事業主なら知っておきたい『女性活躍推進法』における企業の義務
働く女性が個性や能力を発揮し、より自由に活躍できる社会の実現を目指すために施行された『女性の職業生活における活躍の推進に関する法律(以下、女性活躍推進法)』が、2019年5月に改正、同年6月に公布されました。
しかし、どのように改正されたのか、よく知らないという事業主の方も多いのではないでしょうか。
そこで、今回の改正内容を軸として、『女性活躍推進法』を説明していきます。
しかし、どのように改正されたのか、よく知らないという事業主の方も多いのではないでしょうか。
そこで、今回の改正内容を軸として、『女性活躍推進法』を説明していきます。
『女性活躍推進法』の内容と事業主の義務
『女性活躍推進法』とは、働くことを希望する女性がより自由に活躍できるように企業側の取り組みを促すための法律です。
その要となるのが『一般事業主行動計画』で、条件を満たしている事業主は計画に取り組む義務があります。
『一般事業主行動計画』とは、自社の女性の活躍に関する状況を把握・分析した上で作成する行動計画のことで、まずは自社について、
(1)採用した労働者に占める女性労働者の割合
(2)男女の平均継続勤務年数の差異
(3)労働時間の状況
(4)管理職に占める女性労働者の割合
などを把握し、分析するところからスタートします。
分析結果を踏まえて、今度は、計画期間や数値目標、そして取り組みの内容や実施時期などを盛り込んだ計画を策定し、これを自社の従業員はもちろん、外部へも公表します。
さらに、策定した計画を管轄の労働局に届け出ます。
そして、その後も定期的に数値目標の達成状況や、取り組みの実施状況を点検する必要があります。
上記の他にも、
(1)女性の積極採用
(2)女性の継続就業
(3)女性の積極登用・評価
(4)女性の再雇用や中途採用
など、さまざまな事柄に関して、自社の状況を把握・分析しておく必要があります。
策定については、たとえば、把握・分析によって、女性の採用数が前年よりも減っていることが判明したら、採用基準の見直しや、女性の中途採用に関する取り組みなどを盛り込んだ計画を作成するという具合です。
2019年の法改正のポイントとは?
では、どのように法改正されたのかを見ていきましょう。
(1)取り組みを行うべき企業の範囲が拡大
これまでは労働者が301人以上の事業主に限っていた『一般事業主行動計画』の策定・届出義務及び自社の女性活躍に関する情報公開の義務が、労働者が101人以上の事業主に拡大されました。
(2)女性活躍に関する情報公表の強化
労働者が301人以上の事業主は、『職業生活に関する機会の提供に関する実績』と、『職業生活と家庭生活との両立に資する雇用環境の整備に関する実績』の各区分から、1項目以上を公表する必要が出てきました。
各区分は全部で以下の14項目あります。
『職業生活に関する機会の提供に関する実績』
・採用した労働者に占める女性労働者の割合
・男女別の採用における競争倍率
・労働者に占める女性労働者の割合
・管理職に占める女性労働者の割合
・係長級にある者に占める女性労働者の割合
・役員に占める女性の割合
・男女別の職種又は雇用形態の転換実績
・男女別の再雇用又は中途採用の実績
『職業生活と家庭生活との両立に資する雇用環境の整備に関する実績』
・男女の平均継続勤務年数の差異
・10事業年度前及びその前後の事業年度に採用された労働者の男女別の継続雇用割合
・男女別の育児休業取得率
・労働者の一月当たりの平均残業時間
・雇用管理区分ごとの労働者の一月当たりの平均残業時間
・有給休暇取得率
これらの項目の情報を公表させるのは、各事業所に女性の活躍に関しての意識を高めてもらおうというのが目的です。
(3)特例認定制度『プラチナえるぼし』を制定
女性活躍に関する取り組みを実施し、優秀な結果を出した事業所に対する特例認定制度が創設されました。
この制度で厚生労働大臣から『優秀』と認められると、『事業主行動計画』の策定義務が免除されます。
これらの『女性活躍推進法』には罰則規定は設けられていませんが、厚生労働省が必要に応じて指導を行うこともあるので、原則的に、条件に当てはまる企業は取り組みを行っていく必要があります。
また、女性の活躍を応援している企業という対外的なイメージもアップし、実際に優秀な女性を登用するきっかけにもなります。
女性が活躍できる企業ということは、女性労働者にとってもメリットになるため、離職率の低下にもつながります。
企業的にもさまざまな恩恵が受けられるため、積極的に取り組んでいく必要があります。
※本記事の記載内容は、2020年1月現在の法令・情報等に基づいています。
『女性活躍推進法』とは、働くことを希望する女性がより自由に活躍できるように企業側の取り組みを促すための法律です。
その要となるのが『一般事業主行動計画』で、条件を満たしている事業主は計画に取り組む義務があります。
『一般事業主行動計画』とは、自社の女性の活躍に関する状況を把握・分析した上で作成する行動計画のことで、まずは自社について、
(1)採用した労働者に占める女性労働者の割合
(2)男女の平均継続勤務年数の差異
(3)労働時間の状況
(4)管理職に占める女性労働者の割合
などを把握し、分析するところからスタートします。
分析結果を踏まえて、今度は、計画期間や数値目標、そして取り組みの内容や実施時期などを盛り込んだ計画を策定し、これを自社の従業員はもちろん、外部へも公表します。
さらに、策定した計画を管轄の労働局に届け出ます。
そして、その後も定期的に数値目標の達成状況や、取り組みの実施状況を点検する必要があります。
上記の他にも、
(1)女性の積極採用
(2)女性の継続就業
(3)女性の積極登用・評価
(4)女性の再雇用や中途採用
など、さまざまな事柄に関して、自社の状況を把握・分析しておく必要があります。
策定については、たとえば、把握・分析によって、女性の採用数が前年よりも減っていることが判明したら、採用基準の見直しや、女性の中途採用に関する取り組みなどを盛り込んだ計画を作成するという具合です。
2019年の法改正のポイントとは?
では、どのように法改正されたのかを見ていきましょう。
(1)取り組みを行うべき企業の範囲が拡大
これまでは労働者が301人以上の事業主に限っていた『一般事業主行動計画』の策定・届出義務及び自社の女性活躍に関する情報公開の義務が、労働者が101人以上の事業主に拡大されました。
(2)女性活躍に関する情報公表の強化
労働者が301人以上の事業主は、『職業生活に関する機会の提供に関する実績』と、『職業生活と家庭生活との両立に資する雇用環境の整備に関する実績』の各区分から、1項目以上を公表する必要が出てきました。
各区分は全部で以下の14項目あります。
『職業生活に関する機会の提供に関する実績』
・採用した労働者に占める女性労働者の割合
・男女別の採用における競争倍率
・労働者に占める女性労働者の割合
・管理職に占める女性労働者の割合
・係長級にある者に占める女性労働者の割合
・役員に占める女性の割合
・男女別の職種又は雇用形態の転換実績
・男女別の再雇用又は中途採用の実績
『職業生活と家庭生活との両立に資する雇用環境の整備に関する実績』
・男女の平均継続勤務年数の差異
・10事業年度前及びその前後の事業年度に採用された労働者の男女別の継続雇用割合
・男女別の育児休業取得率
・労働者の一月当たりの平均残業時間
・雇用管理区分ごとの労働者の一月当たりの平均残業時間
・有給休暇取得率
これらの項目の情報を公表させるのは、各事業所に女性の活躍に関しての意識を高めてもらおうというのが目的です。
(3)特例認定制度『プラチナえるぼし』を制定
女性活躍に関する取り組みを実施し、優秀な結果を出した事業所に対する特例認定制度が創設されました。
この制度で厚生労働大臣から『優秀』と認められると、『事業主行動計画』の策定義務が免除されます。
これらの『女性活躍推進法』には罰則規定は設けられていませんが、厚生労働省が必要に応じて指導を行うこともあるので、原則的に、条件に当てはまる企業は取り組みを行っていく必要があります。
また、女性の活躍を応援している企業という対外的なイメージもアップし、実際に優秀な女性を登用するきっかけにもなります。
女性が活躍できる企業ということは、女性労働者にとってもメリットになるため、離職率の低下にもつながります。
企業的にもさまざまな恩恵が受けられるため、積極的に取り組んでいく必要があります。
※本記事の記載内容は、2020年1月現在の法令・情報等に基づいています。