離婚の際に決めた合意内容が守られない場合、どうすればいい?
離婚をする際に、夫婦間で取決めをすることが多いと思われます。
取決めでは、離婚の合意から始まって、親権者や養育費、面会交流などが定められます。
しかし、合意をしたことで、元夫(元妻)が合意内容を守ると思って満足していませんか。
仮に、元夫(元妻)が合意内容を守らなかった場合(養育費を支払わない、面会交流をしてくれないなど)、どうすればいいでしょうか。
取決めでは、離婚の合意から始まって、親権者や養育費、面会交流などが定められます。
しかし、合意をしたことで、元夫(元妻)が合意内容を守ると思って満足していませんか。
仮に、元夫(元妻)が合意内容を守らなかった場合(養育費を支払わない、面会交流をしてくれないなど)、どうすればいいでしょうか。
債務名義がないと強制執行ができない!?
元夫(元妻)が合意内容を守らない場合は、裁判所を通じて強制執行をすればいいと思う方もいるかもしれませんが、すべての合意書で強制執行できるわけではありません。
強制執行をするには“債務名義”が必要なのです。
“債務名義”とは、強制執行により実現が予定される請求権を何に対してどこまで請求できるのか、請求権の存在や範囲、債権者などを表示した公の文書のことです。
具体的には、判決書、和解調書、公正証書などが挙げられます。
つまり、適切な合意または裁判所の判断がなければ、裁判所は強制執行に応じないということです。
なぜなら、当事者同士の私的な合意書では、信用に足りない部分や不明確な部分があるかもしれないためです。
ただし、当事者同士の私的な合意書を証拠として訴訟を提起し、裁判所の判決を受ければ、当該判決は債務名義となり強制執行が可能となります。
債務名義も万能ではない
債務名義があるからといって、どのような合意内容でも強制執行できるわけではありません。
強制執行は、主に“金銭の支払い”を念頭に置いた手続きです。
金銭の支払い以外でも強制執行の対象になる事項はありますが、本人が自発的にしなければ実現できない事項への対応は難しくなります。
また、合意の定め方により強制執行の可否が決まることもあります。
その例が“面会交流”です。
平成25年3月28日の最高裁決定では、『面会交流の日時又は頻度、各回の面会交流の時間の長さ、子の引き渡し方法等』が定められている場合には、面会交流拒否に対する強制執行をすることができる旨を述べています(民集 第67巻3号864頁)。
ただし、強制執行が可能な定め方であるからといって、必ず強制執行ができるとは限りません。
裁判所がケースごとに個別に判断を下します。
なお、公正証書は金銭の支払いに関してのみ強制執行が可能なため、公正証書で面会交流の合意をし、合意内容が守られなかったとしても強制執行はできません。
強制執行が可能かどうか確認をしましょう
離婚の際に取り決めを定めたとしても、合意内容を記した書面自体がそもそも“強制執行可能な債務名義なのか”という点に注意しなければなりません。
また、合意内容が強制執行可能な事項であるか否か、強制執行が可能な定め方になっているかについても注意が必要なので、弁護士に相談することをおすすめします。
元夫(元妻)が合意内容を守らない場合は、裁判所を通じて強制執行をすればいいと思う方もいるかもしれませんが、すべての合意書で強制執行できるわけではありません。
強制執行をするには“債務名義”が必要なのです。
“債務名義”とは、強制執行により実現が予定される請求権を何に対してどこまで請求できるのか、請求権の存在や範囲、債権者などを表示した公の文書のことです。
具体的には、判決書、和解調書、公正証書などが挙げられます。
つまり、適切な合意または裁判所の判断がなければ、裁判所は強制執行に応じないということです。
なぜなら、当事者同士の私的な合意書では、信用に足りない部分や不明確な部分があるかもしれないためです。
ただし、当事者同士の私的な合意書を証拠として訴訟を提起し、裁判所の判決を受ければ、当該判決は債務名義となり強制執行が可能となります。
債務名義も万能ではない
債務名義があるからといって、どのような合意内容でも強制執行できるわけではありません。
強制執行は、主に“金銭の支払い”を念頭に置いた手続きです。
金銭の支払い以外でも強制執行の対象になる事項はありますが、本人が自発的にしなければ実現できない事項への対応は難しくなります。
また、合意の定め方により強制執行の可否が決まることもあります。
その例が“面会交流”です。
平成25年3月28日の最高裁決定では、『面会交流の日時又は頻度、各回の面会交流の時間の長さ、子の引き渡し方法等』が定められている場合には、面会交流拒否に対する強制執行をすることができる旨を述べています(民集 第67巻3号864頁)。
ただし、強制執行が可能な定め方であるからといって、必ず強制執行ができるとは限りません。
裁判所がケースごとに個別に判断を下します。
なお、公正証書は金銭の支払いに関してのみ強制執行が可能なため、公正証書で面会交流の合意をし、合意内容が守られなかったとしても強制執行はできません。
強制執行が可能かどうか確認をしましょう
離婚の際に取り決めを定めたとしても、合意内容を記した書面自体がそもそも“強制執行可能な債務名義なのか”という点に注意しなければなりません。
また、合意内容が強制執行可能な事項であるか否か、強制執行が可能な定め方になっているかについても注意が必要なので、弁護士に相談することをおすすめします。