数にわたって償却をしていきます。
償却の方法は、その法人が資産の区分(機械装置や器具備品など)ごとに選定をした減価償却方法により償却をします。
税務署へ減価償却方法の選定の届出を提出していない場合には、法定償却方法により償却をします。
機械装置や器具備品であれば定率法により償却をしていくことになります。
したがって、支払ったリース料ではなく、減価償却費の金額が損金(経費)に算入される、ということになります。
また、固定資産税の一種である償却資産税の課税対象にもなります。
(2)ファイナンスリース+B.所有権移転外
この場合にも上記の(1)と同じように処理するのが原則です。
リース料総額を固定資産台帳に載せて償却をしていきます。
しかし、償却の方法は先ほどとは異なります。
『リース期間定額法』といって、リース期間にわたり定額で償却をしていきます。
会社が資産の区分ごとに償却方法を選定していたとしても、その償却方法を用いることはありません。
なお、償却資産税の申告については貸手側が申告をするため、借手側は申告をする必要はありません。
(3)オペレーティングリース
支払ったリース料がそのまま損金(経費)になります。
今回は、リース契約の種類別に支払うリース料がどのように経費となっていくのかをみてきました。
このほかに、金融取引として処理をするセール・アンド・リースバックという契約の種類もあります。
期中にリース契約があった場合には、どの種類の契約なのかをまず契約書で確認するようにしましょう。
※本記事の記載内容は、2020年4月現在の法令・情報等に基づいています。
リース契約は、その契約内容により会計処理が異なります。
支払ったリース料は、税法上どのように損金(経費)となり、法人税にどのように影響するのでしょうか。
まずはそれを知るために、リース契約の際の契約書を確認する必要があります。
リース契約の種類は第1段階として、
(1)ファイナンスリース
(2)オペレーティングリース
の2つに大別されます。
まず、(1)のファイナンスリースに該当する要件が載っているかどうかを確認します。
(1)ファイナンスリースの要件とは、
・ノンキャンセラブル(中途解約禁止など)
・フルペイアウト(リース料総額≒その資産の取得価額×90%など)
の2つです。
いずれも満たしている場合には、(1)ファイナンスリースに該当します。
なお、リース期間中に解約が可能な場合であっても、解約の際に未経過リース料のおおむね全部の金額を支払うことが定められている場合には、上記のノンキャンセラブルの要件を満たしていることになります。
(1)ファイナンスリースに該当しない場合には、(2)オペレーティングリースに該当することになります。
(1)ファイナンスリースに該当した場合には、第2段階として次の2つに区分します。
A.所有権移転
B.所有権移転外
A.所有権移転に該当するものとは、リース期間が終了したときに借手の所有物になるものなどをいいます。
そうでないものは、B.所有権移転外に該当することになります。
なお、リース期間終了後に返還する契約であっても、そのリース期間が短い場合など、A.所有権移転に該当する場合もあります。
具体的には、次の算式により、リース期間が短いかどうかを判定します。
耐用年数が10年未満のもの……リース期間<耐用年数の70%(注)
耐用年数が10年以上のもの……リース期間<耐用年数の60%(注)
(注)1年未満の端数があるときは切り捨てます。
ここでいう耐用年数とは、法定耐用年数のことをいい、国税庁のホームページなどで確認することができます。
経費になるのはリース料か、減価償却費か?
ここまでリース契約の種類についてみてきました。
次に、リース契約をした資産がどのように経費になっていくのかを、種類別にみていきましょう。
(1)ファイナンスリース+A.所有権移転
この場合は、リース契約とはいっても、その資産を購入した場合と同じ処理をします。
つまり、そのリース資産を購入した場合と同じように、リース料総額をいったん資産に計上します。
そしてそのリース料総額を固定資産台帳に載せ、法定耐用年数にわたって償却をしていきます。
償却の方法は、その法人が資産の区分(機械装置や器具備品など)ごとに選定をした減価償却方法により償却をします。
税務署へ減価償却方法の選定の届出を提出していない場合には、法定償却方法により償却をします。
機械装置や器具備品であれば定率法により償却をしていくことになります。
したがって、支払ったリース料ではなく、減価償却費の金額が損金(経費)に算入される、ということになります。
また、固定資産税の一種である償却資産税の課税対象にもなります。
(2)ファイナンスリース+B.所有権移転外
この場合にも上記の(1)と同じように処理するのが原則です。
リース料総額を固定資産台帳に載せて償却をしていきます。
しかし、償却の方法は先ほどとは異なります。
『リース期間定額法』といって、リース期間にわたり定額で償却をしていきます。
会社が資産の区分ごとに償却方法を選定していたとしても、その償却方法を用いることはありません。
なお、償却資産税の申告については貸手側が申告をするため、借手側は申告をする必要はありません。
(3)オペレーティングリース
支払ったリース料がそのまま損金(経費)になります。
今回は、リース契約の種類別に支払うリース料がどのように経費となっていくのかをみてきました。
このほかに、金融取引として処理をするセール・アンド・リースバックという契約の種類もあります。
期中にリース契約があった場合には、どの種類の契約なのかをまず契約書で確認するようにしましょう。
※本記事の記載内容は、2020年4月現在の法令・情報等に基づいています。