社会保険労務士法人なか/労働保険事務組合福働会/福働会中部支部

美容業界の新常識!? 髪を切らない美容室『BDB』とは?

19.12.19
業種別【美容業】
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流行最先端のニューヨークで、もはや定番となりつつある『ブロードライ・バー(Blow-Dry-Bar。以下、 BDB)』をご存じでしょうか。
BDBとは、シャンプーやブローに特化したサービスを行うスタイルの美容室のことです。
プロの技術はもちろん、新しいライフスタイルを提案することで、特に多忙な働く女性たちから支持を得ています。
今回は、そんな新感覚の美容室について紹介します。
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“カットしない美容室”トレンドの発端は?

美容室といえば、カタログを見ながら理想の髪型にカットし、必要に応じてカラー、パーマを施してもらうのが一般的です。
しかし昨今では、カットもカラーもパーマもメニューにない、新しいサービスを提供する美容室が増えています。
通常、美容室では、カット+カラーで値段は6,000円~1万円程度、時間は2時間程度かかります。
しかし、今回紹介するBDBは値段を抑え、短時間で済みます。
基本メニューはシャンプーだけ、またはシャンプー&ブローだけ
店舗によって料金はさまざまですが、月額1万2,000円~2万5,000円程度で通い放題という料金プランが人気です。
定額制で提供されるサービスを利用できるビジネスモデル『サブスクリプション』は、美容業界でも注目の的なのです。

発祥の地・ニューヨークでは店舗数は年々急増。
現在はアメリカ本土だけでなく、ハワイやヨーロッパまでトレンドは広まっています。
日本でも東京を皮切りに、都市部で徐々にBDBサロンがオープンしています。
このような“カットしない美容室”が注目されてきている背景には、多忙を極める女性たちの生活スタイルが関係しています。
一般的な美容室との違いは、仕事終わりやジムの後、出勤前の15分など、毎日の隙間時間に利用できること
常連客のなかには、「汚れがきれいに落ちるので、自宅でシャンプーをしなくなった」という声もあがっているそうです。
一見割高に見えたとしても、時間を有効活用できるうえ、“日々の習慣”となれば元が取りやすいこともポイントです。


店舗ごとのオリジナリティーを出しやすい!

美容室は店舗数がとても多く、競争率が激しいことで知られています。
そのため、美容室を経営する上でマーケティングは欠かせません。
しかし、地域、年齢、職業、その他開店曜日・時間によって変動する客層をリサーチし、ターゲット層を絞り込むなど、マーケティングには非常に時間も手間もかかります。
その点、BDBサロンは、客層のほぼすべてがシャンプー、またはシャンプー&ブローだけのサービスを目当てにやってくるため、経営側の最重要課題は、これらのサービスの向上を図ることに絞られます。
現在まだ通常タイプの美容室ほどBDB専門店が国内進出していないため、各店オリジナルのプランを展開しやすいこともBDBサロンの特色です。
日本でいち早く登場した、都内にあるBDBサロンでは、シャンプー、ブローのほかに、500円から追加できるオプションとしてヘアパックやヘッドマッサージなどのサービスも提供しています。
また、休日の女子会や仕事終わりに来店する女性も多いことから、スパークリングワインをサービスする店舗も登場しました。
場所や料金設定も重要ですが、気軽に立ち寄れることに加え、このようなプチ贅沢を味わえるうれしいサービスも人気の秘密といえるでしょう。


5年後にはカフェ感覚の美容室が定番に!?

四季のある日本では特に、乾燥しやすい季節や梅雨のようなジメジメとしたシーズンには、美髪を維持するのも一苦労……。
毎朝イライラしながら時間をかけて髪をセットするくらいなら、美容室に直行しノンストレスで出勤できるほうがお得な気分になれそうです。
カフェに立ち寄るかのように習慣化しやすく、トレンドに敏感な女性たちの間では、リフレッシュの場としても利用されています。
シャンプーとブローのみという、ありそうでなかったサービスが急激に人気度を上げている理由は、こうした現代のニーズとマッチしたから。
美容室オーナーたちが着目すべきビジネスチャンスは、まだまだありそうです。

先述した、都内のBDB専門店は、5年以内に100店舗展開を目指しているといいます。
“シャンプーは自宅ではなく美容室で”が当たり前となる日も、そう遠くないかもしれません。


※本記事の記載内容は、2019年12月現在の法令・情報等に基づいています。