社会保険労務士法人なか/労働保険事務組合福働会/福働会中部支部

食材廃棄率を極力抑え、利益率を上げるメニュー開発のポイント

19.12.19
業種別【飲食業】
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リピーターを増やしたり、幅広い客層を呼び込んだりするために、「バラエティに富んだメニューにしたい」と考えている飲食店は多いようです。
しかし、メニューの数を増やすと、おのずと食材数が増え、場合によっては利益率を下げてしまうケースも……。
ただ単にメニュー数を増やせばよいというものではないのです。
そこで、効率よくメニューを増やすポイントを紹介します。
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メニュー数を増やしても食材廃棄率は抑える

老若男女をターゲットにしている飲食店はもちろん、ファミリー向けや若者向けの店舗でも、どのようなメニューを提供するかは大事なポイントになります。
多くのお客を呼び込むためには、新しいメニューを開発したり、看板料理のバリエーションを増やしたりして、お客を惹きつける飽きさせない努力が必要です。
しかし、メニューの種類を増やすと、その分より多くの食材を業者から仕入れなければなりません。
食材のストックが増えれば、保管する場所として、より広いスペースを確保することが必要となってきます。
また、増やしたメニューがすべて均等にお客から注文されるとは限りません。
そうなると、なかにはせっかく仕入れても廃棄せざるを得なくなる食材も出てきます。
食材の廃棄率が高くなればなるほど、赤字を生み出す要因になってしまいます。
これでは集客と利益率アップのために始めた新しいメニューも、続けていくことができなくなってしまうでしょう。

そこでポイントとなるのが、メニュー開発力です。
これまで仕入れてきた食材を使って新しい料理を考えたり、調味料などを加えることで料理の見た目も味も大きく変えたりする工夫が求められるのです。
その際、使う食材が少なければ少ないほど、食材の廃棄率を抑えることが可能になります。
また、一つの食材を大量に使う場合、農家や直販店などから仕入れるようにすれば、近所のスーパーなどで少しずつ補充するより、安く済みます。
さらに、農家や直販店とのつながりが深まることで、少しずつ別の食材を安く手に入れることもできるかもしれません。
このほか、食材を絞り込むことで、仕入や仕込みにかかる時間を効率化することもできるでしょう。


『“○○料理”の店』と印象づけて成功へ

メニュー開発の成功と失敗の分かれ道となるのが、『どのような食材を使い、どのようなメニューを開発するか』です。
新しいメニューを考えるうえで、トレンドを意識しすぎる必要はありません。
重要なのは、開発したメニューがお客から評価されて、多くの人々にお店の存在が知れ渡ることです。
たとえば、牡蠣料理が売りのお店であれば、メインの食材を牡蠣に絞って、牡蠣パスタ、牡蠣の煮物、牡蠣の佃煮、牡蠣のグラタン、牡蠣のサラダ、牡蠣のご飯、牡蠣鍋……など、牡蠣をメインにしたメニューを開発します。
このようにメインを一つの食材に絞ることで、『牡蠣料理の美味しい店』とお客に認知してもらえるきっかけになるのです。
牡蠣だけでなく、プラスワン食材として別の魚介を仕入れてメニュー開発すれば、『牡蠣と魚介が美味しい店』と、お客の選択肢も広がります。

一つの食材をメインにすると、お客に飽きられてしまわないだろうかと不安になるかもしれません。
しかし、あれやこれやと手を出しても、お客からしてみれば何を売りにしているお店なのか印象に残りにくいものです。
そのため、「○○だから行きたい」というような、お店に来店する強い動機にはなりにくいのです。
また、何が売りなのかがわかりにくいお店の場合、第三者にお店の良さを伝えにくいため、口コミでお店の評判が広がることも、あまり期待できません。
さらに、何の特色もないお店だと、テレビや雑誌などのメディアからも注目されにくいでしょう。

一つの食材をメインに絞ったことで、認知度が上がり、集客に成功した例としては、活イカ卸直営の居酒屋『イカセンター』や、牡蠣食べ放題の居酒屋『かき小屋』があげられます。

食材を絞ったメニューを開発すると、食材廃棄率を低く抑えることをはじめ、仕込みや仕入れの効率化、口コミでお店の認知度アップなど、さまざまなメリットがあります。
集客と売り上げ向上のためのメニュー開発を考えてみてはいかがでしょうか。


※本記事の記載内容は、2019年12月現在の法令・情報等に基づいています。