『認知的不協和状態』を利用したキャッチコピーとは?
自社の商品やサービスをPRするうえで欠かせないのがキャッチコピーです。
近年は、自分自身のなかに矛盾を抱えた状態の『認知的不協和状態』を利用したキャッチコピーが目立つようになってきました。
これはいったいどういうものなのでしょうか。
今回は、その効果と『認知的不協和』を利用したキャッチコピーの作り方をご紹介していきます。
近年は、自分自身のなかに矛盾を抱えた状態の『認知的不協和状態』を利用したキャッチコピーが目立つようになってきました。
これはいったいどういうものなのでしょうか。
今回は、その効果と『認知的不協和』を利用したキャッチコピーの作り方をご紹介していきます。
『認知的不協和状態』とは、どんな状態か?
『認知的不協和状態』とは、アメリカの心理学者レオン・フェスティンガーによって提唱された人の心の状態のことです。
人は、二つの矛盾した『認知』を抱えた際に、居心地の悪さや不快感を覚えます。
このときの心の状態を『認知的不協和状態』といいます。
そして、人はこの状態から脱しようと、無意識的に心のバランスを取る行動をします。
有名なところでは、イソップ童話の『狐とブドウ』がこうした心の状態とその後の行動を端的に表しています。
細かい部分は書き手によって変わってきますが、大筋は以下の通りです。
お腹を空かせた狐が、道でブドウのなっている木を見つけました。
狐は、ブドウを手に入れようと何度も飛び跳ねますが、木が高くてブドウに届きません。
しかたなくあきらめた狐は、「どうせあのブドウは酸っぱいに決まっている。最初から食べる気はなかった」とつぶやきます。
この物語から見えてくるのは、人間の普遍的な心の動きです。
まず狐は、「ブドウが食べたい」という気持ちと「届かないので食べられない」という二つの矛盾した気持ちを抱えます。
このときの状態こそが、『認知的不協和状態』です。
食べたいブドウが食べられないことで、狐はきっと不快感を覚えたでしょう。
そして、この不快感を解消しようと、狐はブドウを酸っぱいものと決めつけ、最初から食べる気などなかったことにします。
つまり、自分の心を偽ることで、不快感から脱しようとしたのです。
このような心の動きは、私たちの日常生活でもよく起きています。
たとえば、「痩せたいけど、食べたい」という人は、何か料理を食べるときに、「このぐらいなら太らないだろう」とか「食べたあとに運動すれば大丈夫」などの言い訳をします。
これは心のバランスを取る動きといえます。
また、自社よりはるかに業績を上げている経営者に対し、「あいつはもとから住む世界が違うからしかたない」などと目をそむけたり、「きっと何か悪いことをしているに違いない」などと勝手な憶測で相手を下げたりするのも、不快な状態を解消するために心のバランスを取る行為です。
『認知的不協和状態』を活用するには?
このように、誰もが矛盾した感情を抱え、そして、それを解消することで心のバランスを取っています。
マーケティングにおいては、こうした人の心理を逆手に取ったキャッチコピーが多く使われています。
たとえば「痩せたいけど、食べたい」という人にとって、「食べるダイエット始めませんか」というキャッチコピーは非常に魅惑的です。
今まで頭を悩ませていた問題を解決する手段がキャッチコピーで提示されているわけです。
二つの矛盾した感情を抱えているユーザーは思わずそのダイエット食品を手に取ってしまうはずです。
また「資格のために勉強したいけど、時間がない」という人にとって、「1日たった10分で知識が身につく」というキャッチコピーは、まさに理想的な解決方法です。
このキャッチコピーが帯に書いてある参考書であれば、きっと手に取ることになるでしょう。
つまり、いかに人の心のなかにある矛盾を解消するキャッチコピーをつけられるかどうかが、商品を購入してもらえるかどうかの分かれ道になるといえます。
矛盾の解消を呼びかけるようなキャッチコピーには『数字の強調』『呼びかけ』『ニュース性、話題性』などがあります。
これらは数あるキャッチコピーのテクニックの一つに過ぎませんが、『認知的不協和状態』を抱えたユーザーにとっては、これ以上なく刺さるキャッチコピーだともいえます。
自社商品に対して、こうしたキャッチコピーが効果的かどうかを一度考えてみてはいかがでしょうか。
※本記事の記載内容は、2019年8月現在の法令・情報等に基づいています。
『認知的不協和状態』とは、アメリカの心理学者レオン・フェスティンガーによって提唱された人の心の状態のことです。
人は、二つの矛盾した『認知』を抱えた際に、居心地の悪さや不快感を覚えます。
このときの心の状態を『認知的不協和状態』といいます。
そして、人はこの状態から脱しようと、無意識的に心のバランスを取る行動をします。
有名なところでは、イソップ童話の『狐とブドウ』がこうした心の状態とその後の行動を端的に表しています。
細かい部分は書き手によって変わってきますが、大筋は以下の通りです。
お腹を空かせた狐が、道でブドウのなっている木を見つけました。
狐は、ブドウを手に入れようと何度も飛び跳ねますが、木が高くてブドウに届きません。
しかたなくあきらめた狐は、「どうせあのブドウは酸っぱいに決まっている。最初から食べる気はなかった」とつぶやきます。
この物語から見えてくるのは、人間の普遍的な心の動きです。
まず狐は、「ブドウが食べたい」という気持ちと「届かないので食べられない」という二つの矛盾した気持ちを抱えます。
このときの状態こそが、『認知的不協和状態』です。
食べたいブドウが食べられないことで、狐はきっと不快感を覚えたでしょう。
そして、この不快感を解消しようと、狐はブドウを酸っぱいものと決めつけ、最初から食べる気などなかったことにします。
つまり、自分の心を偽ることで、不快感から脱しようとしたのです。
このような心の動きは、私たちの日常生活でもよく起きています。
たとえば、「痩せたいけど、食べたい」という人は、何か料理を食べるときに、「このぐらいなら太らないだろう」とか「食べたあとに運動すれば大丈夫」などの言い訳をします。
これは心のバランスを取る動きといえます。
また、自社よりはるかに業績を上げている経営者に対し、「あいつはもとから住む世界が違うからしかたない」などと目をそむけたり、「きっと何か悪いことをしているに違いない」などと勝手な憶測で相手を下げたりするのも、不快な状態を解消するために心のバランスを取る行為です。
『認知的不協和状態』を活用するには?
このように、誰もが矛盾した感情を抱え、そして、それを解消することで心のバランスを取っています。
マーケティングにおいては、こうした人の心理を逆手に取ったキャッチコピーが多く使われています。
たとえば「痩せたいけど、食べたい」という人にとって、「食べるダイエット始めませんか」というキャッチコピーは非常に魅惑的です。
今まで頭を悩ませていた問題を解決する手段がキャッチコピーで提示されているわけです。
二つの矛盾した感情を抱えているユーザーは思わずそのダイエット食品を手に取ってしまうはずです。
また「資格のために勉強したいけど、時間がない」という人にとって、「1日たった10分で知識が身につく」というキャッチコピーは、まさに理想的な解決方法です。
このキャッチコピーが帯に書いてある参考書であれば、きっと手に取ることになるでしょう。
つまり、いかに人の心のなかにある矛盾を解消するキャッチコピーをつけられるかどうかが、商品を購入してもらえるかどうかの分かれ道になるといえます。
矛盾の解消を呼びかけるようなキャッチコピーには『数字の強調』『呼びかけ』『ニュース性、話題性』などがあります。
これらは数あるキャッチコピーのテクニックの一つに過ぎませんが、『認知的不協和状態』を抱えたユーザーにとっては、これ以上なく刺さるキャッチコピーだともいえます。
自社商品に対して、こうしたキャッチコピーが効果的かどうかを一度考えてみてはいかがでしょうか。
※本記事の記載内容は、2019年8月現在の法令・情報等に基づいています。